EVの航続距離

EVに限らずではあるが、航続距離はどのくらい必要か?
それはその人の車の使い方によるのだが、私の場合はたまに横浜に出かける。
伊豆から横浜まで行って横浜市内で用事を済ませ、伊豆に戻ってくるのに300km以上は走る。

旧ジムニーは燃費が9km/l前後、燃料タンクが40リットルなので航続距離は360kmと計算出来る。
したがって理屈の上では往復出来るのだが、無給油で往復した事はない。
一度チャレンジしたが、ガス欠が心配で途中で給油した。
普通の車の使い方を考えると、ガソリン残量が1/4になったら給油するだろう。
私は普段は1/2を下回ったら給油している。

EVで考えるとテスラモデル3はバッテリー容量が60kWh前後なので、航続距離はジムニー同様だ。
したがって無充電では往復出来ない。
モデル3ロングレンジであれば往復出来る計算になるし、新bz4x(Z)やBENZ EQSなら問題はない。

ジムニーは横浜で給油をして帰ってきたのだが、ガソリンスタンドに行くのが面倒だった。
給油時間など支払いを含めたって2分くらいなものなのだが、何か面倒。
これは自分の行きたい場所ではない所に寄るからそう思う。
早く帰りたいのにガソリンを入れるのは面倒だなと。

モデル3となると充電する為に、みなとみらい地区まで行かなければいけない。
テスラは日本で唯一CHAdeMO非対応で、テスラスーパーチャージャはみなとみらい地区にある。
テスラの社長は「CHAdeMOアダプタは昨年内に量産が完了しているが、よりよい性能を求めて再テストを行った。その結果テストはパスしたので、生産に取りかかる」とアナウンスした。
量産が完了しているのかこれから作るのか分からないが、あの社長はいつもこんな調子だとか。

みなとみらい地区のテスラスーパーチャージャは出力を独占出来れば250kWだが、他に充電車両がいると40kWまで下がる。
ちなみに時間課金なのでフルパワーで充電されようが40kWだろうが、料金は変わらない。
ここで(40kWでも)30分充電すれば、100km位航続距離が伸びるので帰ってこられる。
みなとみらいへの往復時間(夕方は混むので)と充電時間で1.5時間かかったとする。
(横羽線を使えば片道20分、ただし1,950円かかる)

もしも充電が不要ならば、1.5時間で沼津まで走って行ける。

そもそも家に帰り着くまでに2時間くらいなので、充電時間の占める割合が大きくなる。
そう考えると給油や充電時間が如何に無駄かが分かる。
逆にモデル3ロングレンジなら充電せずにギリギリ戻ってこられるのだから、多くの人はロングレンジを買うと思うのだが、100万円以上高くなるのがネックだとか。

ミニ(40l×16km/l)やCLS(80l×10km/l)の航続距離は600kmから800kmなので、大阪まで行ける。
ジムニーではギリギリで大阪には着く事が出来なかった。
80km/hで走れば多少は燃費が良くなるものの、それでも厳しかった。
ICEの場合は定速走行で燃費が良くなり、ミニで100km/h区間なら20km/lは超えるので航続距離が800kmくらい、CLSでも14km/l前後は走るので1,100kmくらいになる。
EVの場合は空気抵抗や走行抵抗が増えるので、高速走行電費は悪化傾向になる。
モデル3では大阪に着けず、モデル3ロングレンジでも厳しく、EQSなら大丈夫だ。

夏は暑さを我慢し、冬はダウンジャケットを着込むようなエコランを行えば、モデル3でも大阪まで無充電で行けるかも知れない。

途中で充電するのなら高速道路を走らず下道でも良い。
高速道路で時間を節約しようと思っても、充電に時間を取られれば意味がない。

FlashのNACS対応版がある場所ならテスラを充電出来るのだが、高速道路のSA/PAへの設置予定はないそうだ。

ギリギリ無充電で大阪に着いたとする。
ジムニーで大阪に行ったのは猫を引き取るためで、日帰りしている。

EVの場合はどう頑張っても無充電では帰ってこられないので、どこかで充電しなければならない。
充電は出来たとしても30分では満充電にならないので、その後は150km前後走るごとに30分の充電を行う必要がある。
大容量充電器が独占出来る場所を探し、充電場所に着くまでにバッテリーの状態(温度など)を適正に出来れば、30分の充電で50kWh前後の充電が出来る。
ただしモデル3ではバッテリー容量が小さいので50kWhは入っていかない。
更には計算通りに充電出来ないのがEVなので、こうなると日帰りは厳しくなる。

1日に500kmも走るヤツはいないみたいな事を言う人がいるが、大阪まで往復すると伊豆からでも800km位にはなる。
さすがにジムニーでは厳しいが、SLに乗っている時にはほぼノンストップで九州まで行った。
東北出張が多かった時も600kmくらいは走ったので、私にとって特に問題になる距離ではない。
ちなみにソアラで(速めに走って)行くと、岩手まで2回給油しないと着く事が出来なかった。
ソアラから500SLに乗り換えた時、燃費の良さに驚いたものだ。
ソアラは7MG型6気筒にシングルターボで240馬力/35kgm、500SLはM119型8気筒NAで326馬力/49kgmだった。

埼玉県北部のブリーダさんのところに猫を引き取りに行った事もある。
これも往復で500km以上の距離だったので、EVで無充電は無理だ。
充電時にどれだけ充電出来るかは運次第なので、それによって到着時間がずれる。
人間が乗っている時は多少の遅れは我慢が出来るが、動物を運ぶ時とか待ち合わせ時間が決まっているとそうも行かない。

そう考えると近距離用の乗物としてなら良いのかなと思う。
では日産サクラではどうなのかというと、田舎は走行距離が長くなる傾向なのでちょっと心許ない。
ここは山のなので平均実電費で6km/kWは無理かな、5km/kW位かな。

自宅で充電出来るのは楽なのだが、ここから沼津までの往復(70km位)がギリギリかと思うと不便だ。
ガソリンエンジンの軽自動車だったら600km位の航続距離があるのだが、たまにガソリンを入れに行く面倒さを我慢する必要がある。
それでもリーフやサクラはこのあたりでも見かける。

軽自動車ではないEVで航続距離が長い車を買い物用に使うのも良いが、だったらEVを選ぶ必要がなくなる。
どうせ自宅で翌日までに満充電はできないわけだし、充電設備を付けるのにも金がかかり、それの償却分を考えたらガソリンを買った方が良くなる。

まあコストの事を考えると現状でEVは難しい。
電気代を40円/kWhとするとランニングコストは1kmあたり7円前後になる。
ガソリン車でガソリン価格が170円だとすると9円くらいになるので、2円の差だ。
年間1万km走ると10年間で20万円の差が出るが、この金額では充電設備は付けられない。

しかもEVは下取り価格が付かないので、コスト的に得な事はない。
テスラの残クレでは5年後の残価率が29%(残価率保証無し)、一般売却だと100万円前後(ロングレンジは少し率が良い)と言われる。

充電施設を使うとすると、Flashが88円/kWh(現在はキャンペーンで半額らしい)、スーパーチャージャーは時間課金なので運次第だが80円/kWh~150円kWh換算、e-MobilityPowerは一般道が110円/kWhで高速道路が143円/kWhだ。
80円/kWhとすると12km/lのICE同様になる。
電気代が150円/kWhでガソリンが150円/lだと、6km/lのICE同様なのでエネルギコストは高い。

航続距離を伸ばしたい→バッテリー容量拡大→車重増大→走行抵抗増大→単位電費低下になってしまう。
モデル3のスタンダードモデルはLFPになったので、車重がロングレンジ版と余り変わらなくなったので、LFPの重量エネルギ密度の低さが分かる。

テスラは事故が増えて対人料率も上がり、26歳未満だと車両保険を含めて年間50万円も払うって、普通の人は乗らないというか乗れない。
テスラは安全アシストで事故が起きないから任意保険は要らないと書いている人もいたっけ。
テスラ社製車両の事故率は高く、FSDにすると事故率が少し下がるのは人間にとって運転しにくい車(タッチパネル操作系なども含めて)と言われる。
そのFSDでも深刻な事故が起きていて、日本で解禁されたら事故が増えるかも。

FSDの誤作動による事故は、数多く報告されている。テスラはこのソフトウェアを搭載した車両が道路の誤った車線を走ったり、赤信号でも交差点に進入したり、踏切を横切ろうとしたりした事例について、規制当局の調査に直面している。

同社は、FSDやその前身であるオートパイロットの死亡事故で複数の訴訟に直面しており、22歳の女性が死亡した2019年の事故で2億4200万ドル以上の支払いを命じられた。

イーロン・マスク(Elon Musk)が率いる自動車メーカーであるテスラは、FSDとオートパイロットのマーケティングについても厳しい批判を受けており、2025年12月にはカリフォルニア州の裁判官が、同社の広告がこのテクノロジーを搭載した車が自動運転できると偽っていると判決を下した。

FSDはあくまでもLEVEL2の運転支援なのだ。
良く出来た運転支援だと思えば問題は少なく、自動運転だと思うと悲劇が起きる。

【 安全性と事故リスク】

  • 事故報告と調査: テスラのオートパイロットは、緊急車両や障害物を認識できず衝突する事故が複数報告されており、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)による長期調査の対象となっています。
  • 「ファントムブレーキ」: 前方に障害物がないのに、自動で急ブレーキがかかる現象が多数報告されています。これは、カメラ映像の誤認識が原因と見られています。
  • 死亡事故率の高さ: 米国の分析によると、テスラ車は他の自動車メーカー平均よりも死亡事故率が高いことが指摘されています。 

【リコールとFSDの機能的課題】

  • 大規模リコール: テスラは2023年12月、オートパイロットの運転支援機能が不適切に使用された場合のリスクを減らすため、米国で200万台以上の車両をリコール(ソフトウェアアップデート)しました。
  • 「FSD(Supervised)」の限界: 「フルセルフドライビング(完全自動運転)」という名称ですが、実際はドライバーが常に監視しなければならない「レベル2」の運転支援システムです。信号無視や逆走などの危険な運転事例が報告されています。
  • 最新の展開: 米当局はテスラの自動運転技術に「基本的な問題がある」との見解を示しており、特に歩行者や視界の悪い環境での安全性が懸念されています。

EVに乗りたいからEVに乗るのならば話は別で、それは趣味なのだからコストがかかろうが不便だろうが問題ない。
例えば600SLは5リッターのV12エンジンなのに約400馬力しかなくて、燃費は市街地で6km/l位だし、2人しか乗れないので実用性ゼロだ。

EV派が屁理屈をこねるのは、実用的な観点ではメリットがないからだ。
まあメリットがあればEVブームは終わらなかったのだろうから、これは仕方がない。

BYDのRACCOはロングレンジ版だと30kWhのバッテリー容量だ。
これだと実質200km位は走れそうだが、バッテリーはLFPなので車重は
BYDはテスラを抜いてEV販売量世界一になった一方で、減収減益は加速している。

バッテリー容量が小さいと動力以外に食われる電力量の割合が目立つようになるので、小型軽量車両でも実電費はさほど良くならない。
軽自動車のEVは車重が1tを超えているので、RACCOもそこそこ重いはずだ。

バッテリー容量が20kWでも60kWでも、冷暖房時のコンプレッサの最大消費電力は4kW前後だし、灯火類の消費電力も変わらない。
山道だと回生が効くのは良いのだが、回生効率って6割もないんじゃないのかな。
勿論ガソリンエンジンの場合は回生は効かないので、それよりは良い。

米国でトランプ政権が終わればEVが息を吹き返すかも知れないが、EV販売量の減少によってバッテリー用の資源だとか銅価格問題が収束するとも言われる。
一方で東南アジア諸国では中華EVの新古車というか在庫車が安売りされているとか。
これがガソリン価格上昇で多少売れ行きが上がったそうだが、日本同様で充電インフラが整備されていない。

日本人なら買うかも知れない。
苦境に立たされるテスラはEV普及が遅れている日本での投資を増やすと言っている。
4月からは再びスーパーチャージャ利用料を無料にする(4月~6月の発注分車両のみ)そうだ。
テスラ乗りがざわつき始めるのかと思いきや、これから買う人に恩恵があるのは気に入らないご様子である。

中国向けのモデルYLを日本向けにして販売を開始する。
中国と日本ではシートの数が多い車が売れるとの事で、モデルYのホイールベースを延長して3列目(チャイルド)シートを付けた。
中国では昨年発売が開始されていたもので、バッテリー容量は80kWh+である。
全長4976mm・全幅1920mm(中国仕様)で、最小回転半径は約6.5mだそうなので4tトラックくらい、車重はモデルYより少し重くなり2.1t前後らしい。

テスラ社の主張、電力単価は30円/kWhでガソリン単価は194円/lで計算したそうだ。
(電力単価は第一段階(月間120kWhまで)で再エネ賦課金無し、基本料金無し)

モデル3の場合も電力代は同様の計算、ICEはガソリン代が166円/lでモード燃費が18km/lの車を想定している。
プリウスに150円/lのガソリンを入れると4.7円/kmで、モデル3の電気代が第三段階(301kWh以上)+再エネ賦課金を入れると約5.4円/kmで逆転する。
標準電力使用量は3人家族で400kWh程度なので、第三段階は必至だ。

日本でのFSD利用開始にも力を入れるそうだが、歩行者保護の概念が米国とは違うとか、カメラ主体で制御するので車間距離を開けにくい(分解能が下がる)とか、色々難しいそうだ。
米国でも車間距離が近いために、前車の影になって信号機が見えずに信号無視になったり、急制動になるなどが起きている。

コメント

  1. 水上 憲昭 より:

    堀越様
    いつも拝見させていただいております。
    電気自動車に乗り始めてもうすぐ5年になります。
    40Kリーフに新車で乗りはじめ、家に200Vの電源を無料でつけてもらいました。
    いいことは、とても静か、走り出しがいい。家で充電でき、スタンドに行かな
    くていい、オイル交換、ブレ-キパッド交換が不要でした。(補助金もあり)
    リ-フも6万K強走りましたが最初100%充電で300K走行可能でしたが
    現在270K走行可能なので自分では悪くないと思います。
    今まで400回ほど充電していますがほとんど家で充電、急速充電は
    9回だけでした。急速充電料金は2年前までは確かに時間でとられましたが
    去年は電力量に代わっておりました。(場所にもよるかも)
    電気自動車のことが記載されておりましたので思わずコメントしてしまいまし
    たがコメントに載せなくてもいいです。

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