インク吸収体満杯エラーをリセットする

キヤノンのG5030、使っているとインクチューブが空になって印字が出来なくなる。
印字が出来なくなったらインクシステムリフレッシュを行うと正常になる。
インクシステムリフレッシュとは、インクチューブやプリントヘッドにインクを充填する動作だ。
しかしインクシステムリフレッシュを行うと、廃インクパッドにインクが溜まったことになる。
実際にはチューブ内にインクは無いので、それが押し出されて廃インクパッドに(チューブ内の全量が)溜まるわけではないが、廃インクパッドカウンタは実際のインク量を見ているわけではない。

チューブ内はこの通り、インクが空になっている。

チューブがインク色に染まっているので分かりにくいのだが、インクが入っていればチューブはもっと濃いインク色に見える。

インクチューブのインクが途切れてしまうのが正常なのか故障なのか?
G5030を購入後1年ほどすると印字出来なくなった。
この時にはプリントヘッドが悪いのかと思い、ヘッドを購入して交換した。
ヘッドを交換すると正常に印字が出来るようになったのだが、インクチューブにインクが無いのが正常なのか?自然に充填されるのかが分からなかった。

キヤノンに問い合わせると、故障しているかどうかの判断は有償点検が必要とのこと。
基本料金が(当時は)5千円+点検に要した料金だったかな、それに往復の送料が必要なので1~2万円になるとのこと。
故障していた場合は更に修理費用が発生する。

インクシステムリフレッシュを行えば直るというか、インクシステムリフレッシュが必要である事をその時に知った。
インクシステムリフレッシュを行わないと、通常使用している限りインクチューブにインクは充填されないそうだ。
なおキヤノン指定の純正用紙以外を使うと保証は効かなくなると言われた。

と言うことで今回も又インクシステムリフレッシュを行う。
プリンタ購入以来5回目になるインクシステムリフレッシュを早速実行する。
と、…

インク吸収体満杯のエラーになった。
購入したのは2020年11月だったので、廃インクパッドの寿命まで6年と言うことか…
もっともG3390購入後は余り使っていないので、実質5年である。
何故G3390を買ったのかはもう少し下に書く。

インク吸収体が満杯になっても何枚かはプリント出来ると思ったのだが、G5030はこの状態で停止してしまった。
電源を入れ直してもすぐにエラーとなり、プリンタとして使用出来ない状態になっている。
廃インクパッドエラーが出ると、スキャナ付プリンタはスキャナ機能も使用出来なくなる。
一部でも使える機能が残っていれば、廃インク商売が(略)

そもそもインクシステムリフレッシュを行わないと印字が出来なくなる時点で不良なのだが、キヤノンがこれを認めるはずはない。
海外の記事でもインクチューブが空になる事に対する対応が色々と語られている。
インクシステムリフレッシュ動作を行い、インクチューブ内にインクが充填されたタイミングでコンセントを引き抜くと、インクが無駄にならないし廃インクパッドが汚れないなどと書かれている。

またシリンジを使ってチューブ内にインクを充填し、ヘッド内にもいっぱいまでインクを充填する手法を採れば、廃インクタンクエラーを回避出来るという記事もあった。
世界中が苦労しているこの仕様、キヤノンは世界を手玉に取ったぜ、かも。

インクが送られなくなる問題は初期の大容量タンクモデルから継続しているので、設計不良が放置されているか、或いはそういう寿命設計なのだろう。
プリンタの代替需要を喚起するためにはプリンタが使えなくなる必要があるが、あからさまな故障は耐久性評価を落とす事になる。
しかしインク系の分かりにくいトラブルであれば、固有の故障と判断して貰える可能性がある。

廃インクパッド裁判なんてものもあったのだが、既存機種には影響していない。
こうした暗黙によるプリンタの寿命設定問題が大きくなり、最近のモデルは廃インクパッドが交換可能になっている。
インクチューブがどのくらいで空になるかは使い方によるが、私の場合は平均すると1年ごとにインクチューブリフレッシュを行う必要がある。

こうしてインクシステムリフレッシュを繰り返した4回目、G5030の廃インクパッドがいつ満タンになるか分からない状態となり、プリンタが使えなくなるのは困るのでG3390を買ったのが昨年の秋だった。
新しいプリンタは買ったが、G5030の残寿命が知りたくてキヤノンに問い合わせをした。
ヘッドクリーニングなどの操作を行わず、インクシステムリフレッシュのみを行った場合に何度目で廃インクパッドエラーになるのかと。
これは設計上の計算値として出せる数値なのだが、キャノンは以下のように回答してきた。

早速のご案内となり恐れ入りますが、廃インクパッド(インク吸収体)が残りどのくらいご利用できるかについては、環境による部分もあり、ご案内できる目安が無い次第です。

今後のご利用を懸念されてのお問い合せと存じますのに、明確なご案内が出来ず、誠に申し訳ございません。

いや、設計値を教えてくれれば良いのだが、話が通じない。
果たして何回までのインクシステムリフレッシュに耐えるのかは分からなかったが、何となくそろそろダメなんだろうなとは思っていた。

G3390もG5030もプリント時以外にガコガコ動き続け、長い時では5分も動いている。
G3390は廃インクタンク使用率が分かるのだが、その廃インクタンクにもだんだんインクが溜まっていくので、無駄に廃インクを生成しているのではないか?と勘ぐりたくなる。
プリントコストはプリントに要するコストの明示だけで、ヘッドクリーニングやインクシステムリフレッシュによる廃インクのコストは加味されていない。
廃インクを過剰に生成すれば、その分消耗品販売が絶好調になる。

G5030の廃インクの話を戻そう。
e-Bayではこんなものが売られている。

外部廃インクタンクキットだそうだ。
これとリセットツールのセットで販売されている。
ちなみにリセットツール自体は数百円から2千円くらいだ。

G5030をメインに使っている状態で、リセットツールを使うのは勇気が要る。
もしかするとその時点でプリンタが使えなくなるかも知れないし、悪あがきで時間だけが過ぎていくかも知れない。
しかし今はG3390があるので、時間を気にせずいじることが出来る。

キヤノンプリンタは電源ボタン(黄色矢印)とSTOPボタン(緑色矢印)を同時に押しながら電源を入れ、所定の操作でサービスモードに入れる方式が多いのだが、G5000シリーズは少し異なる。
G5030をサービスモードに入れるには、次の手順の操作を行う。

電源をOFFにした状態から黄色矢印の電源ボタンを押しっぱなしにする。
その状態で緑色矢印のSTOPボタンを5回押す。
ボタンを押す度に電源LEDとSTOPボタン下のLEDが交互に点灯する。
その後黄色矢印の電源ボタンを放すと、液晶画面は全点灯(真っ黒)になる。
これでサービスモードへの移行が完了した。

リセットツールをダウンロードして実行すると、EEPROMを読むことは出来た。

EEPROMの内容はチェックしていないのだが、廃インクタンクのカウント値もどこかにあるはずだ。

廃インクタンクカウンタをリセットするためにはお金を払わなければいけない。
本当にリセット出来るのか?
9.99USDなので人柱になってみるか。

このソフトのダウンロードはwic-reset.com から行い、ここからキーを買うことが出来る。
一方でソフトからBuyKeysをクリックすると、2manuals.comが開く。
本家は2manuals.comで、wic-reset.comは販売と解説のページみたいだ。
2manuals.comで料金を支払う。

程なくしてメールでキーが届くので、それを入力する。
すると廃タンクカウンタがリセットされる。

プリンタは正常に立ち上がった。

さっそくインクシステムリフレッシュを行うと、インクチューブにインクが充填されて正常に印字出来るようになった。

キヤノンに修理を依頼すると3万円前後の料金がかかる。
これだと新しいプリンタを買った方が安くなる。
もっともソフトウエアで廃インクタンクカウンタはリセット出来たものの、廃インクパッド自体も本来は交換する必要がある。
しかし廃インクパッドを交換するのは結構手間がかかり、かなりバラさなければいけない。
簡単に廃インクパッドが交換出来たら、廃インク商売が(略)
リセットツールで2~3回廃インクパッドカウンタをリセットする程度では、廃インクパッドは溢れないと海外の掲示板には書かれていた。

モデルによっても異なるが、廃インクタンクの容量は40g~80gらしい。
40gとしてもかなりのインク量になる。
プリンタのインクタンク容量はカラーで70mlなので、その半分程度を吸収出来る。

廃インクパッドカウンタのリセットは、従来はキヤノン製のツールをハッキングしたもの(Canon Service Tool)だったが、ウイルスチェッカに引っかかるなど怪しげな点が多かった。
今回使ったものはキヤノン製ではなく、汎用リセットツールとして製作されたもののようだ。
なおEPSONプリンタのリセットも同ソフトで可能で、EPSONプリンタの場合は無料で80%まで回復可能だと書かれている。

廃インクパッドの交換が面倒なのでプリンタをバット(容器)の上に乗せ、溢れてきた廃インクでテーブルが汚れないようにするという対策もあって面白い。
プリンタ各社は大容量インクタンクモデルでインク商売が成立しにくくなり、廃インクパッド商売に切り替えたのか。
しかしそれも裁判でメーカ側が敗訴、今は廃インクパッドの交換が可能なプリンタが増えたのは良いことではあるが、無駄に廃インクタンクにインクを送り込んでいるのではないかとも思える。

廃インクパッドの交換は面倒だが、廃インクを外部に取り出すのは簡単だ。
そこで廃インクパッドの状態確認と、廃インクの外部放出改造を行う。
G5030では向かって右側のパネルを、背面2本のビスを外して引っ張って取る。
上部に引っかかりがあるが、一方はマイナスドライバで押せば外れ、もう一方は蓋のヒンジの下あたりなのでそのまま引っ張って取った。

すると内部にもプラスチック製のカバーがあり、廃インクポンプがよく見えない。
このカバーを外すのは結構大変だ。
簡単に外れたら廃インク商売が(略)
カバーは構造体になっている訳ではないので、ニッパーで切り取ってしまう。
これで廃インクポンプが見えるようになる。

ポンプから出ている廃インクチューブは2本、カラー用と黒用だろうか?
1本はケース一体?の部分に接続されていて、もう1本は単に廃インクパッドに当てられているだけだった。

カバーを切り取ったので廃インクパッドが見える。
また白っぽい部分が残っていて、ビチャビチャにはなっていない。
ティッシュをギュッと押しつけると、ティッシュにインクが付いてくる。

この状態なら交換せずにもうしばらくは使える。
ただしプリンタの利用状況によって、廃インクの量には差が出る。

チューブを外部に出すためには延長が必要だ。
金魚のエアホースよりも細いチューブなので、それを接続するジョイントを探す。
と、スプレーオイルのパイプが丁度良い。
まるでこのためにあるような太さなのだ。
肉厚があるので内部は細いのだが、たぶん大丈夫だろう。

パイプを切ってチューブを連結する。
チューブはドージングポンプ用のものがあったので、それを使った。
プラスチックパイプやシリコンチューブはAmazonで買える。

プリンタ本体側には背面に角穴があるので、そこから延長したチューブを出す。
まるでこの改造のためにあるような角穴、これでは廃インク商売が(略)

本体側の位置に合わせ、側面カバーに穴を開けてチューブを引っ張り出す。

後は組み立てて完了だ。
チューブは適当な容器に入れておけば良いのだが、容器が倒れたりチューブが抜けたりすると悲惨なことになるので注意。

廃インク瓶の横にあるのはMG3530で、今は殆ど使っていない。
これは大容量インクタンクモデルではないので、ヘッド一体型のインクカートリッジを都度交換する。
インクカートリッジ代は高いが、ヘッドも一緒に交換なので詰まりがあっても解消される。
もっともキヤノンの加熱方式はヘッドが詰まりにくいので、インクカートリッジに穴を開けてサードパーティ製インクを補充して使い続けられる。

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