ダイソンの景気は2022年頃まで良かったが、2024年には従業員のおよそ3割を解雇した。
意識高い系がこぞって買ったダイソンの掃除機だが、ブランド力だけでは価格面や性能面での遅れをカバー出来なかった。
保証期間中のサービス体制は良好なのだが、保証が切れると修理費用は新品購入価格かそれ以上になる。
修理と言っても実際には新品交換なので、日本では修理自体を行っていないのかも。
重く大きく使いづらいと言われ、日本向けにはゴミを溜める部分を小型化したモデルも出した。
それでも重さが大きく変わるわけではなく、3kgにもなる掃除機をぶら下げているのは辛いと評された。
そこで1kgの減量を行った小型タイプを2020年に発売したが、今度は吸引力の不足とゴミを溜める部分の容量が小さいと言われてしまう。

日本製の掃除機に比較すると、色々な点で気が利いていない。
ロングパイプは伸縮機能が無いし、各レバーやボタン類の操作フィールは良くない。
現行モデルは約5年前に発売されたV12/V15なので古さは隠せない。

そしてサイクロン方式からの脱却である。
フィルタ式掃除機はすぐ詰まると言い続けてきたダイソンなので、詰まりやすいフィルタを使う以外になかったのかな。
2025年発売のPencilVacのフィルタは表面積が小さいのですぐに詰まり、エラーになってしまった。
フィルタはメッシュフィルタと、紙製のフィルタが使われている。
日本の紙パック式を参考にすれば、こんな事にならなかったかも。
2011年発売のDC35がコードレス掃除機として、ダイソンにとっての一つのステップだったと言える。
それからは毎年のように新機種を発表し、2021年のV15までに10機種程度(含派生モデル)が登場した。
回転ブラシなどの接続部に互換性を持たせない事によって、本体と付属品の同時買い換えを促した。
日本でも最盛期にはよく売れ、国内メーカもサイクロン方式へのシフトを見せたのだった。
DC35からV8まではほぼ同じ形状だったが、V10では形状そのものを変えた。
これが売上減少の始まりではないかと思う。
デザイン変更による目新しさが欲しかった時期でもあったのだが、形状の変更によって掃除機の吸込み口を水平より上に向けて使えなくなった。
吸込み口を水平より上に向けてしまうと、ゴミパックに溜まったゴミをそのままモータが吸い込んでしまうからだ。
掃除機を下に向けたまま上の方にノズルを向けられるアダプタやフレキシブルパイプを作ったが、徐々にダイソン離れが起き始める。
下はダイソンのサイトの写真だが、このように掃除機の吸引口部分は水平より下に向けなければいけない。

形状変更による吸引力不足をカバーするために、モータパワーを上げた。
するとバッテリー駆動時間が更に短くなってしまったので、バッテリーセルを増やした。
こうした更に重く、大きくなってしまったのだった。
家電評論家とか家電プロレビュアーを自称する人たちは、それまでの絶賛評価を180度変えて「サイクロンはもう古い」みたいな事を言い出したのだった。
こうした世の中の流れもあり、順調なように見えたビジネスにも暗雲が立ちこめる。
そんな今のダイソンを象徴するのが中古価格の下落である。
いずれはiRobotの運命と同じだと言われ、千円程度で買える中古もある。
ダイソン掃除機はゴミ分離が悪く内部に埃が付着する。
それが悪臭を放つようになるので、この頃が買い替え時だ。
2~3年でバッテリーも駄目になるので、タイミングとしては丁度良い。
下取り制度もあって以前はダイソンの新型に買い換える人もいたが、今は新機種も出ていないので紙パック式に戻る人が多く、そこを取り込もうと家電メーカは紙パック式掃除機のラインナップを増やす。
ウチにはV10が2台、他にV6とV8がある。
ダイソン掃除機に見るべき性能は無いが、手軽に使える点は否定しない。
手軽に使えるものを手軽に使うには、掃除をしようと思った近くに掃除機があって欲しい。
と言うことで4台あるのだが、一台をカーポートに設置した。
車掃除用には少々吸引力が足りない(小石を吸い込めない)のだが、手軽さ重視と言うことで。
以前はPanasonicのハンディ掃除機を使っていたのだが、バッテリーがNi-MHでこれが駄目になる。
大電流放電を行うのでセルバランスが崩れメモリ効果によって実容量が減少する。
バッテリーを買い換えてみたのだが、それも意外に早く駄目になった。

このダイソン掃除機はバッテリーユニットを買い換えたばかりで、捨てるのも惜しいので車掃除用にしたのだ。
ダイソンはモデルチェンジの度に吸引力○○倍みたいな、毎年の花粉飛散量みたいな宣伝をしている。
しかし使った感じでは大きな違いはない。
バッテリ電圧が上げられてモータパワーも上げられたのがV10以降なのだが、ではV6と違うのかと言われるとビミョーなのである。
パワーモードをMAXにすればそれなりに吸い込むが、バッテリーの消耗(数分しか使えない)と傷み(セルバランスが崩れて充電出来なくなる)が早まる。
何しろ消費電力が400W以上なので20A近くの電流になる。
それでいて吸い込み仕事量は100Wちょっとなのかな。
サイクロン方式はモーターパワーを2割や3割上げたところで、吸引力自体はほんの少ししか変わらないのかも。
ゴミ分離的には初期のモデルDC45あたりが(フィルタも大きくて)良かった。
V10以降の縦型はゴミ分離が悪いし、ゴミの入る部分が小さい(内部のパーツが大きいのでゴミの溜まる部分が少ない)し、重くなったし、ゴミを捨てるには吸引パーツを外さなければいけないので良いところはない。
まあ中古が安いという点は良いのだが、交換用のバッテリーが少し高い。
V10はトリガレバーの破損が目立ち、V12ではモータドライバの故障が増える。
パワーFETかそのドライバ付近が壊れ、モータがちゃんと回転しなくなる。
これに関しては中華交換用モーターが1万円ほどで売られているのだが、1万円かけて直す価値があるかというと、これもビミョーなのだ。
もしかしたらモータドライバの基板だけも売られているかも知れない。
ちょっと掃除をする時にはダイソンの掃除機を使い、ちゃんと掃除をする時には紙パック式の掃除機を出してくる。
紙パック式だと小石や枯れ葉も吸い込めるので、素早く綺麗に出来る。
車掃除用の紙パック式掃除機は、家の中で使うものと分けているので小石でも枯れ葉でも思う存分吸い込んでいる。
ただし電源を接続したり、ホースを引き回したりの面倒さはある。
新たに車用の掃除機を用意するのなら、水も吸い込めるタイプが良い。
ダイソンの掃除機各部は良く壊れる。
回転ブラシ・ローラヘッドも弱い。
直す事は出来るが、長くは保たない。
ウチでは中華モータユニットを買って交換している。
ただしモータユニットを買うのも、回転ブラシ全体を買うのも価格が余り変わらなかったりするので、その時々に応じてお得な方を買った方が良い。
本体ではプラスチックものの破損がある。
これも中華パーツが豊富に売られているので交換するとか、ジャンクを買ってきて部品取りにするとかすれば良い。
国産掃除機のような耐久性はない。
ACアダプタも壊れる。
ウチでは合計3個壊れた。
これはジャンクを買った時に付属してきたものなどがあるので、駄目になったら交換している。
完全に充電出来なくなる場合もあるのだが、出力が微妙に低下して充電が完了しなかった事もある。
開放電圧が29V(定格は30.45V)しかなく、負荷をかけると更に電圧が落ちる。
二次側のアルミ電解コンデンサの容量抜けか何かかな。
機会があったら分解してみようと思う。

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