シグナスXで走った思い出

シグナスXで走った思い出

時は2011年の夏なので、今から9年も前になる。
最初は50ccの原付に乗り、その後免許を取ってシグナスXを購入した。
50ccの原付では行きにくかった距離も走れるようになり、ある日奥多摩の方まで行ってみようかなと家を出たのだ。

スカイウエイブでは色々なところに行ったが、50ccの原付で行った西東京市、シグナスで行った諏訪湖は思い出である。
小排気量スクーターを走らせるのは面白い。
今はもう、山の中に住んでいるので山を求めることはしなくなった。

当時は未だスマートフォンなど普及していない頃であり、従来型携帯電話でたまに地図を見るなどして進んだ。
と言っても車と違って小回りが利くスクーターは、道を間違えたとしてもUターンすれば良い。

奥多摩周辺は馴染みがあった、と言うほどではないが、生まれ育ったのが西東京市(旧保谷市)なので、実は自転車で行こうとしたこともあるのだ。

奥多摩湖の方に行ってみようかなと思っていた。
その日は行く予定はなかったのだが、朝方少し曇っていたし前日までの猛暑とはちょっと違う気がしたし、じゃあ出かけてみようかと思った。

本来ならば早朝に出発と行きたかったが既に9時を過ぎている。
Tシャツを長袖に着替えて、いや、襟付きシャツにしよう、首が日に焼けそうだ。
長袖のシャツに着替え、クーラバッグに保冷剤とZEROコーラを入れて家を出たのが10時だった。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5120.html

50ccの原付とは違って30km/h規制もないし、自動車専用道路こそ走れないが順調に距離を稼いだ。
さほど気温は高くないかなと思ったが、昼が近づくに従って蒸し暑くなってくる。横浜から八王子までは街中を走るので気分も乗らないが、八王子を過ぎて奥多摩方向に向かえば辺りは山になる。
青梅街道は車こそ多いが、木々の緑と暑苦しく鳴きまくる蝉の声が山を感じさせる。
そんな青梅街道を走っていると奥多摩湖は近いものだった。
いや、横浜からの距離は結構あるが、山の中を走っていると時間を忘れる。

2011/ 8/14 13:01

奥多摩湖に近づいたら涼しくなるかなと思ったのだがそうでもない。
下界よりは涼しいが、さわやかと言うほどでもない。
そもそも標高がさほど高くはないのかな、ここは。
と思ってあとで調べたら奥多摩湖の標高は500m程度らしい。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5122.html

奥多摩湖には意外に早く着いたので、更に山梨方向に向かうことにした。
西東京市に住んでいた頃、奥多摩湖までは何度も来たことがあるがその先は行ったことがなかった。
行った事が無いところを走るのは又新鮮で気持ちが良い。
日が傾くまでにはかなり時間もあり、遠くまで行けそうではないか。

地図を見ながらコースを決めている訳ではないので、山梨まであとどのくらいなのかもよく分からない。
途中から上りがきつくなり、全開でも60km/h程度しか出ない道になった。
が、そこを自転車で登っている人たちがいるではないか。
すごい!
やがて頂上と思われる場所に到着すると、そこにも自転車の人たちが沢山いる。
すごい!
ここが柳沢峠か。
標高1472mは、奥多摩湖より1000m近く高いところになる。
すごい。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5126.html

折しも第一次自転車ブームとあって、自転車乗りたちが大勢詰め掛けていた。
この山をみんな登ってくるのだ。
そして一時のダウンヒルを楽しむに違いない。
柳沢峠を下りると山梨のぶどう園や桃園のあるあたりに出る。
柳沢峠経由で行ったことはないが、中央高速を通ってブドウ狩りには行ったことがあった。
ブドウ狩りは…
ブドウってそんなに食べられるものではないし…

国道沿いのショッピングセンターみたいな所に入ってみる。
牛丼屋があったので昼食にする。
店内は冷房が効いていて気持ちいい。
ついでにドコモショップで用事も済ませる。
ドコモショップのオネーさんに諏訪湖は遠いですかと聞いたら、普段だったら2時間もかからないけれど今日は観光客で混んでいるかも知れませんねと言う。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5130.html

山梨は暑い。(東京の)西の外れの八王子も暑いが、山梨はもっと暑い。
盆地になっているので仕方がないというか、だからブドウや桃が良く育つのだろう。
暑い中、広い国道を走るのでもっと暑く感じる。
山の中を走る分には気持ちが良いが、一般国道はどうも苦手だ。


まだまだ時間には余裕があるし、諏訪湖まで2時間だとドコモショップのオネーさんは言っていたし、じゃあ諏訪湖に行ってみようかなと更にシグナスを走らせる。

気温は相変わらず高いのだが、時に少し涼しい風が吹く。
これって上空に冷気が入っているって事だな。
夕立が起きるかも知れない。
というか、まだ夕方ではないんだけどね。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5134.html

山間部に入ると気持ちよく走れるようになる。
自転車は多いが車は少ない。
時折ひんやりとした風を感じる。
空は曇っていないが、冷気を感じる時には雨が降る。

そして少し走ると、やはり雨だ。
大粒の雨が落ちてくる。

降らなければいいなぁと思っていたら、それこそ急に、スイッチを入れたようにバラバラと降ってきた。
木陰に身を寄せるが雨は大粒だ。
カッパを着ようか、着ている間に濡れそうだ。
おっ!この先300mに道の駅か。
そこまで突っ走ろう。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5138.html

雨宿りがてら日帰り温泉に入ることにした。
温泉は気持ちが良いのだが、ここで一眠りして、みたいな気分になる。
スクーターで出かけて何度か日帰り温泉に入ったことがあるが、どうもダルくなって休みたくなってしまう。
夏の温泉も良いものだが、スクーターで出かけた冬の温泉は気持ちが良い。
まさに芯まで冷えたその体が温まる。

風呂は広くはないが気持ちが良い。
体を洗い、髪を洗い、湯船につかってのんびりだ。
が、余り温まりすぎるとダルくなりそうなので早々に切り上げる。
風呂から出たあとは休憩スペースで涼む。
冷房も効いているし、うちわもある。
この休憩スペースは人が少なく、ゆったりくつろげる。
ここでゴロンと昼寝したいくらいだ。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5142.html

諏訪湖に近づくにつれて開けてくると言うか、街中を走るような感じになる。
山道が続いているわけではないので、走っていて余り面白くはない。
もう良いかな、諏訪湖は見ないで帰ろうかな、そんな風に考える。
でも同じ道を通って帰るのは余計にダルいよなぁ、どうしよう。
そんな事を考えながらの消極的な走りで諏訪湖に着く。

さて、ここから南に下って富士山を目指そうか。
それとも北に上って秩父を経由しようか。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5146.html

同じ道を通って帰っても面白くない。
と言って、他のコースはどれも遠回りになる。
山間部をずっと走って海に向ける道は相当な距離だし、北を回って群馬県や埼玉県を通るコースも距離がある。
でもやっぱり北だよな、山の中を走った方が気持ちが良い。

往路は暑かったためもあって度々休憩していたのだが、復路は夕方なので喉も渇かない。
道路は東西に走る感じでミラーに夕焼けが映って美しい。
あの道の駅の近くでの大雨以降、ぽつぽつ程度の雨は降ったがそれ以降は大丈夫だ。
この先山に入ると天候も心配である。
夕焼けは綺麗だが怪しげな雲もある。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5150.html

天候は少し心配だけれど、気温も下がった夕方は元気が出る。
ここで仕事の電話がかかってきて足止めを食らう。
帰りに(仕事場に)寄りましょうかと言ってみたが、そこまでのトラブルではないよと言うことで電話を切った。

山の夕暮れは早い。
あたりはどんどん暗くなり、街灯もまばらな道ではヘッドライトの明かりだけが頼りになる。
同じ方向に向かっていた車も少なくなり、やがてすれ違う車もなくなる。

夜の峠道だろうが霧の中だろうが車で走っていて心細く感じた事など皆無だった。
なので、上のページを見て女性だから心細くも感じるのかなと思っていた。
だが時々もやの出る真っ暗闇の峠道を走ってみて、何となくその気持ちがわかるような気がした。
心細さと言うよりも、静かさ、つまらなさ、そんな感じ。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5154.html

とにかく真っ暗、あたりは闇だ。
標高2000mを超える山道は寒い。
まさか要らないだろうなと思ったが一応持ってきたジャンパーを着てもなお寒い。気温的には凄く寒いと言うことではないのだが、風も当たるし、一度冷えた体は中々暖まらない。

道路は細くはなく走りやすいのだが、たまに道路を横切る正体不明の動物以外何も見えない。
ライトを消せば一面の闇となる。
気温はかなり下がっていて、頂上付近では19℃の表示だった。
遠くでは稲光が、下の方に見える。
相当激しい雷なのだが雨は降るのだろうか。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5158.html

ここからは下りになるが、沢のような所を走る道なので周りが見えない。
真っ暗闇で路面は湿っていて落ち葉がある。
乾いた道ならともかく、滑らないようにゆっくり走らなければばいけない。
一体この道はどこまでこの状態なのか、ずっとこんな湿った落ち葉の上を走るのか、そんな風にすら感じる。

走っても走っても走っても、同じような道が続く。
夜の峠はイヤだ。
暗いだけ、静かなだけで何も無い。
夜の峠道は時間の進み方さえも遅くなっているような、そこから出る事が出来ないような錯覚を見せる。

https://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5162.html

暗闇の不安と共にガソリンの残量も気になってくる。
秩父まで出ればガソリンスタンドはありそうだが、その手前、上野村にはないだろう。
ガソリンスタンドがあったとしても、田舎故に夜間まで営業しているとは考えにくい。ただ山を下りて国道に入り、街灯や点在する民家が見えるようになると安心感は感じる。
どこまで行っても湿った路面の山道という、そんな状況は脱したのだ。

街の明かりが増えてきて、信号機のある交差点に出くわすともうすぐ秩父だ。
何と長い道のりだった事か。
いつの間にか増えた交通量、しまっているとはいえ商店もある。
スタンドの多くも閉まっていたが、1件だけあいているエネオス発見。
給油量は6リットル強で、タンク残量1リットル弱だった。

https://www.fnf.jp/blog/2011/09/fnfblog5166.html

奥多摩湖へ行く(14)
奥多摩湖へ行く(15)
奥多摩湖へ行く(16)