地下水の水位(4/19)
◆ 横須賀線と総武快速線が直通運転をしたときに、東京駅には深い深いところにホームが作られた。地下27mの位置するそのホームまでは長いエスカレータで降りていくことになる。最初に横須賀線のホームを使った時、ずいぶん深いところにホームを作ったものだなと思った。しかしもっと深いところがあり、大江戸線の六本木駅は地下42mに位置している。
◆ 東京地下駅建設当時は、地下27mまで掘っても地下水は湧き出なかったそうだ。しかしその後地下水のくみ上げ規制が行われると、地下水の水位は徐々に上昇し始める。そもそも地下水のくみ上げ規制が行われたのは、地下水の水位が下がることによる地盤沈下などが起き始めたからだ。
◆ 工業用水などは地下水をくみ上げて使った方が安く、温度も安定しているために使いやすかった。飲用する訳ではないので上水道品質が必要な訳ではなく、地下水が安価で相応しいとされた。しかし上に書いたように地下水の水位が低下して地盤沈下などの問題が起き始める。高度成長期には環境問題などは二の次三の次であり、作って売る事が第一と考えられ、言わばやり放題だった訳だ。
◆ そこで地下水のくみ上げが規制され始めた。地下水のくみ上げ規制によって地下水位は下がらなくなり、地盤沈下などの問題は落ち着きを取り戻した。しかし今度は地下水位の上昇による問題が出始めた。高度成長期の1965年代半ばから2000年にかけて、吾妻橋の地下水水位は50mも上昇したのだそうだ。
◆ これで問題になるのが地下鉄の水没である。実際には水没しないように水をくみ出しているのだが、毎日数千トンにも及ぶ地下水をくみ上げるには大きなエネルギが必要だ。そもそも地下鉄のトンネルは海底トンネルではないわけで、そこに大量の水が染み出るとコンクリートの破壊や金属部分の腐食が起き始める。
◆ 地下鉄のトンネルでさえ水没の危機にあるわけで、東京地下駅もまさに地下水に浮いているような状態だそうだ。浮力が自重に勝るので地下駅全体が浮いてしまう恐れがあり、現在はアンカーによってより深い地層に固定しているそうだ。それでも更に地下水の水位が上がれば、東京地下駅の強度が浮力に負けて亀裂が入る事態も想定されるという。
◆ こうした事は様々な場所で起きていて、ポンプアップした水でため池が復元されたり涸れかけた河川の水量を増やす効果もあるそうだ。汚れた川の水が綺麗な地下水で希釈され、水質の改善にも役立っているという。
◆ 地下水のくみ上げ規制を再考すべきなのかどうかとの議論もあるそうだが、そもそも地下水の水位の管理は容易な事ではない。地下水位の変動は降雨量や季節要因もあり、長期の平均を取っていかないと傾向が分かりにくい。
◆ 1990年〜2000年代にかけては、年単位で水位の上下動が起きている。これは地下水のくみ上げ規制後の話であり、地下水位の数メートルの変動は自然に(或いは何かの工事で?)起こりえる事になる。
◆ 地下鉄トンネルの水没防止には、トンネルの二重化工事がある。既存のトンネルの内側に防水シートを貼ったトンネルを作る工法がある。しかし作業効率が悪く、様々な苦労があったそうだ。それでも約10年をかけて工事を行った総武トンネルでは、漏水もなくなり乾いたトンネルに復帰させる事が出来たという。
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