オートバックスは中華EVの販売に乗り出す。
これに関しては日経がすっぱ抜いた。
株式会社オートバックスセブンは、2026年5月11日、同日付の日本経済新聞電子版等において報じられた中国自動車大手の奇瑞汽車(チェリー)などとの協業による中国製電気自動車(EV)の日本国内販売に関する記事について、報道された内容の一部は同社が公式に公表したものではないとした。
オートバックスは2027年~2029年に軽自動車規格のEV4車種を発売する事を5月27日に発表した。
日本では軽自動車人気が高く、乗用車販売台数全体の約4割にもなる。
地方では登録手続きが簡単(車庫証明不要など)、譲渡手続きも簡単(印鑑証明など不要)で、維持費が安く小型で扱いやすいことがメリットになる。
中古車店で気に入った軽自動車を見つけ→これくださいと言って乗って帰り→勝手に名義変更をすれば→自分のものに出来る。
軽自動車を売っても儲からないとの声がディーラからは聞かれるのだが、軽自動車の価格上昇もあってディーラの儲けも増えてきている。
一方でメーカはそれなりの利益を乗せるので、十分な儲けがある。
そうした市場を狙うのが中華各社で、中国国内でのEV需要低迷を受けて日本に繰り出してくる。
これはテスラも同様で、EV化の遅れている日本であればまだ売れる可能性があると見ている。
地方部ではガソリンスタンドの減少による不便さもあり、近所の買い物用途で航続距離が短くても問題がなさそうな事もありで、価格次第では中華EVが売れる可能性もある。
オートバックスでも地方をターゲットにすると言っている。
中華EVもピンキリなのでオートバックスが扱うモデルの信頼性は未だわからない。
BYDに関しては日本での販売実績も増えてきていて、テスラより信頼性が高いとの声も聞かれる。
少なくとも価格面に於いて、日本の自動車メーカの脅威になるのは間違いない。
まるで売れない韓国車に比較すれば中国車は売れていて、BYDのEVは2025年に5千台近くが売れたという。
これはテスラ製車両(登録台数推定値)の半数に相当する。
(テスラは販売台数を正式には公開していない)

軽自動車では車室内を広くするために、極限までホイールベースを長くする。
ホイールベースを長くすると構造体の強度が必要になり、更にオーバハングを短くするためには強度の高いサスペンションアームが必要になる。
こうした構造的な難しさに加えて衝突安全性も確保しなければならない。
構造体の強化を行えば車重が重くなり、高張力鋼やアルミを多用すればコストが上がる。
RACCOはフロントオーバハングが未だ少しあるので、この辺りが日本車との差だろうか。

日本のメーカでも海外生産の車両があるが、軽自動車に限れば需要のほぼ全てが日本国内なので、輸送コストその他を考えると中々海外で作るというわけにも行かない。
しかし電力料金の安い国で作ればアルミ部材のコストが下がる。
中国メーカの場合は製造コストの安い中国やベトナムで作るので、原価的にはかなり下げられる。
ただし輸送コストが発生する。
この中華軽自動車は日本だけではなく、小型車需要のある欧州にも持っていくのだとか。
オートバックスは600店舗余りがあるそうだ。
全ての店舗で整備が可能というわけではないだろうが、BYDの66店舗やテスラの38店舗に比較すれば桁違いだ。
テスラの場合は納車スタイルが日本の自動車メーカとは異なる。
駐車場に止められている車を自分で引き取り、自分でキズや不具合の点検を行う必要があるので、50項目くらいのチェックリストが有志によって作られていたりする。
販売コストの最小化というか過合理化というか、その辺りが米国風なのかも。
地方ではこうした販売方法は受け入れられがたいと思うので、オートバックスの方が身近に感じられるとは思うのだが…
やはり都市部の店舗と地方の店舗ではあらゆる面でレベルが違う。
オートバックスグループでも中古車販売は従来から行っているので、車両販売自体のノウハウはあるとは思う。
日本向け軽自動車は中国主体での開発ではなく、いわゆるODMのようなものらしい。
日本側から要求仕様を出し、それに基づいて中国側が車両を製造する。
CMOには元日産の打越晋氏、CTOには同山本浩二氏が就く。
山本浩二氏は初代リーフの開発に携わっていたそうだ。
日本の要求仕様通りに作ればコストが上がり、開発期間が長くなる可能性もある。
中華主体だと製品の安定性や信頼性が下がりそうだ。
この辺りどのようにバランスを取っていくのか、時間のかかる形式認定をどうやってクリアしていくのか、CEOの何暁慶(He Xiaoqing)氏の腕の見せ所になる。
2025年の軽自動車販売台数が約166.7万台、BYDはRACCOを2026年中に1万台売りたいとしているので、年間換算約2万台が目標か。
4月のデータで月間2千台規模だと日産デイズやホンダN-WGNがある。
日産サクラは375台が売れ、登録車だと日産リーフが2021台売れた。
BYDやテスラはLFPを使っているが、テスラは注文済み車両に関しても仕様変更に合意を求めた。

0-100kmh加速タイムを1.5倍まで長く(遅く)し、最大充電電力を7割に制限し、保証期間を3.2万km少なくした。
おそらくバッテリーの問題で、急速充放電が出来ない事情が発覚したのだろう。
テストによればモデル3のフル加速では100秒ごとに5%のバッテリー電力を消費していくのだそうで、こうした急速放電にバッテリーが耐えられないとの見方がある。
LFPではBYDのメガワット充電でバッテリー温度の過上昇みたいな話もあるし、こちらにも書いたがテスラのLFPバッテリーの劣化が意外に早い(NMCと余り変わらない)ので、19.2万kmまでは保証出来ないよという事かも。
NMCはPanasonic製で、LFPは中国CATLなどから調達している。
BYDのLFPは自社生産で、10年又は30万km(早い方)の保証を付けている。
バッテリーの話ではないがテスラへの補助金が国産車並みなのは、Panasonic製のバッテリーを使っているからみたいな話もあった。
だからBYDは補助金額が少ないんだよと。
しかしLFPは中華バッテリーなので、モデル3の補助金は理屈に合っていない。
メルクマール
テスラのみが例外的に優遇され、一部モデルを除き127万円もの高額補助が適用される。テスラの国内販売網や雇用への貢献度が限定的であることを考えれば、この支給額は環境性能の評価だけで正当化できるものではない。そこには米政権への露骨な政治的配慮が読み取れる。
EVの話ではないがマツダは1960年代から1970年代にかけてロータリーエンジンの永久保証を謳った。
シール類の耐久性に不安があるというイメージからの脱却のためだった。
定期的な点検をディーラで受け、指定のオイルを使うなどの条件をクリアすれば、エンジンの故障に対しては無償対応が行われた。
1970年代後期になるとこの制度は中止されて10万kmまでの特別補償に切り替えられたんだったかな。


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