Starship

2023年にスターシップとスーパーヘビー(IFT-1,B7)の初打ち上げ実験が行われたが失敗した。
2号機(B9)の打ち上げまでにはかなり時間がかかるだろうと思っていたのだが、7ヶ月後には2度目の打ち上げとなった。
この開発速度というか製造速度は凄い。

ここからは失敗の繰り返しになる。
イーロンマスク氏はトライアンドエラーで機能を修正していく。
日本の場合は綿密な設計を行い、高確率での成功が期待出来なければ発射しない。

2023年10月13日に打ち上げられたIFT-5は、初めてスーパーヘビーを発射台に戻した。
あんなにデカいものを高精度で制御するのは凄い。
スーパーヘビーでは搭載燃料の1割ほどを帰還用に使用する。
従って打ち上げ効率という面で見るとSRBを使用したロケットの方が合理的であり、小さく軽いロケットで大きな衛星打ち上げが可能だ。

スターシップの設計(目標)ペイロードはLEOで150t、ロケット重量が5000tなので3%だ。
サターンVは同140t:2749tなので4.7%になる。
日本のH3は574t:約6.5tなので1.1%と、これは近代ロケットの中でかなり低い。
ただし別の資料では総重量575tに対してLEOペイロードは16t(2.8%)となっている。

下表は宇宙旅行.comより

スーパーヘビーがスーパーヘビーである理由は、燃料使用効率の悪さもある。
ただしコスト効率のみを考えると、ロケット打ち上げに対する燃料コスト割合が低い為、ロケットそのものというハードウエアを回収する事に意味が生まれる。

IFT-1の打ち上げから3年、IFT-14(14回目の打ち上げ)でやっと商用衛星の低軌道投入に成功した。
かつてこれほどまでに失敗を繰り返したロケットがあっただろうか?
失敗続きと言えばホリエモンロケットがあるが、ホリエモンロケットの場合は補充金ビジネスでもあり、商用ロケットとは少し違う。

ホリエモンロケットは2005年頃から計画が始まり、2017年に最初の打ち上げを行うが失敗。
2018年の2号機の失敗、2019年の3号機は高度100kmを超えた事で成功と位置づけたが、単に上空まで上がっただけである。
4号機,5号機は失敗、6号機と7号機は高度100km以上まで上がった。
当初は小型衛星を宇宙に運ぶ事を目的としていたが、後に高度80km~100kmまで打ち上げる事自体を目標と言い直している。
しかし今年になって再度衛星打ち上げビジネスを掲げ、資金調達を行った。

StarShipだが、今回の打ち上げも完全な成功とは言えない。
ブースター(スーパーヘビー)のエンジンは1基が停止し、スターシップのエンジンも1基が停止した。
打ち上げ時には軌道投入を諦める的な見方があったが、何とか衛星を軌道上に投入出来た。
エンジンは初期型からかなり変更されていて、構造の単純化によるコスト低減などが行われている。
従ってエンジン自体のテストも兼ねていると言えばそうなる。

この衛星はStarLink V3で、最大幅は60mを超える(ITmedia)そうだ。
実はStarLinkV2(スマートフォンとの直接通信機能を持つ)はStarShipで打ち上げる予定だったのだが、StarShipの開発が遅れていたためFalconで打ち上げる(衛星本体も小型化した)事になった。
従ってV3が本来の形、と言うよりも時代と共に衛星部分は進化しているが、当初計画より数年遅れて本来の姿が実現した事になる。

大型のアンテナを持つV3はビーム半値角を狭く出来るので、セル半径を小さく出来る。
スモールセル化によって平均通信速度の向上が期待出来る。

StarLink V3衛星は約2t、AST SpacemobileのBluebird衛星は約6tである。
Space Xは今後StarLiunk V3衛星を(Starshipで)60基まとめてLEOまで運ぶという。

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