ステアリングが外れない(1)

ミニのステアリングホイールを頂いた。
60周年記念車のステアリングホイールを他のものに交換されたようで、不要になったステアリングを頂いた。
これはMINI YOURSのナッパレザーだ。
自動車の世界のナッパレザーはしなやかで強い牛革のイメージだが、元々は山羊などの革をなめしたもので、柔らかく手触りが良い反面傷が付きやすいデリケートな素材だった。

現状でミニに付いているものはCOOPERのオリジナルで、若干の傷みがある。
頂いたステアリングは新品みたいな綺麗なものなので、早速交換する。

革巻きステアリングの耐久性は、今まで乗った中ではBENZが一番良い。
10万kmほど乗ったSL600も、9年位かな?乗ったCLSも傷みはなかった。
ミニは多少の傷みがあったが、同じBMWでもBMW本体やロールスロイスは又違うんだろうな。
最も耐久性のなかったのはソアラで、乗り換える3年後には結構ボロになっていた。
シートも然りである。
トヨタの皮革は以前より耐久性が上がったようだが、「ハンドル剥がれ」などのワードで検索するとトヨタ車が圧倒的に多く出てくる。 皮革は刺身や肉と同じで、コストを下げようとすると品質も下がってしまう。
レクサスブランド車位はお金をかけても良いのではないかと思うが、トヨタの社内規定が許さないのかな。

早速ステアリングを交換するのだが、エアバッグユニットが外れずに時間を費やした。
ステアリングを外すにはエアバッグのユニットを外す必要があり、これはステアリングホイール裏側のサービスホールに棒を突っ込んでロックを外す。 と、言えば簡単だが実際にはこの方法で外す事が出来なかった。

サービスホールは3つあり、内部の金属棒を押し込む事でその金属棒が樹脂製のロックレバーを押し、エアバッグのユニットが外れる。 最初に下側の穴にトルクスレンチを突っ込んだら、パチッとロックが外れた。
何だ、簡単じゃないか。
と思いながら右側も外した。
残るは左側なのだが、これが外れない。

内視鏡カメラを隙間から突っ込んでみたりしたが、狭すぎてよく見えなかった。
そもそもどの方向に押すのか、内部構造がどうなっているのかも分からず、分解写真を探したりして色々やってみるがダメなのだ。
さすがに1カ所を外すだけで何十分もかかっているのでは、この先何時間やってもダメだろうなと思った。
一度元に戻して、外れない左側を攻めてみてもダメ。
同じように押しているのに右側は外れるが、左はダメなのだ。
棒がちゃんと押せるように、不要なドライバを切断して工具?を作ったがダメ、うーん…

2枚目の写真がエアバッグユニットだ。
赤矢印のところを押すとバーが押されて青矢印の所の樹脂の爪を押し、ロックが外れる。
上に押すのではなく横に押す感じになる。
エアバッグユニットに対して、中央方向に棒を押す必要がある。

とは言っても分解したものが手元にあって、見ながら作業をしている訳ではないので、とにかく外れない。
ユニットのプラスチック部分が傷ついただけで外れなかった。
そこで金属の棒を押すのではなく、直接ラッチの樹脂を押してしまう事にした。
ステアリングホイールのスポークのプラスチックカバーを外し、そこから細いドライバーを突っ込んで樹脂の爪を押した。
3枚目の写真の矢印の部分(上)に、樹脂の爪が、下の矢印の部分には金属棒自体が引っかかっている。
矢印の爪から外れるように、金属棒や樹脂製の爪を内側に押す。
これを押したら10秒で外す事が出来た。

4枚目の写真は竹ひごを金属棒に見立ててみたものだ。
サービスホール裏側からライトを当てている。
黒で書き足したものが爪に引っかかっている樹脂製のものの概略構造。

5枚目の写真はドライバーを突っ込んでみたもの。
押すと言うよりも、棒を内側に移動させる向きで力を加えなければいけない。
従って細いドライバーで、金属棒を中央側に移動させる向きで力を加えた方が良い。
ただこれが分かったとしても、外れないものは外れない。
理由として金属棒の剛性と樹脂製ラッチの強さのバランスで、金属棒をリミットまで押してもラッチが余り引っ込まない。
エアバッグユニットは多少動くので、動かしているうちにパコッと外れる事はあるかも知れない。

サービスホールから棒を突っ込んで駄目な時は、スイッチカバーを外してスポークの所から細い棒で押した方が良い。
エアバッグユニットの硬質ビニールみたいなカバーをめくれば、だいたい押す場所が分かる。
エアバッグユニットに誤って点火してしまうのを防ぐ為、バッテリーのマイナス端子を外して10分ほど待ってから作業を開始する。 エアバッグ制御ユニットはバックアップ回路を持っているので、それが放電するまで待つのだ。





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