Deff CLEAVE G10 バンパー

スマートフォン

Deff CLEAVE G10 bumper CHRONOを入手した。
スポンサードを受けたわけではないが定価で買ったわけでもない。
ちなみに定価だと1万円近くする高価格品である。

いわゆるバンパーはiPhone4の頃に流行ったものだ。
iPhone4はいわゆるアンテナゲートと言われる設計不良があり、ハンドエフェクトが過大だった。
iPhone4発売当初から金属フレームを握るとアンテナ性能が極端に悪化すると言わた。
AppleはiPhone以外のスマートフォンでも、握り方によってアンテナ性能の劣化は見られるとしたが、最終的にはApple自身もこの障害を認める事になった。
サイドフレームに触らなければアンテナ性能の低下が許容できる出来ることから、フレームにかぶせるカバーを使うことが推奨され、Apple自身も対策品としてケースを配布するなどした。

おそらくこの頃がバンパーが流行った頃だと思われるが、その後バンパー人気は下降する。
樹脂製のバンパーは剛性が足りずにスマートフォンをうまく固定することが出来ず、その後登場した金属製のものはアンテナ性能に与える影響が過大だった。

現在も金属製のバンパーは売られているが、製品によってはバンパーにスリットを入れるなどして、アンテナ性能を下げないような工夫はしている。
そうは言っても金属製のフレームをかぶせてしまうわけだから、アンテナ性能の低下は少なからず起きる。

Deffでは非金属材料としてガラス繊維入りエポキシ樹脂でバンパーを作った。
Deffは特殊素材みたいな言い方をしているが、早い話がガラスエポキシのプリント基板同様の材質だ。
プリント基板用としては難燃性のFR-4が使われるが、難燃性ではないものがG10である。
G10の比誘電率は4程度であり、TPUの8よりもかなり小さい。

Deffも最初はアルミなどの金属材料を使っていたが、アンテナ性能の低下を懸念してエポキシ製を販売するようになった。

エポキシ製の最大の欠点は剛性が不足することである。
Deffではアルミ並の硬度があるとしている。
おそらく表面硬度などを言っていると思われるが、曲げや引っ張りに対する強度はアルミに及ばない。

G10素材でもガラス繊維とエポキシ樹脂の色を変えることにより、積層部分のコントラストが等高線のように美しく見える。
Deff製は黒色なのでそうした柄は見られない。

下の写真はモデルガンのグリップ用として販売されているものだ。

金属製のバンパーはネジ止めなどでスマートフォンに固定するものが多い。
強固に固定しないとスマートフォンとの間にスキマが出来るなどして、ボタンフォールが悪化したりするからだ。

固定方法も様々で、スマートフォンを長手方向に固定するようなものや、厚み方向に2分割して挟み込むものなどがある。
DeffのG10バンパーは長手方向で押さえるタイプだ。

DeffはXperia1 Vの寸法図を元に製造したと思われるが、ボタンの高さの不具合で初期ロットは全て不良になった。
その後ボタンの高さを低くした対策品が作られ、入手したのはその対策品である。
なお初期ロットのボタン部分だけを交換して再出荷したようで、手元にある製品はパッケージのシールテープが剥がれている、ボタンを留めているテープが浮いているなど、いわゆるB級品である。

しかし製造上のばらつきなのか?改善品でもスマートフォン側のボタンがうまく押せないなど、クレームがあったと言われる。
当初は直販サイトをはじめとして、Amazonや楽天、大手量販店などでも売られていたのだが、現時点では直販サイト(在庫は少ない模様)のみとなっている。
なお手元にあるものは特に不具合もなく使えている。

その問題のボタンはフレームにはめ込まれ、テープで留めてある。
スマートフォンに装着すれば、スマートフォンで押さえられるのでボタンが外れることはない。

上の写真は音量ボタンなのだが、音量ダウン側に突起が付いている。
バンパーの形状とクリアランスの関係で高さを合わせる必要があり、突起を付けて改善?したのか。
ボタンの押し心地が悪ければ、この突起を削るとか或いはテープの厚みを増やすなどして調整は出来る。

カメラボタンも同様に、裏側から入れてテープで留められている。

バンパーの組み合わせ部分は爪のようになっているが、パチッと入るわけではない。

受け側は爪が入るように加工されているわけではなく、カーブを描いている。
パチッと入れるとそこで位置が決まるが、湾曲形状であれば常にテンションがかかる想定だろうか。
設計思想としては良いのかも知れないが、パチッと嵌まっているわけではないので引っ張れば取れる。

角の部分にはDeffによれば0.3mm厚のシリコンが貼られているとなっている。
衝撃吸収用とされているが、加工精度の吸収用ではないかと思う。

バンパーにはスマートフォン背面に貼るプレートが付属している。
Deffはアラミドでスマートフォンカバーも作っているが、これは平板を打ち抜いたものだ。
アラミドも強いと言われるが、これもどういう方向に対して強いのかという話で、材料としては意外に柔らかいのはG10同様だ。

このプレートは任意に装着するもので、使わなくても問題はない。

柄的には好みもあるだろうが、こんな感じだ。
厚みは0.5mm程である。

バンパーは簡単に取り付けることが出来る。
外すのもさほど力入らないのだが、これってストラップを引っ張ったらバンパーが外れるのではないだろうか。

心配な人は内側(スマートフォンのフレームに接する部分)に、薄手の両面テープを貼れば安心感は高まる。
まずは薄い両面テープで接着力の弱いものを試しに貼ってみた。

摺動方向に静摩擦力があれば良いので、これでいいかなと思った。

しかし…
付いているのかいないのか?Xperia1 V側に余りくっついていない。
無いよりはマシかな、程度である。
剥がした部分はG10樹脂の色が少し変わっていた。

次にもう一つ、これも手持ちの両面テープを使う。
公称0.2mm厚でバインダレスだったかな。

凄く強力とは思えないが…

Scotchのものが紙に糊を付けたような感じであるのに対して、これは半透明のグミみたいな見た目である。
厚さは0.2mm、剥離紙を付けた状態で約0.25mmだった。

これを細く切って貼り付けてみる。

これはちゃんと張り付き、バンパーをXperia1 Vから浮かせるのに少し抵抗を感じる程度の強度となった。

テープを貼った場所は上部のパーツとの嵌合部で、常に抑えられているので粘着力の弱い両面テープでも浮くことはない。

バンパーの四隅内側には衝撃吸収用として薄い(0.3mm)シリコンが貼り付けてある。
そこが0.3mm(シリコンの厚さ)だけ削られているのではなく、つまり角の部分は0.6mm(両側)小さくなっている。
なので、全周に両面テープを貼っても良いのかも知れない。
内側全周にテープを貼ると、角に貼られているシリコンとの段差を小さくすることが出来る。
またこのバインダレスの両面テープはグニュグニュした感じなので、衝撃吸収力も多少ありそうだ。

ディスプレイ面はこの程度の高さがある。
これまで使っていたSpigenのカバーよりは高さが低く張り出しも狭いので、操作性は悪くは無い。
Spigenのものは画面のエッジにタップすることが出来なくなり、多少問題があった。
ただし保護性能という点では相反することは言うまでも無い。

背面はカメラ部よりわずかに高さがある。
高さがあるのでXperia1 Vを机に置いても、カメラ部が机に接触することは無い。
Spigenのものは全体をカバーしているのと、カメラ部は特に周囲がガードされているので、保護性能は高いと言える。
バンパーはあくまでもバンパーでしかなく、衝撃や落下に対する保護性能を求めるのは酷である。

バンパーはカメラ部分よりわずかに高いが、本当にわずかの違いだ。

背面のプレートを貼らない場合は、本体との間にわずかに隙間が空く。

アラミドのパネルは背面に吸着剤が付いているのだが、Xperia1 Vの背面はざらざらしているので、強力にくっつくわけでは無い。

ストラップホールは穴が開いているだけだ。
Spigenのケースだとストラップのひもが通る部分が溝状に加工されていたが、これは特別な加工はない。

サイド部分はサイドセンスを使えるように低くなっている。

矢印の所に傷というか汚れっぽいものが着いた。
エポキシなのでさほど固いものではなく、傷や汚れは付きやすい。

これが何かというと、充電器に当たった部分だ。
ワイヤレス充電器側はゴムなのだが、跡が付く。

これまではSpigenのケースを使っていたので、それとの比較になる。
SpigenのケースはTPU製で、しっとりした感触で柔らかい。
手が滑りにくいので落とす心配もなさそうだし、柔らかいので感覚的に衝撃の吸収は行われそうだなと思える。

Deffのバンパーはエポキシ樹脂なので固く、TPUよりもツルツルしている。
Spigenのケースを使っていて、それを外すとスマートフォンってこんなに小さく薄かったのかと思うくらい変化する。
TPUケースは背面まで覆っているので大きく厚く感じる。
Deffのバンパーはサイド部分だけなので、厚みに関してはSpigenのものよりも薄く感じられる。
ただし最大厚みとしてみればSpigenのものと変わらない。
これはカメラ部の出っ張りをカバーする為には、この程度の厚みが必要だからだ。
Spigenのケースの場合は背面がフラットであり、バンパーの場合は背面パネルよりバンパーが高くなっている違いがある。

Spigenのものはディスプレイ面まで回り込むようになっていて、保護性能が高い反面ディスプレイのエッジのタップがやりにくくなる。
Deffのバンパーはサイド部分が削がれているので、保護性能は皆無だがディスプレイエッジのタップも問題がない。

重さに関してはSpigenのものが約39gで、Deffのバンパーが19g+背面パネルが7gの合計26gと少し軽い。

Spigenのものは全周カバーなのと柔らかい材質なので、安心感が高い。
バンパーは触った感じが固いのと、スマートフォン本体との高さの差が少ないのでTPUケースほどの安心感はない。

TPUケースの場合は、いかにもカバーをかぶせました的な感じになる。
バンパーの場合で背面パネルを付けなければ、ほぼオリジナルっぽい感じになる。

Xperia1 / Xperia1 IIIにはSpigenのケースを使っていたので、今回は(少なくとも暫くは)このバンパーを使ってみようと思う。

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました