ペルチェクーラー改ヒータが壊れた

ペルチェクーラー改ヒータが壊れた

テトラのペルチェクーラーCR-2とCR-3を使って加温している。
ヒートポンプ式のクーラーは熱交換なので、投入電力の2倍~4倍くらいの発熱量(冷房も暖房も)がある。
1kWのエアコンの能力は2kW~4kW以上にもなるわけだ。
小型の水槽用クーラーは余り効率が良くはなく、1.5倍くらいのものもある。
いずれにしても投入電力以上の吸排熱がある。

ヒータの場合はジュール熱そのものなので、最大効率は100%、つまり投入電力以上の発熱は得られない。
夏場の冷却よりも冬場の加温の方が電気代が上がりやすいのはこの為だ。

水槽用のクーラーでヒートポンプ加温の出来るタイプもあるが、大抵は大型のものだし価格が高い。
これは、ヒータが比較的安価なものなのでイニシャルコストが償却できないあたりにも理由がある。

安価に効率よく加温が出来ないか?
除湿機でも改造して加温機にしてみようかと思ったこともあるのだが、熱交換器が問題だ。
淡水であればまだしも、海水用となるとチタンなどを使わざるを得なくなる。

そこで水槽用のペルチェクーラーを改造してみようと思った。
テトラのCR-2はペルチェユニットが2つ、CR-3は3つ内蔵されている。
CR-2は消費電力が145Wで発熱量が200W程度、CR-3は消費電力が245Wで、発熱量が360W位になる。
ペルチェによる熱移動と、ペルチェそのものの発熱が加算されるからだ。
内部の電源の発熱も、クーリングファンの発熱も、熱はみんな吸収して加温のネタになる。

ペルチェ式クーラーをヒーターに改造する。
水との熱交換器側が発熱し、空冷ヒートシンク側が冷えるように配線し直す。
単にペルチェのプラスとマイナスを入れ替えるだけだ。
これで1シーズン使用した。

結露が心配だったのだが、結露するのはヒートシンク側なので、そのまま水滴が下に垂れれば問題は無い。
確かに冬場は問題なかった。

問題があったのは夏である。
内部はこのようになっている。
写真の上からファン(殆ど写っていない)ヒートシンク、ペルチェ素子(見えない)熱交換器(黒色)があり、そして電源基板がある。

ヒートシンクに水滴が付く分には、基板との距離もあるし水は下に流れていくので問題はない。

写真はペルチェクーラーを下から見たものなので、水は基板側に垂れるのではなく、手前側に垂れてくる。
何故夏に問題が起きたかというと、水槽水温よりも外気温度の高くなる夏場は、この黒い部分の熱交換器が結露するからだ。

熱交換器は基板にほぼ密着しているので、リード線などを伝って基板に水滴が付いてしまう。
そもそもペルチェクーラーはクーラーなのだから結露対策くらいしてくれよと言う感じだ。
改造時にバラしているのだが、夏場の結露水が基板を腐食させるとまでは思わなかった。
水は下に流れるので、下にある基板ほどダメージが大きい。

CR-3は水槽台内部に設置していたので、湿度は高い。
サンプ槽もあるので水は蒸発して水槽台内部の湿度が上がる。
換気用に小型のファンを回してはいたが、それでも室内湿度よりは高かったと思う。

CR-2はサーモスタットで電源そのものを切っていた。
CR-3は消費電力の関係から、電源は常に入れていてCR-3内部のサーモ回路をリモートでON/OFFする事で稼働制御をしていた。

このためCR-3は電源が加わりっぱなしになっており、結露した部分が腐食した。

写真は最下部の基板である。
電圧が高いと思われる部分が、より多く腐食している。
水が付着しても(一応蒸留水だし)多少であれば何事も起きない。
しかしやがて基板の銅が析出して電気分解が盛んになり、そしてショートする。

CR-3は3枚同じ電源基板が取り付けられているが、最下部の電源基板が最も腐食が激しかった。
この基板は電源のヒューズが切れていた。
基板の上にシリコンゴムで止めてある電線は、中を見ると105℃の温度ヒューズだった。

中央の電源基板と最上部の電源基板は生きているのだが、この温度ヒューズは切れていた。
目立った腐食もないのでショートしたというわけではない。
一体何故温度ヒューズが切れたのだろう。

これはCR-2だが、このように温度ヒューズが実装というか貼り付けられている。
この温度ヒューズの線(AC100V)の片側が熱交換器に触れるくらいなので、ここを伝って水が流れたのかも知れない。

CR-2は非稼働時には電源そのものを切っていたため、腐食は余り見られない。
端の方は腐食しているが、湿度が高い時に結露して水が溜まった状態で気温が下がり、通電に至ることがあったからだろう。

テトラは、このペルチェクーラーは海水で使用出来ると言っている。
ヒートシンクはどうなっているのだろう?
銅やアルミは海水で腐食してしまうし、プラスチックでは熱伝導性が悪い。
アルミは、アルマイトをかければ海水耐性は高くなるが、それでもやがては腐食する。
アルマイトには小さな穴が無数にあり、これを塞ぐ処理を行うのが普通だが、処理によっては塞ぎ率の問題なども起きるそうだ。

ここが気になったので、熱交換器の所をバラしてみた。
ヒートシンク・ペルチェ素子・熱交換器と熱結合されている。

ヒートシンクを外すと、熱交換部分のプラスチックに錆の跡が…
水が流れたような跡があるので、結露水の量が多かったのだろう。
実際配管などにも水滴が付き、湿度の高い時には水滴となって落ちる。

しかし水が結露によるものだとして、錆びるものなど使われているのか?
ペルチェの端子は半田付けなので錆びないはずだ。

ペルチェを外してみると、何と鉄ビスが使われていてそれが錆びている。
何でステンレスじゃないの?

ヒートシンクとプラスチックケースの間にはシリコンらしきガスケットが挟まっている。
ここから水が漏れる可能性はゼロではないが、ガスケット面は綺麗だ。
アルミ製のこの物体を引き抜いてみると、普通のヒートシンクだった。

樹脂コートなどはされておらず、アルマイト処理のみだ。
本当に海水で使って大丈夫なのか、少し不安になる。

海水中のアルミ濃度を測ることが出来ないのだが、もしかするとアルミ分が増えているかも。
スターポリプが全くポリプを出さなくなったのはこのせいとか?
でも他の珊瑚類に影響はないし、ハナガササンゴなどダメになるかと思っていたものが今は成長に転じるほどになっている。
長期飼育の難しいナガレハナなのに、である。

プラスチックのケースは真ん中で仕切られている。
水は下側を通って流れていき、端でUターンして上側を通って戻っていく。

このプラスチックの熱交換器筐体底部が変形していた。
過熱が原因であれば中央の仕切りも変形するはずだし、そもそもヒートシンクはプラスチック筐体の下にまでは届いていない。
それにもかかわらず、プラスチック筐体の下側が変形していた。

熱交換器などは再使用が可能そうなので、電源だけ別途用意して直して使おうかと思った。
しかし熱交換器の変形が大きかったので、再使用は諦めることにした。
ここから水が漏れると大事になるわけだし、もしかしたら最初からの成形不良なのかなとも思ったのだが、ちょっと不気味である。

CR-2の方も開けてみたが、こちらは無事だった。
厳密には腐食痕もあったのだが、致命的なものではなかった。

CR-2はそのまま使うが、アルミヒートシンクは気になる。
なお基板にはハヤコートをスプレーして、腐食が進まないようにした。
ハヤコートはPCのオーバクロック実験をしていた頃に買ったものの残りだ。
サンハヤトのデモでは、ハヤコートをスプレーした電子回路をそのまま水につけて動作させていた。

熱交換器のヒートシンクにもハヤコートをかけようか考えたのだが、ハヤコートが剥離してどこかに引っかかったりするのもいやなので、そのまま使うことにした。

CR-3の代替はどうするか?
ペルチェユニットはこれを買ってみることにする。
2,800円なら良いでしょう。

ヒートシンクとファンの容量は絶対的に足りないと思われる。
このヒートシンク、CR-3の熱交換器に使われているものと一緒だ。

熱交換器はアルミ製+アルマイト処理に見える。
これに関しては、以前に買った樹脂を流し込んで内部をコーティングしてみようかと思っている。
デブコンの耐久性は、紫外線や水の当たる場所で2年経過しても全く問題が無いことが分かっている。
粘度が余り高くないので、熱交換機内に流し込んで、まんべんなく行き渡らせる事が可能だ。

ヒートシンクはどうしようかなぁ。
そっくり移植するためには200mm長のヒートシンクが必要だ。

ファン付きペルチェユニットのヒートシンクの側面に加えるならもう少し小型のものが2個あれば良い。
ただし熱抵抗が増えるので効率的にどうかなと思うところはある。

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