トロロ藻/ハネモ対策と道のり

トロロ藻/ハネモ対策と道のり

様々な実験と結果の検証ではなく、何が効果的なのかを知りたい方はこちら

ここで言うトロロ藻とは、緑色で毛足の長く、ライブロックなどあらゆる場所に付着するも、簡単にそこから外れるような活着力の弱いものだ。
Bryopsis(ハネモ)はシダ植物の小さいような形状のもので、しばしばトロロ藻と同一視される。
 Derbesia、Halicystis、Turf Algae或いはHair Algae、GHAと一括りにされることも多く、国内に於いてはトロロ藻で話が通じるだろう。
ウチではトロロ藻より多少固く、活着力の強いものも増えている。
なお茶系でねばっとしたもの、シアノバクテリアやダイノスは、本記事中でトロロ藻とは呼んでいない。
(ウチでは発生していない)

トロロ藻が発生しはじめたのは2年くらい前になる。
天然海水を使っているので、そこから持ち込まれたトロロ藻の元が大繁殖した可能性がある。
ただトロロ藻はあっても水槽の調子は良く、見栄えさえ気にしなければ問題はなかった。
しかし見栄えの悪さは相当なもので、これまでにも色々な生物を入れてみたりはした。

トロロ藻が一時的に減少した事があった。
一昨年の冬なのだが、大繁殖していたトロロ藻がかなり減った。
夏場は水温を25℃位に設定し、冬場は(当時は)23℃位まで下げていた。
トロロ藻は低水温に弱いのか?
そう思って再度水温を低めにしていたのだが、トロロ藻の様子に変化は無かった。
全く減少しないばかりか徐々に勢力を増しつつあるトロロ藻なのである。

昨年末頃から、余りに増えたトロロ藻が千切れて排水部を塞ぐ事態になった。
こうなると水槽水位が上昇し、最悪の場合は水が溢れる事になる。
これの対策として、Reeferの排水口の柵を切り取る事にした。

上が切り取ったもの、下がノーマル品である。
こうしてトロロ藻との共存を行っていたわけで、月に1回の換水の時にトロロ藻は吸い出していた。
最初はいわゆるトロロ藻だけだったのだが、やがてもっと固い海藻やトロロ藻風だけれど、ライブロックに強固に付着するものなどが現れ始めた。

トロロ藻は換水時にホースで吸い出せば簡単に除去できる。
しかしライブロックに根を張ったような藻は中々取れない。
そこでライブロックごと洗ってしまう(歯ブラシなど擦る)ことも行った。

トロロ藻が生物に対して悪影響を与えているというのなら話は別だが、見栄えが悪い以外に大きな影響がなかったので、結果的に2年ほども放置していた事になる。
調子が良い時には何らいじらない、それが生物の長期飼育に繋がると考えたからだ。
その一方で排水口にトロロ藻が詰まるとか、ソックスフィルタがすぐ詰まるなど、メンテの面倒さもあった。

ただ海外の記事には以下のように書かれている。

Worse, it also secretes toxins with allelopathic effects towards corals and coral larvae.
It's the worst possible algae to have in your tank and also next to impossible to eradicate…Or is it?

サンゴなどにとって有害な物質の放出があるという。
さらには、この最悪な藻は根絶が不可能だと綴られる。

これまでにもいくつかの生物を入れ、トロロ藻を食ってくれないかと試した。
しかし中々効果が上がらなかった。
効果が上がらないから次のチャレンジをするという感じでも無く、効果が無かったねでまたしばらく放置みたいな感じだった。
そんな中で、たまたま入れたヤドカリが効果抜群だった。
入れたのはホンヤドカリで、ペットショップなどでは余り売られていない。
岩場の海岸に行けば採取が出来るからなのか、或いは色や模様が地味で人気が無いから商品価値に乏しいのか、ペットショップからの入手は難しい種類だと言える。

へっぽこページに書かれている事

トロロ藻対策のページみたいな、どこかしらの記事のコピーとアフィリエイトに満ちたサイトには、栄養塩を減らしましょうとか、魚を減らしましょうとか、毎日換水しましょうとか、天然海水を使いましょうなどと書かれている。
また○○を入れると良いとか、□□添加剤が効果的だ等と書かれるが、その根拠がない。
こうしたページを鵜呑みにする人もいるのだろうなと思うし、こうしたページはSEO対策が行われるので検索上位に来る。

栄養塩は関係があるのか?

リン酸塩や硝酸塩がトロロ藻と関係があるのかだが、私の経験からすると余り関係はない。
ウチの水槽では硝酸塩が0~5ppmでリン酸塩が0.05ppm前後、双方がゼロに近い時もトロロ藻は繁殖し続けていた。

ただしこの数値は、トロロ藻が栄養塩を吸収した結果であるとする論がある。
もしもトロロ藻がないのであれば、栄養塩値はもっと上がるはずだというわけだ。
しかし栄養塩がゼロでバランスしているとすれば、トロロ藻は増殖はしないはずである。
栄養塩を食い尽くした状態で、それ以上の繁殖が出来なくなる。
しかし実際には日ごとにトロロ藻は増える傾向だったわけで、その点から栄養塩の枯渇に強い藻類ではないかと推測する。

硝酸塩もリン酸塩も長期にわたり安定的に0.00ppmを維持すれば、もしかするとトロロ藻は枯れるのかも知れない。
しかし例えば嫌気バクテリアやポリリン酸蓄積細菌よりも早く、トロロ藻が栄養塩を取り込む性質だとすれば、実質的な栄養塩ゼロはあり得なくなる。

換水は毎月天然海水を使っているので、天然海水か否かも関係ない。
いわゆる天然海水信仰みたいなものがあって、水槽の調子が悪い時は天然海水で大量換水しましょうみたいな話である。
確かに未殺菌・未濾過の海水であれば、動植物性プランクトンなどが含まれるのは事実だ。
しかし人工海水と成分が異なるわけではなく、これによって云々は科学的根拠に乏しい。
むしろ逆に、RO水で人工海水の素を溶けば、原生藻類などを水槽内に持ち込まずに済む。

シアノバクテリアはリン酸塩が多少ある状態で、硝酸塩がゼロになると発生しやすいとも言われる。
トロロ藻に関しても同様で、硝酸を添加したら消滅したという記事もあった。
逆に炭素源を使って硝酸塩をゼロにしたら消えたという記事もある。
これは硝酸塩そのものではなく、水質の急激な環境変化がトロロ藻を消すのではないのか。
海藻も水質の変化によって急激に溶けてしまう。
これと同じ事がトロロ藻にも起きるのではないのか。

栄養塩は余り関係が無さそうだと言ったところで、例えば硝酸塩が50ppmだとかリン酸塩が0.5ppmもあったら、先ずそれを減らす事が必要だ。
栄養塩が高い状態では藻類が云々より、無脊椎の成長に影響が出る。
RedSeaではSPSが少なくLPSやソフトコーラルの多い水槽では、1~2ppmの硝酸塩と0.1ppmのリン酸塩値が必要だとしている。
SPSメインであれば、硝酸塩・リン酸塩共に0ppmが推奨される。

硝酸塩を手っ取り早く減らすにはNO3:PO4-Xなどの炭素源が有効だ。
これに関してはblogAに書いたので、コピーしておく。
RedSeaの基準添加量よりも少なくするなど、安全性に配慮している。
なおNO3:PO4-Xを添加すると、pHが一時的に下がるので注意する必要がある。

NO3:PO4-Xはランニングコストが安いと書いているページがあるが、実際には硝酸塩の測定が必要なので、そのコストが加算される。
RedSeaは硝酸塩とリン酸塩の測定を、週に最低2回は行いなさいと言っている。
これは硝酸塩が(ほぼ)無い状態でNO3:PO4-Xを添加するのは危険だからだ。
NO3:PO4-X自体は安いのだが、硝酸塩の測定は1回あたり60円(RedSeaのテスター)から120円(ハンナのテスター)が必要だ。
(リン酸塩の測定はしなくても大丈夫)
硝酸塩の計測なしにNO3:PO4-Xを添加する事は出来ない(全滅の可能性すらある)ので、このコストと手間は覚悟する必要がある。

NO3:PO4-Xは炭素源を供給して脱窒を行わせようとする添加剤だ。
炭素源添加によるメリットはNO3を簡単に減らせる事であり、デメリットは不要なバクテリアなどの増殖である。
手順に従った添加では大きな効果があるが、一つ間違えば白点病の蔓延になる。
これは2回経験している。
最初はNO3:PO4-Xが原因かどうかよく分かっていなかったが、2度目にハッキリ分かった。

硝酸塩値が高い場合にNO3:PO4-X添加が問題になる事は少ない。
問題は硝酸塩値が下がった時で、硝酸塩がない(ごく少ない)時にNO3:PO4-Xを添加すると、脱窒バクテリア以外にエネルギが供給される事になり、トラブルが起きる。
従って添加前には必ず硝酸塩値を計測する事が必要だ。

硝酸塩値が1ppm以下の場合
・硝酸(硝酸カリウム・硝酸ナトリウムなど)を添加して硝酸塩値を1ppm以上に上げた後に、NO3:PO4-Xを添加する。

硝酸塩値を上げてNO3:PO4-Xを添加するのは、PO4を下げるためだ。
ただPO4を下げるにはポリリン酸蓄積細菌が増殖している必要がある。
ポリリン酸蓄積細菌は嫌気域でリン酸塩を排出し、その後好気域に移動する事で(排出した以上の)リン酸塩を蓄積する。
リン酸塩が蓄積されたポリリン酸蓄積細菌を、プロテインスキマーで取り除く事でリン酸塩値が下がる。
リン酸塩値が0.5ppm以上と高い場合には効率的にリン酸塩値を低減できるが、それ以下の場合は効果が低い。

硝酸塩値が1ppm前後の場合
・NO3:PO4-X規定量の半分を添加する。

硝酸塩値が2ppm以上の場合
・NO3:PO4-X規定量を添加する。

NO3:PO4-Xの添加を開始して7日経っても硝酸塩値が減らない場合は、脱窒バクテリア自体の数が少ない可能性がある。
この場合はNO3:PO4-Xの添加量を増やすのではなく、バクテリア添加剤などを投入する。

GEXサイクル:休眠状態の、主に好気バクテリア剤
土壌バクテリア:活性状態の好気性・嫌気性バクテリア混合物
バイオダイジェスト:休眠状態の好気性・嫌気性バクテリア混合物
スーパーバイコム21PD:休眠状態の主に嫌気性バクテリア混合物

GEX サイクルなどバクテリア添加剤の多くはバクテリアが休眠状態になっている。
これを添加すると2~3日でバクテリアが活性状態になる。
土壌バクテリアは活性状態のバクテリアだが、それでも数日後に効果が現れる。
バクテリア添加剤は一度に多くの添加を行うのではなく、毎日少しずつ入れる。
ただ通常の水槽環境ではバクテリアは十分な量がある筈で、バクテリアの添加と共にバクテリアの少ない原因を探る必要がある。
市販のバクテリアの素ではなく、無濾過・無殺菌の天然海水を使う方法もある。

活性状態のバクテリア剤は使用期限がある。
期限内に使用しないとバクテリアが死滅してしまうためだし、バクテリアを活性状態で保存するためにはバクテリアの餌も必要だ。
土壌バクテリアは活性状態のバクテリアとその餌(炭素源など)の混合物であり、過剰添加による(炭素源過多の)危険がある。
従って土壌バクテリアとNO3:PO4-Xの併用には注意したい。
炭素源と硝酸塩やリン酸塩を混合したものとして、バクトバランスがある。
色というか見た目というか粘度というかが、土壌バクテリアとバクトバランスは似ている。

バクテリアが少ない状態でNO3:PO4-Xを添加すると、炭素源がバクテリアで消費されずに他の細菌の栄養源となる。
こうなると白点病の発生などが起きるので危険だ。
しかし脱窒菌が十分かどうかなど、見て分かるものではない。

バクテリアに関してはこちらにも書いている。
なお(当時)土壌バクテリアの使用では硝酸塩の減少は見られなかった。
もしかすると成分が変更されたのかも知れない。

照明は関係あるか?

トロロ藻の発生抑制のために照明を暗くしてみた。
フル点灯で(消費電力)48W×3台のLED照明だが、これをブルー発光のみ(約7W×3)にしてみた。
フル点灯時よりはトロロ藻の成長が遅くなる事は確認できたが、枯れる事はなかった。
波長450nm位のブルー光でも、トロロ藻は光合成が出来ると言う事だ。

また照明点灯時間を11時間から7時間に減らしてみたが、これによる顕著な差もなかった。
ブルー光のみ+点灯時間7時間とすると、成長速度は遅くなるが枯れない。
点灯時間変更とブルー光のみの設定ではトロロ藻の減少が見られず、2週間後には元に戻した。

例えばトロロ藻の付いたライブロックをひっくり返して、トロロ藻が付いた面を下にしたとする。
するとそこには光が当たらず、トロロ藻はやがて消滅する。
この事からもトロロ藻は光が必要な事が分かるが、では水槽を真っ暗に出来るかと言えばそうは行かない。
サンゴや魚などの都合もあり、トロロ藻はなくなるかも知れないが他の生物にもダメージが大きい。

水草水槽に於いては、暗幕などをかぶせて何日か光を遮断するという、コケ対策の荒技がある。

炭酸ガス濃度を下げる

海外の記事を見ると、水槽水内の溶存二酸化炭素量を下げることが効果的だと書かれている。
これも光合成の阻害という事で理にはかなっている。
しかし一般的な水槽ではプロテインスキマーによって曝気が行われているわけで、二酸化炭素溶存量を一定以下にする事は難しい。
冬季など燃焼系の暖房器具を使っている場合は、室内の二酸化炭素濃度が上昇し、それに伴って水槽水の二酸化炭素濃度も上昇する。
この場合はプロテインスキマーの空気流入孔を屋外に出すなどすれば解決する。

カルシウムが関係している?

“巨大単細胞性緑藻ハネモ(Bryopsis plumosa)における生長・形態形成機構の解析”論文によれば、ハネモはカルシウムを多量に取り込むとのことだ。
カルシウム濃度による生長度の違いは大きいと書かれている。
もしかするとハネモが増えると、水槽水のカルシウム濃度が下がるのかも知れない。

生物兵器は有効か?

魚類

ヒフキアイゴ・フォックスフェイス

魚類としてトロロ藻を食べるのがヒフキアイゴ/フォックスフェイスだ。
しかし餌付けが出来てしまうと、粒状餌ばかりを食べるようになる。
トロロ藻よりも粒状餌の方が美味しいのだろう。
餌を少なめにして飼っていれば、トロロ藻を食ってくれるが魚が痩せてしまう。
また個体による差もあり、よく食べる魚と余り食べない魚がある。

この魚はメガバイト海藻70はよく食べるのに、冷凍イサザアミは余り食べない事からも、草食性が強い事が分かる。

ヒフキアイゴとフォックスフェイスは見分けが難しい。
ボディに黒い点のあるものがヒフキアイゴとされるようだが、必ずしもそれが全てではないとの事だ。

ナンヨウハギ・キイロハギ・ゴマハギ・コーレタン

ハギ類も草食なのだが、毛足の長いトロロ藻は好みではないようだ。
腹を減らしていれば食べるのかも知れないが、これらの魚が明確にトロロ藻を食べるのは見た事が無い。
魚を飼う時には、大抵は粒状餌に慣らしてしまうわけで、あえて(美味しくもない)藻類を食べるとは思えない。

ミズタマハゼ

ミズタマハゼは藻類は殆ど食べないのだが、腹が減るとトロロ藻を食べる。
食べるという程大量ではないが、何せ口がデカいのでパクッと飲み込む。
トロロ藻退治を目的として水槽に入れても効果は無いが、一応食べることは食べる。

ヤエヤマギンポ

珪藻藻などはよく食べるのだが、トロロ藻は殆ど食べない。
トロロ藻が付着しているライブロックを突く所は見た事がない。
むしろ何もないライブロックをつついているので、トロロ藻が付いている所は嫌いなようだ。
コイツも他の魚が粒状餌を食べるのを見てか、粒状餌に寄ってくるようになった。

アメフラシの仲間

タツナミガイ

これはトロロ藻をガンガン食べる。
タツナミガイが通ったあとはトロロ藻が無くなり綺麗になる。
タツナミガイがいればトロロ藻なんてすぐに消え去るはず、そう思うほどのパワーだ。

しかしタツナミガイは意外に弱い。
魚に突かれたり、エビに乗っかられたりするのがストレスになるようで、早期に死んでしまう。
ウチでも、いつの間にか姿を消してしまった。
タツナミガイ亡き後は、又もやトロロ藻の大繁殖がやって来るのだ。

上手く飼育すると草履くらいの大きさになるタツナミガイだが、魚やエビとの同居では長生きしない事が多い。
また藻類が無くなれば餓死してしまう。

全長3~4cmのタツナミガイは、ヤドカリ30匹分以上のトロロ藻取り能力を発揮する。

レタスラッグ

レタスラッグもトロロ藻を食べる。
ただし入手性が良くなく、売られているのは殆ど見たことが無い。
レタスラッグもウミウシで、身体を縮めるとレタスの葉のように見える所からそう呼ばれる。
1~2匹では食べる量もたかが知れているが、沢山入れればそれなりに効果が見られる。
トロロ藻・ハネモにはレタスラッグが良いよという情報が出回ったのが2011年頃で、当時はショップでも盛んに販売されていたそうだ。
その後レタスラッグ信仰は下火となり、市場から消えていった。
理由は、トロロ藻やハネモを食べることは食べるが、水槽でそれらを明確に減らしたい場合は数十固体を入れる必要があり、余りに高価で現実的ではなかったわけだ。

コノハミドリガイ

コノハミドリガイの主食はトロロ藻である。
緑藻を食べ、それを元に体内で光合成を行うという生物だ。
ウミウシは何でもトロロ藻を食べるかと言えばそうではなく、種類によって全く食性が異なる。
コノハミドリガイは小型の個体が多いので、こちらも数十~100個体は必要だろう。
これもペットショップでは余り見かけず、売られていたとしても結構価格が高い。

エビ・カニ

エビやカニもトロロ藻を食べるのだが、トロロ藻を減らす為には大量のエビやカニを導入する必要がある。

スカンクシュリンプ・ペパーミントシュリンプ

スカンクシュリンプやペパーミントシュリンプもトロロ藻を突っついている姿は見るのだが、エビを10匹程度入れてもトロロ藻の繁殖速度が勝る。
ただ水流ポンプなどの藻類は取ってくれているので、その程度の働きはする。
なおオトメエビはトロロ藻は突っつかない。

ライブロックに付いていたカニ

カニもトロロ藻を突く。
カニは大きさにもよるが、エビよりも大食漢である。
ただしサンゴなども突いてしまうので、水槽内では邪魔者とされる。
ウチにはライブロックの隙間に棲息する(ライブロックにくっついていた)、2cm以上の大きなカニがいて、確かにそのカニの穴の回りには藻類が付着していない。

エメラルドグリーンクラブ

サンゴと相性の良いエメラルドグリーンクラブだが、これも数十匹を入れないと目に見えた効果が期待できない。
海外の記事でもエメラルドカニは度々登場する、いわば定番と言う事になる。
トロロ藻以外のコケや海藻があればそれを先に食べ始めるので、トロロ藻自体は余り好きではない様子だ。
珪藻、いわゆる茶コケはよく食べる。
ただしエメラルドグリーンクラブ自体が小型なので、数匹入れたくらいでは食べる量もたかが知れている。
サンゴには無害と言われているが、ソフトコーラルなどは突く。

イソスジエビ

海で採る事の出来るイソスジエビもコケを食べる。
餌用として売られている事の多いイソスジエビだが、雑食性なので他のエビなどを襲う事がある。
小さなイソスジエビは魚に食べられてしまい、大きなイソスジエビは小さなエビや魚などを襲う事がある。

アシナガモエビ

アシナガモエビもトロロ藻を食べるが、1~2cmのエビなら50匹以上は入れないと効果が見えてこない。
アシナガモエビは餌用のエビとして安価に売られている事があり、そうしたものを見つけたら買ってみる手もある。
アシナガモエビが食われているところを見た事はないのだが、いつのまにかいなくなってしまうので、他の生物の餌になってしまうのかも知れない。

アシナガモエビが人気が無いのは、見た目が地味だからだと思う。
海水のエビは綺麗な色のものが多いのだが、アシナガモエビは淡水エビのように地味だ。

フシウデサンゴモエビ

モエビ類はトロロ藻を食べるが、中でもフシウデサンゴモエビは比較的大きな個体が入手しやすい事もあり、トロロ藻対策用として使われる。
ヤドカリが手を出さない、毛足が長くて強力に岩にくっついている藻類(Hair Algae)を食べてくれないかと、20匹ほど水槽に入れてみた。
フシウデサンゴモエビは余り見えるところに出てこず、効果の程は不明だ。
ただ過酸化水素水処理をしたトロロ藻は相当美味しいようで、これに群がって食べていた。
いつの間にか絶滅したかと思っていたのだが、美味しい藻があれば出てくる。

ヤドカリ

最も簡単で確実なのがヤドカリによるトロロ藻の撃退だ。
ウチではホンヤドカリとヨコバサミ、サンゴヤドカリを入れたが、ホンヤドカリが最もトロロ藻をよく食べた。
サンゴヤドカリや、スカーレットリーフハーミットクラブは余りトロロ藻は食べない。
※ホンヤドカリは更に8種類以上に細分されている。

ヤドカリ自体は雑食性だが、種類によって海藻を食べるものとエビや貝などを食べるものが居る。
動物性の餌を好むヤドカリは、貝などを食べるしサンゴを突く事もある。
シッタカが食われてしまう事もあるので、ヤドカリの食性には注意すべきだ。

海から採ってきたばかりのヤドカリは腹を減らしているのか、水槽に入れるとものすごい勢いでトロロ藻を食べた。
Reefer250水槽に1~2cmサイズのもの100個以上を入れると、トロロ藻の減少が目に見えて分かる。
ただしライブロックなどに強固に付着したタイプ、見た目はトロロ藻と変わらないのだが、簡単には吸い出せない藻は余り食べてくれない

ライブロックにも登っていくし、ガラス面にトロロ藻があれば、そこを伝って登っていって食べる。
トロロ藻に対する効果という点では、タツナミガイを凌ぐほど(ただし大量に入れる必要がある)だ。
ヤドカリの数が少ないと、ヤドカリによるトロロ藻の減少よりもトロロ藻の繁殖速度が上回るので、とにかく沢山入れることである。

野生のヤドカリは腹を減らしているようで、とにかく食べる。
しかし満腹になると爆食は無くなる。
水槽に入れてトロロ藻を食わせたヤドカリを海に放し、新たな野生のヤドカリを採集してきて水槽に入れるのが一番効率的だ。

ホンヤドカリは日本の海岸に分布するが、その場所によって食性が異なる可能性もある。
飼育水温は13℃程度から28℃程度と言われる。
実際(伊豆半島の)下田の海も冬場の14℃~秋口の26℃(干潮時の潮だまりでは30℃以上)まで変化する。

ヤドカリのメリットは、その動作などが見ていて飽きない、鑑賞価値がある事だ。
タツナミガイはアメフラシなので、動きは遅く見て楽しい生物ではない。
ヤドカリを飼うには貝殻(ヤドカリの引っ越し用)も水槽に入れておく必要がある。
綺麗な貝殻を入れておけば、ヤドカリはその綺麗な貝殻を纏う。
ホンヤドカリは引っ越しが好きなようで、新しい貝殻を見つけるとそれに入ってみる。
引っ越し用の貝殻は、ヤドカリの個体数以上必要である。

ヤドカリは70種類以上がいるようで、ホンヤドカリもいくつかに分類される。
トロロ藻を食べる種類のヤドカリを入れなければ意味は無いし、沢山入れなければ藻類の繁殖力が勝る。

海外ではトロロ藻退治用として以下が推奨されている。

  • ドワーフゼブラヤドカリ
  • ドワーフレッドチップヤドカリ
  • ドワーフブルーレッグヤドカリ
  • ドワーフイエローチップヤドカリ
  • エレクトリックブルーヤドカリ
  • エレクトリックオレンジヤドカリ
  • ハロウィンヤドカリ

ヤドカリはカニなどと同じく他の生物を食べる。
貝などは狙われるのだが、餌不足以外の理由として貝殻強奪があるのだとか。
ヤドカリは宿を借りるのではなく、宿を奪い取るわけだ。
これに関しては、住み替え用の貝殻を入れておくことで対策が出来る。
餌に関しては何とも言えないが、草食性のヤドカリであれば藻などを好んで食べる。
また底砂に付く茶コケも食べるので、底砂はいつも綺麗に保たれる。

貝類

イシダタミ

イシダタミの食欲は旺盛である。
自然界では石や岩などに張り付いた海藻などを食べている。
人工飼育が難しいと言われるのは、海藻や藻類を水槽内で自然繁殖させる事が難しいからだ。
しかし、その藻類が蔓延する水槽ではイシダタミが活躍する。
しかし所詮小さな貝なので食べる量は限られ、相当数の貝を入れなければ藻類の繁殖力の方が上回る。
藻類は何でも食べるようで、水流ポンプなどに付いたトロロ藻を食べる。
食用として売られている事もあるが、生きた貝は殆ど流通しない。
日本各地の海(岩場)に行けば採集する事が可能で、90cm水槽に100個くらい入れれば藻類減少の役に立つ。
移動速度がそこそこ速く、ライブロックやガラス面などを活発に移動して藻類を食べる。
貝が死んでしまうとヤドカリの餌食になり、ヤドカリはイシダタミの貝殻に入る。

マガキガイ

マガキガイはトロロ藻を多少食べるが、大型の貝なのでライブロックに登るのは得意ではない。
沢山のマガキガイを入れれば有効かも知れないが、少なくとも10匹くらいではトロロ藻の繁殖を止める効果はない。
トロロ藻は底砂に近い場所のガラス面や、底砂にも生える。
底砂近くのトロロ藻はマガキガイが食べるので、全く食べないというわけではない。
なおマガキガイはトロロ藻だけでは生きていけないようで、餓死率が高い。
90cm水槽に魚が10匹程度なら、マガキガイは数個が限界だ。
それ以上では餌不足に陥り死んでしまう。

タカラガイ

タカラガイもトロロ藻を食べる。
トロロ藻や珪藻あるいはガラス面のコケなどを食べる。
タカラガイを大量に入れれば効果が見られるかも知れないが、10匹程度では殆ど期待は出来ない。
動きが遅く食べる量も少ないので、食べているかどうか分からない程度と表現した方が良いかもしれない。
ライブロックの同じ場所に貝が鎮座していれば、そのうちその部分の藻がなくなっている、位な感じだ。
貝類はヤドカリに攻撃される可能性があるので、ヤドカリと共存させる場合は大きめの貝を入れるべきである。
タカラガイは綺麗な貝ではあるが、ガラス面に張り付くなどして邪魔だと感じる人も多い。

ターボスネール

ターボスネールもコケ取り貝として重宝される。
トロロ藻と言うよりもガラス面などに付くコケ対策のイメージだ。
明確にトロロ藻を食べるという程の効果は無いが、多少は食べているかな?くらいの感じだ。
これもヤドカリに狙われる。
ヤドカリを入れる時には草食性のものにする必要がある。

ターボスネールのターボはターボチャージャー(Turbo)の事ではなく、ターバン(Turban)から来ているらしい。

Called a Turban Snail because of the pattern and shape of its shell, this medium- to large-sized snail feeds on algae on rock platforms.

ターバンを巻いたような貝、と言うことか。

ガラスなど垂直面のトロロ藻が減ってくると、ヤドカリはトロロ藻のある所まで登れなくなる。
しかし貝であれば登っていくことが出来、そこでトロロ藻を食べてくれる。

シッタカ貝

シッタカもコケ取り貝として水槽に入れられる事が多いが、トロロ藻は余り食べない。
貝類は緑藻よりも珪藻の方が好きなようである。
これもターボスネール同様に全く食べないわけではないが、好んでは食べない。
しかし他に食べ物がなくなればトロロ藻を食べるし、どこにでも張り付いて細かな部分を掃除してくれるのは助かる。
ガラス面に緑のコケがつき、そこからトロロ藻的なものが生えてくる、その緑藻も阻止してくれる。
ガラス面に直接トロロ藻が付くことは無く、石灰藻だとか緑藻を足がかり?としてトロロ藻が増えるように見える。
従ってそれら緑藻などを食べる貝を入れれば、トロロ藻の付着防止になる。

シッタカは海に行けば採取することが出来る。
ウチの水槽には(たぶん)50個くらい入れていて、ガラスの下部に付いたトロロ藻はヤドカリパワーとコンクパワーで綺麗になくなった。

ウチではライブロックを水槽後方に寄せていることもあり、また蓋を使っている関係で水槽背面は掃除がしにくい。
その部分のクリーニングもシッタカが担っている。

貝の意外な活躍は、貝殻に乗せてヤドカリを運ぶことである。
ヤドカリが貝に乗り、貝がガラス面を移動してコケのある所まで行く。
するとヤドカリはそこの藻を食べるというわけだ。

貝が活動するのは照明が消えた後の夜間で、日中はどこかに隠れている。

背面ガラス面のトロロ藻をあえて取らずに、そこに貝を這わせてみた。
すると1週間程度で貝のいる部分のトロロ藻が綺麗になくなった。
全て食べきるには時間がかかると思うが、貝もトロロ藻を食べる。
ただし食べる速度は非常に遅い

ウニ

ウニはトロロ藻も、他の固い藻類も何でも食べる。
ウニの大きさによってはタツナミガイに匹敵するパワーがある。
しかし岩組みなどのレイアウトを崩したりしてしまう恐れがある。
移動速度は遅いが力があるので、ウニが押してしまうのだ。
トロロ藻を撃退するには十個程度を入れる必要があると思うのだが、生長すると大型になるものもあるので注意を要する。

ウニは石灰藻を剥がす事もあるが、石灰藻は又付着するものなので余り気にする必要は無い。
石灰藻と共にライブロックも削り取ったり、アクリル水槽に傷を付けたりするのは問題だ。
ウニの種類によると思うが、藻類が無くなればサンゴも食べる。
とにかく何でも食べてしまうのがウニなのだ。

海外のページでも”The urchin is an algae eating machine.”ウニは藻類を食べるマシンだと書かれている。

コシダカウニなど草食性のウニはサンゴに与える影響は小さいと言われる。
石灰藻を削り取る事から、水槽のガラス面やオーバーフローパイプに付着した石灰藻の掃除用にと導入する人もいる。

シラヒゲウニはペットショップでもよく見かける。
移動速度が遅いので明確に藻類が減ることは期待しにくいが、トロロ藻だけではなく固いシオグサも食べる。
サンゴ水域に於いては藻類が少ないこともあり、草食性の生物は存続しにくい。
そんな中でウニはサンゴ域の生態系を維持するのに必要な生物だと言われる。

海外ではパイプウニ(鉛筆ウニ)が働き者だとの記事があったが、パイプウニは日本では生体が余り流通しておらず、成長すると大型になるので扱いにくそうだ。

ウチでは海で採取してきた身元不明のウニを入れた事があったが、確かにトロロ藻を食う。
ただし小型の個体1つでは食べる量が少ない。
ウニの移動速度は貝より余程早く、水槽の蓋を開けていると脱走してしまう(しまった)。

ヒトデ

種類によるとは思うが、藻類を食べるものも居る。
ただ明確にトロロ藻を食べて貰うには、かなりの個体数が必要になる。
ヒトデはサンゴも食べてしまうものが居るので、ウニ同様に注意する必要がある。

草食のヒトデは藻類などを好み、泥食のヒトデは底砂の掃除に役立つ。
肉食のヒトデはアサリやクリルなどを好んで食べる。
ヒトデは比較的丈夫で長生きだが、大型化するものもあるので注意が必要だ。

コブヒトデはフリソデエビの餌用として安価に販売されている。
これもトロロ藻を食べるのだが、大型の個体はライブロックに張り付きにくいようで、大抵はガラス面にくっついている。

 

マグネシウム濃度による藻類抑制

何故マグネシウムレベルを上げると藻類が減少するのか。
これに関しては以下の記述があった。

Mostly all plants (Bryopsis included) have an affinity to bind up and absorb metals, actually metals are essential for the metabolisms of plants.

The problem is that when plants threshold limits have been reached in terms of metals, the metals become an enzyme inhibitor and enzyme inhibitors, in the case of Bryopsis, is just what we are looking for.

植物は金属を取り込み、それは植物の生長にとって不可欠である。
しかし多くの金属を取り込む(限界に達する)と、金属が酵素を阻害する。
その金属成分が、他の生物に対して影響のないマグネシウム(塩)という事だ。

ただこの記事の中に、KENTのTech-Mでなければこの作戦が成功しないようなことが書かれている。

I tried the Bulk Reef Supply Magnesium Chloride in conjunction with pharmacy-bought Epsom salts (Magnesium Sulfate) with no luck while the Tech-M worked.

Tech-Mにはマグネシウム以外の何かが入っていて、実はマグネシウムレベルが藻類の生長を阻害するのではなく、その未知の何かが効果的なのだという論だ。

Tech-Mが必要だというのならばTech-Mを入手する以外にはないのだが…
そうじゃないんだ、Tech-Mではなくマグネシオンの方が効果的だとの書き込みもあった。

ブライトウェル社のクリスブライトウェル氏は海洋学者であり、藻類の低減には液体タイプのHydrate-Mgを提案した。
これに先立ってブライトウェル社はHydrate-Mgによる藻類の減少をテストしていた。

単にマグネシウム濃度上げれば良いのであれば、試薬を添加すればいい。
マグネシウム濃度を増やすことは難しくはない。
現在はSPS飼育をしていないので添加していないが、以前は塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムを使っていた。

マグネシウムは海水中に多量にあるものなので、その濃度を上げるには多くの試薬を必要とする。
塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムを海水に溶かせばマグネシウム濃度が上がるわけで、双方共に極めて溶けやすいのでこの点で難しさはない。
マグネシウム添加剤として市販されているシーケムのリーフマグネシウムは、100リットルの海水に対して125gを添加すると100ppm濃度が上昇する。

一日あたりのマグネシウム濃度上昇を50ppm以下に抑えるとすれば、100リットルの海水容量に対して毎日63gを添加し、4日~5日かけてマグネシウム濃度を1600ppm以上まで上げることになる。

塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムの場合もほぼ同様(リーフマグネシウムの内容物は塩化マグネシウムと硫酸マグネシウム)で、塩化マグネシウム10に対して硫酸マグネシウム6位の割合(重量比)で添加すれば良い。

マグネシウム添加量とマグネシウムレベルの計算機を使うと簡単だ。
水槽容量(Net Actual Aquarium Water Volume:)を100リットル、現在のマグネシウムレベル(Current Mg)を1400ppm、目標マグネシウムレベル(Desired Mg)を1450ppm、添加する薬品(Product)を塩化マグネシウム(Magnesium Chloride Hexahydrate)とすると、41.6gと答えが出る。

ウチの水槽は公称240リットルなので(ライブロックや底砂によるマイナス分と、配管やクーラー、カルシウムリアクタ、吸着剤用外部フィルタ分で相殺)、塩化マグネシウム六水和物だと200gを添加して1400ppm→1500ppmになる。
硫酸マグネシウム七水和物だと236.7gの添加が必要だ。

マグネシオンは塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムを水に溶いたものだだが、藻類抑制用の何かが入っている可能性もある。
これを添加しても勿論いいのだが、日本では大容量ボトルが入手できない。

マグネシウムを添加してみる

マグネシウム濃度を上げる事でのトロロ藻撃退実験を行った。
当初はマグネシウム濃度を旨く上げることが出来なかった。
塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムを添加すれば、当然水槽水のマグネシウムレベルは上がる。
しかしそのまま12時間ほど経過すると、マグネシウムレベルは1400ppm位まで落ちてしまう。

朝晩に硫酸マグネシウムと塩化マグネシウム合計約60gを添加し続けると、マグネシウムレベルは1450ppm位になった。
添加をやめると1400ppm前後に落ちて落ち着く。
しかし添加5日目には、添加から12時間経過後も1580ppmを維持していた。
更に6日目には1850ppmまでマグネシウムレベルを上げることが出来た。

何故マグネシウムを添加し続けないと値が下がったのかは不明だ。
そして何故5日目からマグネシウム値の減少が緩やかになったのかも不明である。
マグネシウムはカルシウムと違って炭酸塩とは結合しないはずなので、沈殿は起こらない。
沈殿が起きるなら5日目以降もマグネシウムレベルの低下がみられるはずだ。
KHにも変化は無かったが、マグネシウムレベルを上げるとKHとカルシウム濃度の両方を上げる事が出来る。

マグネシウムを消費しているものがあるのならば、マグネシウム濃度はどんどん下がっていくはずだがそうではない。
トロロ藻が(トロロ藻内部が)飽和するまでマグネシウムを”食っていた”とするなら、これ以降トロロ藻の様子に変化が見られるかも知れない。

5日目以降は塩化マグネシウムと硫酸マグネシウム合計20gほどを毎日添加することで、1700ppm前後の濃度を維持できるようになった。

添加から1週間が経過したが、特に大きな変化は見られない。
藻の先の方が黄土色になっている部分が何カ所かあるのだが、藻がライブロックから外れそうになっているのでヤドカリがチョン切ったのかも知れない。

2週間後の様子である。
どう見ても変わっていない。
藻は枯れる様子もないし、ヤドカリもこの藻は食べてくれない。
オキシドールで洗えば一発なのに…
いや、しかしあと1週間待ってみようと思い直したのだった。

3週間が経過した。
藻は全く減少していないばかりか増えてないか?
白いものは貝で、トロロ藻に隠れるようにしながらも(たぶん)食べている。

マグネシウムレベルは通常の約1400ppmから5日ほどかけて1580ppmまで上げ、その後は1800ppm~2000ppmの間でコントロールした。
塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムを添加開始してから26日間観察したが、トロロ藻(強固に付着しているもの)を枯らすことは出来なかった。

実験終了時のマグネシウムレベルは2000ppmであり、その5日後には1600ppmまで下がった。
しかしその後は殆どマグネシウムレベルは下がらなかったので、換水によって平常値に戻す以外にはなさそうだ。

藻類除去剤

日本では売られていないようだが、米国では使われている。
Blue Life Reef Fluxは真菌治療薬であるフルコナゾールを主成分とした藻類除去剤だ。
フルコナゾールによる藻類除去に関しては古くから知られていたそうだが、近年になって米国で藻類除去用途への使用が許可されたとの記述があった。

能書きによれば無脊椎などに影響を与えずに、厄介な藻類(Bryopsis or Green Hair Algae)を除去出来るとなっている。

いくつかの製品があるのだが、いずれも主成分はフルコナゾールである。
フルコナゾールは人間用の真菌治療薬として販売されているし、魚病の治療薬として使われていたそうだ。
この魚病の治療中に、藻類に対する効果が見つかったという説がある。

勘違いしてはいけないのは、真菌治療薬がトロロ藻を撃退するのではなく、フルコナゾールがトロロ藻やハネモを枯らす事だ。
なので水虫治療薬を水槽に入れてもダメというか、害がある。

フルコナゾールはBryopsisとDerbesiaの細胞壁を選択的に破壊する事で、他の海藻類に害を与えずに枯らすことが出来る。

薬剤を投入するとプロテインスキマーがオーバフローする可能性がある。
薬剤の投与から1~2週間で効果が出るそうだ。
プロテインスキマーのオーバフローは最初に薬剤を添加した数十時間に限られる。
REEF FLUXに示されている添加量は、あくまでも魚の真菌症を治療するための分量であり、藻類を退治するためには10倍を添加する必要があると書かれている記事があった。
2週間の処理期間が完了したら20%の換水を行うことが推奨されている。

これが効くというのなら、当然入手してみるでしょう。

中身はカプセルになっている。
水槽用だからね、人間は飲むなよと書かれている。

色々調べてみるとHair Algaeに効くという話、効かなかったという話など色々だ。
公式?にはBryopsisとDerbesiaに良く効くとされる。
標準添加量では効かなかったという記事もある。
更には、藻類がなくなった以降も低濃度でフルコナゾールを添加し続けている人もいた。

この1カプセルは10ガロン分で、200mgのフルコナゾールが含まれている。

人間用ではないよと書かれているが、医薬品としての承認を受けていないという話であり、人間用の医薬品をパッケージングしただけかも知れない。
カプセルにはREEF HDの印刷がある。

FluxRxも同じフルコナゾールだが、添加量は1ml/25ガロンと書かれている。
容積だったり重さだったりで紛らわしいが、2g/100ガロンはREEF FLUXもFlux Rxも同じだ。

REEF FLUXは魚病治療薬だよと書かれている。

フルコナゾール(REEF FLUX)に関しての詳しい説明が中々見つからなかったのだが、(おそらくメーカの)説明があったので転載する。

Reef Flux AKA Algae Buster is the reef safe silver bullet treatment for Bryopsis, Caulerpa, green hair algae, and many other types of nuisance algae that have plagued the reef hobby from the beginning. It attacks nuisance algae at the cellular level, resulting in a clean tank after only 14 days!

Previously known as Algae Buster, Reef Flux is an aquarium fluconazole treatment that is effective against fungal fish infections. To avoid unintended nutrient spikes it should not be used in tanks with Bryopsis or Caulerpa refugiums.

Directions: Turn off skimmer for first 3 days. Activated carbon and phosphate remover can be used after 3 days, but remove other chemical filtration. Empty 1 capsule for every 10 gallons of tank water (20mg per gallon) into high flow area in sump. After 14 days perform a minimum 30% water change. Do not overdose. Filter socks are recommended during treatment in order to help clean the aquarium.

Only for use on ornamental aquariums and fish. Not for human use and not for treating fish intended for human consumption. Keep away from children and animals. In case of accidental overdose, contact a health professional immediately. In case of accidental tank overdose, the medication can be removed using Purigen.


Algae Buster is the only FDA registered reef algae treatment. Please use as directed:

Turn down the skimmer level to below collection cup for the first 3 days to prevent medication removal. After 3 days the skimmer level can be returned to normal to remove the algae and nutrients as it breaks down. GFO or other phosphate removal media can be used, but remove other chemical filtration such as Purigen and activated carbon. Empty 1 capsule for every 20 gallons of tank water into filter sock or high flow area in sump. The powder will take time to dissolve.

Nuisance algae will begin dying after 3-6 days, please do not re-dose for faster results! Most if not all algae will die during the 14-day treatment cycle. After 14 days perform a minimum 20% water change, and if hair algae is still present another dose can be added. Do not overdose. Filter socks are recommended to remove loose algae before it breaks down in order to prevent nutrient spikes.

Only for use on ornamental aquariums and fish. Not for human use and not for treating fish intended for human consumption. Keep away from children and animals. In case of accidental overdose, contact a health professional immediately. In case of accidental tank overdose, the medication can be removed using Purigen.

Contents: 10x capsules marked 'ReefHD FLC-4817'.


Only for use on ornamental aquariums and fish. Not for human use and not for treating fish intended for human consumption. Keep away from children and animals. In case of accidental overdose, contact a health professional immediately. In case of accidental tank overdose, the medication can be removed using Purigen.



Frequently asked questions:

What is Algae Buster and how does it work?
Algae Buster is a fluconazole-based additive that attacks nuisance algae at the cellular level. The algae species affected by Algae Buster contain ergosterol, a sterol similar to cholesterol in humans that maintains cell wall integrity. Algae Buster prevents the conversion of lanosterol into ergosterol, which essentially "melts" the algae by compromising the integrity of its cell walls.

What kinds of algae does Algae Buster treat?
Algae Buster treats many kinds of saltwater nuisance algae, most notably the invasive Bryopsis, Caulerpa, and green hair algae species that consume tanks and smother corals. Algae Buster does not affect Valonia species, also known as bubble algae. In general, any hair algae that is starting to become a nuisance can be treated by Algae Buster.

We are currently experimenting with different algae species to create a comprehensive list, and welcome any photos you may have of Algae Buster affecting different species of nuisance algae.

Can Algae Buster harm my corals, including sensitive SPS?
No, Algae Buster is 100% reef safe including sensitive Acropora corals. In fact, it is the most effective way of removing nuisance algae that is overtaking and killing SPS corals, something typically seen with Seriatopora and Pocillopora species in tanks with lower flow or high levels of phosphates.

As those with reef systems know, nothing grows algae faster and more tenaciously than sections of dead coral on a colony that is still alive. In the past, the recommended treatments have been manual removal, fragging, and aggressive phosphate and nutrient removal in an attempt to slowly kill the algae. This can negatively impact corals, including SPS, by minimizing the available nutrients in the system. With Algae Buster you only need to dose once and then watch as your SPS and other corals start to flourish again.

We do recommend using a filter sock and cleaning it regularly to prevent fluctuations in phosphate and nitrate levels as the algae breaks down.

Does Algae Buster affect Chaetomorpha or Caulerpa refugium algae?
Algae Buster does not affect Chaetomorpha as well as most if not all decorative algae species. Chaetomorpha can be left in the refugium as normal during treatment.

Algae Buster does kill Caulerpa species, so Algae Buster should not be used in a system with a Caulerpa refugium. We have not tested Algae Buster on all decorative algae, but so far it has been noted to only kill nuisance algae.

Will Algae Buster harm my saltwater fish or invertebrates?
Algae Buster is reef safe for fish and invertebrates as long as it is dosed correctly. Dosage for fish treatments is much higher than the Algae Buster dosages for treating nuisance algae, so you can rest assured your livestock will be unaffected.

Can Algae Buster affect my nitrates and phosphates?
As nuisance algae dies, it adds nutrients into the water column if it is not removed first. Although this is not generally an issue for tanks with normal algae outbreaks, it is why we recommend using a filter sock and cleaning it regularly when treating with Algae Buster. In systems with large algae outbreaks it is a good idea to manually remove as much algae as possible before treatment to avoid nutrient spikes as the algae dies off.

I dosed Algae Buster and nothing is happening, should I add more?
Do not re-dose Algae Buster sooner than 14 days after the initial dose. While results of Algae Buster are usually seen within 3-6 days, in some tanks it can take up to a week until algae begins dying off. Caulerpa species in particular can take more time.

Does Algae Buster affect freshwater algae?
We have not tested Algae Buster in any freshwater environments.

Does this seem like a lot of packaging for 10 capsules?
We received feedback from stores while developing Algae Buster, and many had shoplifting concerns with smaller packaging sizes. Another issue is that for legal reasons due to being an FDA registered product there is necessary information on the label that needs to be legible. As a result the packaging size was adjusted to fix any concerns.

Is Algae Buster FDA approved?
Algae Buster is FDA registered, but it has not been approved by the FDA. The terms FDA registered and FDA approved are frequently confused; FDA approval means that a product has gone through a lengthy and expensive process to have the FDA approve their product. This costs millions of dollars and for that reason is generally done by pharmaceutical companies. FDA registration means that Algae Buster and our establishment are registered as a product that uses a drug that has been approved for other uses by the FDA but not approved for its current use as an aquarium algaecide. FDA registration does not in any way denote approval of the establishment or its products by FDA.

This does not affect the functionality of Algae Buster, but we hope it clears up some confusion regarding the terminology.

海外のQ&Aサイトは日本のそれと似たような、おかしな解答があって面白い。
フルコナゾールやマグネシウムレベルによってトロロ藻を撃退したとしても、トロロ藻発生の要因を取り除かなければ、再びトロロ藻が発生するなどと書かれていた。

トロロ藻が何もないところから湧いてくるならともかく、フルコナゾールやマグネシウムレベルによってトロロ藻自体を枯らしてしまう場合、水槽内にトロロ藻がなくなるのだから増えようがない。

勿論外部から持ち込めば再び水槽内で繁殖するが、それはフルコナゾール等とは無関係な話である。
白点病などは、魚の免疫力などによって白点中が(水槽内に)居たからと言って必ずしも発症するわけではない。
これと同一視している人がいる。

REEF FLUXと共にFlux Rxも入手した。

Flux Rxはカプセル状ではなく、粉末である。
1箱は2g/100ガロン用と書かれている。

フルコナゾールやテルビナフィン(共に真菌治療薬)に関して、以下の記事があった。

I was looking up some studies and found this paper on fluconazole and terbinafine (both antifungals) against a freshwater monocellular algae Pseudokirchneriella subcapitata. They found terbinafine to be highly toxic to the algae. The concentration to inhibit growth by 50% was 90nM, or ~0.1mg/gallon. Fluconazole turned out to be much less toxic. The concentration to inhibit growth by 12% (max concentration tested in the study) was 100uM, or ~116mg/gallon. This is almost 6x the dose I put in, and it's only 12% effective (against this supposedly very sensitive freshwater algae.) So maybe the dose ceiling for fluconazole can be far higher than what we have tried?

テルビナフィンが藻類の成長を50%阻害する濃度は約0.1mg/ガロン、フルコナゾールの場合は成長を12%阻害する濃度が約116mg/ガロンだったとある。
この結果からするとフルコナゾールの添加量は、規定の10倍(それでも生長阻害は12%)以上が必要になる。

フルコナゾールを添加してみる

まずは添加量をどうするかだ。
魚病治療濃度よりも濃くしなければいけないという記事はあるのだが、2倍から10倍と幅がある。

フルコナゾールは魚病治療薬であり、藻類のある水槽に使用してはいけない。
何故なら藻類が枯れる恐れがあるからだと書かれているものがあるという。
この行間を読めば、藻類を枯らすことが出来るよとなる。

水槽水の容量は230リットルくらいだと思うので、標準添加量だと6カプセル(227リットル分)となる。
Flux Rxの説明書によれば、100ガロン辺り2gを添加するとなっている。
REEF FLUXの場合も同様で、1カプセル辺りが200mgなので10カプセルで2gになる。
どの位添加しようか悩んだのだが、REEF FLUX1パッケージ全ての10カプセルを投入した。

フルコナゾールは水に溶けにくく、粉として浮いてしまう。
水流のある場所に入れておけば、やがて溶ける。
ソックスフィルタの中に入れておけば溶け残ったものがサンプや水槽に運ばれないが、水槽やサンプに直接入れると問題かも知れない。

溶け残りを気にするならば、フルコナゾールを予め海水で良く溶いておき、それをサンプ槽なり水槽に注入すれば良い。
ただ溶けるのに時間がかかると言うことは、そのまま添加すると徐々に濃度が上がることになり、それはそれで好ましい。

10カプセル添加の翌日、水槽の生物に何事も起きていないことを確認し、更に10カプセルを添加した。
これによって規定量の約3倍を入れたことになる。
これが手持ちの全てであり、更に濃度を上げるならば米国Amazonから買わなくてはいけない。

今回の実験にあたり、REEF FLUXとFlux Rxを2箱ずつ購入した。
このREEF FLUXの2箱分全てを添加した。

フルコナゾール添加と同時にリン酸吸着剤の入っている外部フィルタは運転を止めた。
スキマーは溶存酸素量確保のために最小出力で動作させるも泡が上がってしまうので、エア量も絞って対処した。

フルコナゾール添加時の固着トロロ藻の様子は以下だ。

フルコナゾールの添加により藻類が枯れるとリン酸塩値や硝酸塩値が上がると書かれている。
リン酸に関しては吸着剤フィルタへの通水を止めているので、下がる要素はない。
硝酸塩値は添加前の5ppmから添加3日目には10ppm以上にまでなったが、NO3:PO4-Xの添加により5ppm程度まで戻した。

フルコナゾール添加72時間後からスキマーや吸着剤の使用が再開できる。
約80時間後にスキマーを再開させると、ミニマムパワーでも泡がどんどん上がった。
スキマー停止時間が長かったので、水に汚れが溜まっただろう。
最初はかなり乾いた泡が上がり、その後通常どおりとなった。
スキマーに溜まる汚水は緑色をしている。

リン酸塩値は0.08ppmまで上がっていた。
活性アルミナ系吸着剤は、加熱再生後にスキマーと同時に使用を再開した。

フルコナゾール添加から1週間が経過した。
トロロ藻の様子だが、見た目に変化は無い。
ただトロロ藻を引っ張ってみると、ライブロックから簡単に外すことが出来た。
強固だった活着力が弱まっている。
だからといって(今のところ)自然に外れるわけではない。
ヤドカリたちも食べようとはしていない。

2週間後の様子である。
活着力は弱まり、触っただけでライブロックからもが外れるのだが、勝手に消滅するわけではない。

3週間が経過した。
活着性トロロ藻は多少減っている感じはするのだが、フルコナゾールの影響なのか生物が食べているのかハッキリしない。
Flux Rxを試したいのだが、あと1週間待ってみようか。

4週間が経過した。
活着性トロロ藻は、当初よりは減少した感じはするが消滅してはいない。
写真を見比べると3週間目より増えている。

ここで2nd Doseである。
Flux Rxを添加する。
添加量は規定の約3倍、4gとした。
フルコナゾールは水に溶けにくい。

Flux RxはREEF FLUXとは異なり、カプセルは入っていない。
容器に粉末として存在している。
ちなみに人間用のフルコナゾールの方が多少安価で、150mgカプセル20個入りで3千円前後である。

Flux RxとREEF FLUXの水槽添加時の違いだが、Flux Rxはスキマーの泡の上がり方がREEF FLUX程ではない。
モータ出力の制御だけでオーバスキミングを防げる。
REEF FLUXはモータパワーを落としても、どんどん泡が上がってきてしまっていた。
スキマーはエアレーション用として、パワーを落として稼働させておく。
リン酸吸着剤フィルタは止めた。

スキマーの泡の上がり具合の違いだが、フルコナゾールに含まれる添加剤の違いかも知れない。
例えば人間用のカプセルの場合は、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、含水二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、赤色102号、黄色5号、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン、酸化チタンが含まれている。

別のメーカのものでは、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸が、カプセル本体はラウリル硫酸ナトリウム、黄色5号、青色1号、酸化チタン、ゼラチンで出来ている。

もしも人間用のカプセルをそのまま使っているとすれば、上記のものが含まれる。
なおREEF FLUXは最初はカプセルのままサンプ槽に入れたが、カプセルが溶けなかったので回収した。

添加時のNO3は5ppm程度、リン酸塩値は0.04ppmだった。
NO3上昇に備えてNO3:PO4-Xの添加量を5ml/Dayにセットし直した。

添加48時間後には、スキマーの泡は更に減少した。
フルコナゾールが水槽内で勝手に減る(何かに吸収されたり、何かで分解されたり)か否かは不明だ。

48時間後のNO3は10ppmを超えた。
REEF FLUXの添加時にもNO3は増加した。

pHが少し下がっているのだが、カルクワッサの添加を止めているためか?或いはフルコナゾール添加で下がったのかはよく分からない。
0.2程度の低下なのでさほど気にするレベルでもないし、下がり続けているわけでもない。

Flux Rxを添加すると、ガラス面にコケが着かなくなる。
添加6日目の硝酸塩は5ppm、リン酸塩は0.04ppmだった。
硝酸塩もリン酸塩値もさほど低くはないのだが、全くと言って良いほどコケが付かない。
フルコナゾールはガラス面に着くコケも抑制する。
ただし珪藻(茶色のコケ)は繁殖する。
これはカエル魚やヤドカリが食べてくれるので問題はない。

コケは自然に湧き出してくるものではなく、コケの胞子?が生長する。
従ってそのコケの胞子が全滅すれば、水槽内にコケが生える事はなくなる。
天然海水を使ったり新たな魚やサンゴを入れれば、それらに着いた”コケの元”が繁殖する。
しかしコケの元の無い状態が維持できれば、水槽内にコケが生える事はなくなる。

1st Doseではフルコナゾール添加3日目にプロテインスキマーを再稼働させた。
2nd Doseでは、プロテインスキマーは1週間休止させた。
リン酸吸着剤の入った外部フィルタは、(ポリリン酸蓄積細菌実験も行いたいので)1週間経過後も停止させている。
ソックスフィルタにはネバネバしたトロロ藻の枯れたようなゴミが溜まり、ネバネバ成分はサンプ槽の壁面などにも付着、それはまるでダイノスのようだ。

フルコナゾール添加でのトロロ藻撃退では、枯れたトロロ藻を除去するための物理フィルタが必要である。
水槽内に繁殖したトロロ藻が全て枯れて排出されてくると考えれば、それはバカに出来ない量になる。

フルコナゾールの成分がどの程度の時間で自然分解するのか、スキマーによってフルコナゾールが取り除かれるのかは不明なのだが、余り長時間スキマーを停止させておくと水槽内にトロロ藻以外の問題が起きる可能性がある。
フルコナゾール添加から1週間目にプロテインスキマーを稼働させた。
稼働開始2時間程度は大きな泡が沢山上がってきた。
その後は細かな泡となり、通常に戻った。

5週間(2nd doseから1週間)が経過した。
トロロ藻は明確に減少している。
このまま減少傾向が続くのか、それとも復活してしまうのか。
枯れて黄土色になったのものあれば、緑色のままライブロックから外れるものもある。

6週間(2nd doseから2週間)が経過した。
トロロ藻は減少しているが、このライブロックに関しては減少率が下がった感じがする。
しかし他の部分、例えば水流ポンプの電線などに付着したトロロ藻は急速に枯れて無くなった。
ソックスフィルタにはトロロ藻の枯れたもののような、本当のとろろ昆布のようなものが溜まる。
一日に2回ほどソックスフィルタを洗わなければいけないほど、トロロ藻の溶けたようなものが溜まる。
NO3=10ppm PO4=0.06ppmだが、ガラス面には全くコケが付かない。
一方で底砂には珪藻が見られる。
プロテインスキマーは稼働させているが、リン酸吸着剤は使っていない。
硝酸カリウムを添加し、NO3:PO4-Xも添加してリン酸塩を減らそうとしてみている。

7週間(2nd doseから3週間)が経過した。
写真では変化が分かりにくいのだが、他のライブロックの藻類なども含めて殆どが枯れた。
緑色の藻が黄土色っぽく変化し、徐々にライブロックから剥がれてソックスフィルタに引っかかる。
ソックスフィルタにはネバネバした藻の枯れた物が沢山溜まる。
FluxRxを添加して3週間目頃から、明確にこの枯れたトロロ藻は増えた。
緑の藻は残っておらず、黄土色の藻がライブロックに絡まっている状態だ。
時には1日に2回ほどそのネバネバを取り去る必要があるほど、トロロ藻の残骸が溜まる。
ライブロックに付着したトロロ藻の残骸は、水流などを当てるとライブロックから外れて舞い上がる。

ここで大失敗してしまった。
ライブロックを取り出して詳細な写真を撮ろうとしたら、ライブロックが割れてしまった。
このライブロックは枝状のものが固まったような薄いもので、このライブロックで上に乗ったライブロックを支えている。
上に乗ったライブロックを外すようにしながら引っ張ったのだが、途中で折れてしまった。

水中ボンドで修復を試みたのだが、ライブロックが湿っているためにエポキシ系水中ボンドはライブロックに付かなかった。
シアノアクリレート系接着剤も試したが、これもダメだった。

仕方がないので、以前に使っていたライブロック(天日干ししたもの)に交換、折れたライブロックはその横に立てかけた。

白いものが新たに入れたライブロック、その左側がこれまで写真を撮っていた、途中で折れてしまったものだ。
水槽からいったん出したので、付着していたトロロ藻の枯れた残骸が水中に舞って取れてしまった。

このライブロックだけではなく、他のライブロックに付いたトロロ藻も水流ポンプの線に付いたものも、全て黄土色に枯れている。
自然に剥離するにはもう少し時間がかかると思うが、スポイトなどで吸い取る事は容易だ。

Flux Rxの添加から3週間ほどを要するものの、活着性トロロ藻を全滅させる事が出来た。
ガラス面にも全くコケが付いておらず、緑藻の胞子自体が消滅したのではないかと思う。
天然海水を使っているので、やがて又コケの元は持ち込まれるだろう。

3週目以降は特に、枯れたトロロ藻の残骸がソックスフィルタを詰まらせる。

オーバフローボックス内部にも枯れたトロロ藻は絡まる。

プロテインスキマーにも多くの廃液が溜まる。
NO3:PO4-Xの添加もあり、NO3=5ppm、PO4=0.03ppm程度で安定している。
換水は来週か再来週にしようと思う。
枯れたトロロ藻の排出はもうしばらく続くと思われる。

8週間(2nd doseから4週間)が経過した。
FluxRxの添加から4週目で、全てのトロロ藻は枯れて9割程度は排出された。
ライブロックを割ってしまったので写真はないのだが、枯れたトロロ藻の殆どは水槽から消えた。
ライブロックのスキマなどに残骸は多少残っているが、やがて溶けてしまうだろう。
枯れた残骸は、水流を当てれば吹き飛ばす事が出来る。
もはや藻の形をしたものは残っていない。

この時点で換水した。
総水量は230リットル程度で、いつものように180リットルくらいの水を抜いて新しい海水を入れる。
海水は220リットルくらい汲んできているので、残りの40リットルは注水しながら(溢れる分を)排水していく方法だ。
配管その他にトロロ藻の枯れたネバネバが大量に付着していた。
プロテインスキマーやヒーター、サンプ槽も綺麗にした。
またネバネバは付着しているだろうが、それも徐々に排出されるだろう。

今後フルコナゾール添加をどうするかなのだが、換水後に約1gを添加した。
1gは50ガロン(約190リットル)分である。
海外でも実行されている予防的措置で、既にトロロ藻は枯れているので、新たなトロロ藻の発生予防とコケ防止という観点からだ。
とにかくコケが付かない。
1ヶ月以上全く清掃していないのだが、ガラス面には全くコケが付いていない。
換水時に一応掃除はしたが、石灰藻を取っただけという感じ。

プロテインスキマーは1週間停止(エアレーション用程度に作動させておく)する。

 

オキシドールで洗う

頑固に活着している毛足の長い藻は、ホースで吸い出そうとしても無理だ。
活着力が強いので藻を引き剥がす事が出来ない。
毛足が長く、ヤドカリも殆ど食べてくれない。
ライブロックを取り出してブラシで洗浄しても、藻を取り去る事が出来ない。

これは歯ブラシで擦った状態だが、歯ブラシで擦ったくらいでは藻は剥がれない。
このまま水槽に戻せば、何事もなかったかのように藻は水流にたなびく。

そこでオキシドールを振りかけてみる。
オキシドールを振りかけ、暗所に放置し、更には天日干ししろと海外のサイトにはあるが、これでは付着生物などが死んでしまう。
オキシドールを振りかけてブラシで擦れば泡が立つが、そのまま水槽に戻せばこれまた何事も無かったようになる。

オキシドールを振りかけてしばらく時間をおくとか、1リットルの水に対して100ml程度のオキシドールを入れた中に数時間浸けておくとかしないと、完全に消し去る事は出来ない。
だったら煮沸してしまえば良い話なのだ。

そこでオキシドールを振りかけて数分待ち、その後ブラシで擦り、水洗後に水槽に戻してみた。
藻は取り去る事が出来ないので、ライブロックを水槽に戻せばゆらゆらとたなびく。
しかし翌日になると藻は綺麗になくなっていた。
夜間にエビやヤドカリがこのライブロックに群がっていて、どうやらオキシドール処理をした藻は美味しかったらしいのだ。
まさに寄って集って食べてしまったのである。
更にはヤエヤマギンポまでがオキシドール処理をしたトロロ藻に食いついている。
強固に付着したトロロ藻をオキシドール処理すると、味が珪藻(茶コケ)のようになるのだろう。

ならばブラシで擦らずに、オキシドールを振りかけて5分ほど放置し、そのまま水槽に戻したらどうなるか。
これも水槽に入れるとヤドカリが集まってきて、数時間で藻を食べ尽くしてしまった。

下の写真は過酸化水素水処理前の状態である。
この藻は吸い出せない、活着の強いものでありヤドカリは殆ど食べない。

次に過酸化水素水をかけて5分ほど放置し、ブラシで擦らないまま水槽に戻した。
するとヤドカリが集まってきて、数時間で藻を食べ尽くしたのである。
何がどう変化するのかは分からないが、過酸化水素水処理をしたトロロ藻は余程美味しいらしい。
ヤドカリだけではなく、フォックスフェイスもつつきに来ていたしエビまでもが集まってきた。

取り出し可能な全てのライブロックを過酸化水素水で洗えば、あとはヤドカリパワーに委ねるのみだ。

水槽水にオキシドールを添加するとどうなるかだが、奇しくも2020年の白点病治療の際に水槽水の推定過酸化水素水濃度を20ppm位まで上げていた。
しかしトロロ藻の減少は見られなかった。
20ppmの過酸化水素水濃度を得るためには、公称240リットルの水槽水に対して150ml以上のオキシドールを入れる事になる。
しかし20ppmの濃度ではトロロ藻は減らなかった。
従って水槽水に直接過酸化水素水を添加するのは現実的ではない。

では水槽の中のライブロックにオキシドールをかけたらどうなるか?
かけると言っても50ml程度をシリンジに入れて、根元(根があるかどうか知らないけれど)に注入してみた。
50mlのオキシドールを2cm2位の範囲に、3分ほどかけてゆっくりかける。
オキシドールは冷蔵庫で冷やしておき、多少でも重くしようかと思ったが、元々比重が1.01程度しかないので海水中では浮いて(上昇して)しまう。
時間をかけて少量ずつオキシドールを藻にかけると、藻に気泡が付き始める。
少し時間が経って気泡が消え始める頃になると、ヤドカリが藻を食べに来る。
スポット的にトロロ藻を撃退するのであればこの方法も使える。

過酸化水素水を直接藻にかける場合、水槽水の過酸化水素濃度が上昇する。
これによる害を避けるため、水槽内やサンプ槽にカーボン吸着剤(活性炭)を入れる事が推奨される。
カーボン吸着剤はオゾンや過酸化水素を急速に分解する。

確認したわけではないが、 CHEM-MARINのストップ ヘアーアルジーはオキシドール系のものではないかと思われる。
使用量は水槽水量100リットルあたり75mlとなっている。
水槽内のライブロックなどに、スポイトなどで直接かける。
製品の時期によって異なるが、黒っぽい色のものとブルーのものがある。
増粘剤か何かが入っていて、藻類にからまるようになる。
さすがに高額すぎて使ってみようという意欲が湧かないのだが、それなりに効果はあるという。

食品添加物としての増粘剤にカラギナンがある。
海草から抽出されたネバネバで、70℃以下では粘性となる。
オキシドールにカラギナンを混合すれば、海水に溶ける事なく藻に留まると思われる。

 

結局何が有効だったのか

×マグネシウムレベル上昇による、活着性トロロ藻撃退は出来なかった。
フルコナゾール添加1回目(REEF FLUXを規定量の3倍添加)はあまり効果が無かった。
フルコナゾール添加2回目(Flux Rxを規定量の3倍添加)では明確な効果が見られた。
ヤドカリはトロロ藻はよく食べるが、活着性のトロロ藻は殆ど食べない。
活着性トロロ藻をオキシドール処理すると、ヤドカリはそれを全て食べ尽くす。

リセットなどを行わず、ライブロックにも手を触れずに、いかにトロロ藻を減少させる事が出来るのか。
リセットするとかライブロックを処理するとかであれば話は早い。
しかし現状の水槽環境に出来るだけ手を加えずにトロロ藻を減らすにはどうする?

数の力だとは思うが、生物の中で最も効果的だったのはホンヤドカリである。
繰り返しになるが、ホースで吸い出せないような強固に付着したトロロ藻的なものは食べてはくれない。
Reefer250の水槽に100個以上、3~5mmの超小型ヤドカリを入れれば200個くらい、いや200個は大げさかも知れないが、結構な数が入っている。
その中のホンヤドカリが主にトロロ藻をどんどん食べていく。
ヤドカリの大きさによっても入れる個数は変わってくるだろうが、100個以上は必要だ。
ホンヤドカリ以外のヨコバサミもトロロ藻を食べるが、採集してきたヨコバサミは小さい事などもあり、ホンヤドカリにはかなわなかった。

ウチでは1cm前後のホンヤドカリと、5mm前後のヨコバサミ、その他サンゴヤドカリなどを入れている。

ヤドカリを入れるとトロロ藻を食べ始める。
最初は30個くらい入れたと思う(数は数えていない)が、トロロ藻の減少に気をよくして、どんどん追加した。

ウチでは感じなかったが、トロロ藻がカルシウムや栄養塩を吸収している説からすると、トロロ藻を無くすとカルシウム値の減少が穏やかになり、リン酸塩や硝酸塩の値が上がる事になる。

トロロ藻にヤドカリが集まり、どんどん食べていく。
下の写真の右側は毛足の長い藻で、これはヤドカリが余り食べない。
全く食べないわけではないが、ライブロックに強力に活着しているためか、ヤドカリパワーを持ってしても中々減ってくれない。

しかし毛足の長い藻も徐々に減少し、毛足の長い藻があった部分が少し緑色になっている程度の状態になった。
活着力の強い藻はヤドカリは食べないが、それ以外であれば徐々に減っていく。

分かりにくいかも知れないが、マメスナの位置から判断して頂きたい。

サンゴヤドカリやヨコバサミは明るい所が好きではないようで、照明点灯時間にはライブロックの影に隠れるようにしている。
ホンヤドカリは明るい所でも活動する。

ヤドカリがトロロ藻を食べる、そう聞いてどんなヤドカリが食べるのかと聞き返す人は少ないだろう。
一方で魚がトロロ藻を食べると言えば、どんな種類の魚かと聞かれる。
魚に種類があるようにヤドカリにも食性の違うものが居るわけで、トロロ藻をよく食べる種類を水槽に入れなければ、当たり前だがトロロ藻は減らない。

私がホンヤドカリを入れたのはたまたまで、磯で採取してきたものを入れてみたのである。
ちなみに検索してみても、ホンヤドカリのトロロ藻食性に関する記事はヒットしなかった。
もしもこの記事が参考になるとすれば、ホンヤドカリによるトロロ藻撃退の記事が増えるかも知れないし、○○産のホンヤドカリはトロロ藻を食うとか、△△で採集したホンヤドカリは働きが悪いみたいな情報が出てくるかも知れない。
ホンヤドカリはどこにもでいる種であり、地味な外観もあって積極的に飼育するようなものでもない。
ショップで売られているヤドカリの多くは、色や柄の綺麗な南方起源の種だ。
ホンヤドカリは北方起源の種であり、南方起源の種とは祖先が異なる。
ショップでは売られていたいこともあり、あえてホンヤドカリを多数水槽に入れてみようなどとは、普通は思わないだろう。

元々水槽にはサンゴヤドカリやマダラヨコバサミを入れていた。
イソヨコバサミやマダラヨコバサミもトロロ藻を食べるが、マダラヨコバサミを50個程度水槽に入れても、トロロ藻が目に見えて減るような事はなかった。
しかしホンヤドカリを50個ほど入れると、見て分かる程度にトロロ藻が減っていった。

生物をトロロ藻に集める

ヤドカリやエビが何故餌に集まるのか。
臭いが分かるのか?何かが見えているのだろうか?
美味しそうなものに集まると言う事は、それが美味しい何かであると判断できるからだ。
ヤドカリやエビがトロロ藻に集まらないとすれば、トロロ藻が美味しそうな何かを発していないからである。
ならばと言う事で、グッピーの餌(たまたまウチにあった中で最も細粒だった)を海水と混ぜ(溶けない)トロロ藻にスポイトで振りかけた。
するとヤドカリは一斉にトロロ藻に集まったのである。
ヤドカリばかりではなく、エビ、普段は姿を見せないサンゴモエビまでもが集まった。
フォックスフェイスもトロロ藻をつついている。

トロロ藻の中のグッピーの餌を食べているだけなのか、トロロ藻も一緒に食べているのかはよく分からないが、トロロ藻の上がヤドカリだらけになるのは面白い。

ヤドカリが全てなのか?

トロロ藻をよく食べるホンヤドカリにしても、20個程度入れただけでは効果が無い。
90cm水槽に100個以上のホンヤドカリを入れれば、トロロ藻は減るだろう。
ではアシナガモエビを100匹入れたらどうなのか?
フシウデサンゴモエビを100匹入れたらどうなるのか?
たぶんトロロ藻は減ると思うが、私はやってみたことがない。
ようするにヤドカリは沢山入れてみたことがあるが、他の生物を沢山入れたことがない、それだけである。

タカラガイだって5,000個くらい水槽に入れたら、トロロ藻はなくなるかも知れない。
少ししかそれを食べない生物だったとしても、沢山いれば総量は多くなる。
だがトロロ藻を食べない生物を1万匹入れたってトロロ藻は減らない。

トロロ藻が少しでも残っていると、それが又繁殖をはじめる。
従ってトロロ藻がなくなるまで、徹底的に排除すべきなのだ。
その点で行くとヤドカリだけではダメな部分、例えばガラス面だとかオーバフロー管だとかは貝に食べて貰うしかない。

90cm規格水槽であれば、1cm前後のホンヤドカリ100個以上+5mm前後のホンヤドカリ50個以上+ターボスネールかシッタカを20個程度入れれば、トロロ藻は絶滅に向かって行くはずだ。
勿論水槽環境などそれぞれなので、もっと少ない生体でいい場合もあるだろうし、逆にトロロ藻が中々減らないケースも考えられる。

トロロ藻やハネモの繁殖能力と、ヤドカリがそれらを食べる速度のバランスだ。
なおウチの場合は相当量のトロロ藻があり、換水時にはホースで吸い出すなどして掃除をしていた。
排水口にも水流ポンプにも、これでもかと言うほどに藻が生い茂っていた。
その状態のまま、ヤドカリを放り込んだのである。

一つ言えることは、腹を減らしたヤドカリほど効果が高いと言うこと。
私はやったことは無いが、プラケースなどを水槽に入れてヤドカリを隔離し、空腹状態にしてから水槽に放つと効果が高いと思う。
ただし極限状態まで腹の減ったヤドカリは、共食いする事もあるらしい。

トロロ藻の繁殖力とヤドカリパワーのバランスなのかも知れないが、いったんトロロ藻が減り始めると、安定的な減少に繋がっていく。
すなわち、それまでは水流ポンプだろうがその電線だろうが、所構わずどんどん付着し増殖していたものが、トロロ藻が減少に転ずると付着しなくなる。
トロロ藻やハネモの親株が減るので、増殖率が減少するのか。

ライブロックをブラシで擦ってトロロ藻を取ったとしても、それを水槽に戻せばすぐに又元通りにトロロ藻が生えるくらいの繁殖力なのに、ヤドカリはそれも阻止している。
ヤドカリを入れて1ヶ月ほどになる現時点で未だ藻は残っているが、ライブロックに活着したような、ホースで吸い出せないタイプの藻である。

これは強固にライブロックに着いていて、海外の記事では毛抜きで引き抜くとか、オキシドールをかけると書かれていた。
見た目はトロロ藻に近いが、もっと毛足の長いHair Algae系とでも言えば良いだろうか。
これもヤドカリと貝が食べてはいるが、活着力が強いからなのか減り方が穏やかでしかない。
減少はしないが増殖もしないので、もっとヤドカリを増やせばこの厄介な藻も減ると思う。

そこでエビを戦力に加える事にした。
アシナガモエビよりも少し大型のフシウデサンゴモエビである。
アシナガモエビは以前に水槽に入れた事があったが、10匹程度ではあまり役には立たなかった。
フシウデサンゴモエビも20匹ほどなのでヤドカリほどのパワーは発揮しないが、トロロ藻を食べている。
ただしフシウデサンゴモエビを入れた時点でトロロ藻の大部分は姿を消し、活着力の強い藻が残っている状態だった。
活着力の強い藻に関しては、観察中である。

この活着力の強い藻は手で引っ張ると途中で切れてしまい、根の部分まで取る事は出来ない。
ヤドカリは取ると言うよりも、藻の根元を切る。
ソックスフィルタには切られて流れてきた藻類が溜まる。
いずれにしても、この活着力の強力な藻は中々減らせない。

ライブロックが取りだし可能であれば、オキシドール処理を行い水槽に戻せばあとはヤドカリに任せられる。
取り出しが難しい場合はフルコナゾールに頼る事になる。

トロロ藻が絶滅した後はヤドカリやエビが腹を減らすので、クリルや沈下性の餌を与えなければいけない。
ヤドカリを水槽から出してしまうと、再びトロロ藻が増えてしまう可能性がある。
トロロ藻だけではなく固い海藻なども食べてくれるので、見栄えを許すことが出来るのであれば水槽に入れっぱなしが良い。

ウチではアラカルト(A la Carte)を与えている。
これは海藻などを乾燥させたもので、草食性の魚も良く食べる。
海水に浸してから水槽に入れないと浮いてしまい、ヤドカリに行き着く前に魚が全部食べてしまう。

海外の記事を見てみる

海外でのトロロ藻撃退に関して、まずは水槽にそれを持ち込まないことだと書かれていた。
以下はその記事の内容の意訳だ。

ライブロックやサンゴに付着してくる場合があるので、ライブロックは極力使わず、珊瑚に関しては可能な限り観察をしたりトリートメントを行う。

水槽にトロロ藻が増えてしまったら、まずは付着したものを取り出して洗う。
トロロ藻をブラシで擦り、残っていると思われる部分は過酸化水素水を吹き付ける。
そのままそれを乾かし、数日間暗所に置き、それから水槽に戻す。

化学的な処理は物理的な対策よりもずっと簡単だが、慎重に行う必要がある。
化学的処理はマグネシウム濃度を上昇させることで、毎日少しずつ(25ppm~50ppm)上昇させて、最終的に1600ppm以上にする。
この状態を2~3週間続けることによって、トロロ藻は減少する。

もう一つの効果的な武器が、最も驚くべきものになる。
フルコナゾールを使う方法だ。
さまざまな魚の病気の抗菌薬として、伝統的に使用されてきたこの薬の独自の適応外使用を発見した。

1.フルコナゾールを添加すると硝酸塩値が上昇するので、最初に換水を行う。
2.200リットルあたり1gのフルコナゾールを14日間添加し続ける。
3.光が多い方が効果が上がるので、可能であれば照明数を増やす。
4.最初の3日間はプロテインスキマーのカップを取り外し、エアレーション用として使う。

フルコナゾールの添加は、マグネシウムレベルの上昇維持と同じように効果的だと書かれている。
しかしマグネシウムレベルを上げても、活着性トロロ藻は減少しなかった。
フルコナゾールは2回の添加が効いたのか、或いはFlux Rxが効いたのかはハッキリしないが、いずれにしても活着性トロロ藻を枯らすことは出来た。

追記:トロロ藻再発が明確になる

トロロ藻が撲滅出来てから2ヶ月弱が経過した。
トロロ藻のカスなどもほぼ排除され、水槽は綺麗な状態になっていた。
しかしライブロックの一部には緑藻が見られ始め、それが徐々に毛足を長くしている。
藻が育っている状況なので、ヤドカリはこれを食べていないか食べる速度が遅いわけだ。
通常のトロロ藻はヤドカリが食べるので、これは活着性のものだと思われる。

このライブロックは天日干ししてあったものを水槽に入れたので、トロロ藻の”元”は付着していない。
しかし現状ではトロロ藻的なものが生えている。

他のライブロックなどにも藻が付き始めた。

どうにもならない状態となり、リセットを敢行した。

今回試さなかったことに、pHを上げて藻類や海藻類の光合成を阻害する事がある。
pHを8.6~8.7にすることで、藻類や海藻類は水中の二酸化炭素を吸収出来なくなり、光合成が阻害されるのではないかと思う。
実は過去に、冬場にトロロ藻が減少したことがあった。
冬場は湿度が下がるので水槽水の蒸発が多くなり、それを自動補充するためにカルクワッサの添加が多くなる。
するとpHは上昇気味となり、結果としてトロロ藻が減ったのではないかと推定出来る。

しかし今回の様々な対策は春先から夏にかけて行っており、pHを上げるのが難しい。
水酸化ナトリウムの添加にしても、水酸化ナトリウム水溶液を入れたのでは比重が下がる。
水酸化ナトリウムの粒を入れると、その周辺ではカルシウムの沈殿が起きる。

水酸化カルシウムや水酸化マグネシウム粉末を直接サンプ槽に入れることでpHは上がるのだが、溶解度が低いので上昇率があまり期待出来ない。


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