EVのバッテリーには経年劣化がある。
EV派から言わせれば劣化など微々たるものであり、エンジン寿命より余程長いとなるが実際にはそうではない。
車の使い方や充電の仕方、車両保管場所の温度などによって劣化度合いは大きく異なる。
EV派にしてみれば劣化が大きいのはそれらの状態の悪い例であり、通常は殆ど劣化しないと思いたいはずだ。
テスラに関してはデータが沢山あるので、平均を取る事は出来る。
ただしそれぞれの使い方が同じではないので、平均を取る事自体に大きな意味はない。
検索してみると、A氏の約4.8万km走行したモデル3のバッテリーは9%劣化したという。
B氏は16万kmの走行で22%の劣化率だったと書いた。
C氏は3.2万kmしか走っていないのに、既に1割の容量が失われているとした。
60万km走行で6割劣化したというPostもあった。
テスラ自身は最初の1年で10%劣化するとしているらしい。
I believe Tesla publicly states the battery degrades about 10% in the first year and then 2% every year after. I might be wrong
殆ど劣化していない、航続距離の表示も余り変わっていないという人に対しては、正式な残容量のテストを行わない限り正確には分からないとコメントが付いている。
車両で見る航続距離や残量表示は、よく言えば誤差があり、悪く言えば誤魔化しがあるとも書かれていた。
満充電時の航続距離が400kmと表示されていても、SOC50%の時の航続距離は200kmにあらずという事だ。
テスラはLFP化を行っていて、従来より劣化しにくいと言っている人もいる。
5万km走行で8%しか劣化しないと書いている人に対して、NMCの車両は8万km走行で17%容量が減ったから長寿命だと書いている人もいる。
これが有意な違いなのか、使用条件によるばらつきなのかは不明だ。
LFPは低温時に内部抵抗が上昇するので、寒冷地での使用ではバッテリー劣化が早まる可能性がある。
リーフの場合は10万km走行でのバッテリー劣化度は1割~2割だとの事。
テスラはリーフより高度なバッテリーマネジメントを行っているが、バッテリー寿命としてみると同程度なのかも知れない。
低温時や高温時の充放電はバッテリーの寿命を短くするので、テスラはバッテリーの温度管理に力を入れている。
しかし温度を適正にするためには時間が必要なのと、温度管理のために電力を消費してしまうので、温度管理機能自体をDisableにする(航続距離が伸びる)人もいるそうだ。
一方でリーフはバッテリーの温度管理は積極的に行っていないわけだが、両車で劣化率に余り差がないのは面白い。
充電時のバッテリー温度管理は適切に出来るが、放電時には温度管理がほぼ出来ない。
都市部では停車と発進回数が多く、発進時にはかなりの電流が流れる。
ゴーストップの多い都市部では劣化が進みやすいとも言われる。
ここは山なので高負荷運転の連続になる。
山を下りる時には回生による急速充電が起きる。
こうした使用状況でも、通常の使用に比較してバッテリーの劣化は早まるはずだ。
BYDのメガワット充電では、バッテリーの温度が75℃を超えるそうだ。
これはLi-ionバッテリーの使用温度範囲の上限である35℃以上であり、中国のLFPバッテリー標準勧告案で規定する65℃をも大きく超えている。
BYDのHanLは83.2kWhのバッテリー容量なので1MWの充電では12C以上の電流が流れ、バッテリーの温度が急上昇する。
EVでは車両の加速時には5C~7Cの放電を行うので、バッテリーの温度は局部的に上がっていて、放電時と充電時のバッテリーに対するインパクトは似たようなものだ(だからBYDの急速充電に危険はない)とする論もある。
中華EVで購入後少しすると加速を悪くする「鎖電」疑惑があった。
バッテリー寿命を延ばすために、出力制限を行うというもの。
これは中国に限った話ではなく、2021年にはテスラが、2025年にはBENZが出力制限を行ったのだとか。
そういえばAppleもiPhoneで同じような事をやっていたっけ。
日産は8年又は16万kmのどちらか短い期間内に、バッテリー容量が規定以下まで減少した時に保証を受けられる。
テスラの場合は8年又は16万km(或いは19.2万km)のどちらか短い期間内に、バッテリー容量が7割以下になると保証を受けられる。
テスラではバッテリーの無償交換例があるが、劣化よりも故障が多いそうだ。
日産の場合もテスラの場合もバッテリーは新品交換されるのではなく、リビルド品で残容量を規定以上にしてくれる。
自腹で新品交換も出来るがリーフの場合で100万円前後、テスラの場合は200万円~300万円(含工賃)が必要になり、自動車自体の残価を上回ってしまう。
ざっくりと10万kmで8割、20万kmで6割の残容量と言ったところか。
残容量が減ると相対的に放電レートが上がるので、バッテリーの容量減少率以上に航続距離が短くなる。
このあたりはリーフの例を見れば分かる。
EVはバッテリー問題もあるが、まだまだ過渡期でありリセールが絶望的だ。
新車種は性能が向上して安価になる。
これは車に限らず、PCにしてもスマートフォンにしても同様だった。
中国でもバッテリー寿命と廃バッテリーが問題化している。
EV推進派の日経もこんな記事を出していた。

世界的なEVブームの終焉で、Panasonicは4680型電池の生産を延期だそうだ。
バッテリーにしてもモーターにしても、需要が減ると価格は上がる。
中華EVではLFPからSIBへ、テスラもLFP採用でコストダウンを行っているが、量産の先取り的に価格競争をしてきたEVメーカだけに、この先厳しさは増すだろう。

Panasonicとテスラの話は度々ニュースになる。
テスラの車両生産数が少なかった頃、Panasonicと共同でEV用のバッテリー開発や製造を行う、いわば運命共同体的なつながりだった。
バッテリーの入手に苦しむテスラに対してPanasonicは納入を計画するも、テスラ社は車輌製造が上手く行かず、Panasonicには出荷予定の電池セルが山積みになる。
Panasonicはテスラ社に出向き、バッテリーユニットの組み付けを手作業で手伝ったそうだ。
そんな時代を経てテスラは成長した訳だが、自動車販売数が増加したEVバブル期に、テスラはバッテリーの自社生産によるコストダウンの方向を向いた。
寝耳に水のPanasonicは保有していたテスラ株を売却したが、後にこれはベストなタイミングだったとも言えるのは、その後業績の低迷時期が訪れたからだ。
テスラは4680セルをPanasonic製ではなく自社生産するとして工場を設立した。

GoogleのAIはこう表示した。



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