ダイソンデジタルモーターとは?

ダイソンデジタルモーターとは?

ダイソンディジタルモーターとはいったいどのような代物なのか?

実はこれ、単なるDCブラシレスモータなのだ。
DC45までは(写真の)単相2極モーター、DC58からは2相4極モーターとなっている。
通常ブラシレスモーターは効率や振動などを考えて3相モーターにすることが多いが、ダイソンの場合は違う。

ダイソンでは10万回転が云々と謳っている。
実際の回転数はどの程度なのだろうか。

まずは通常モードでモーターを回転させ、駆動電圧をチェックしてみた。
テストしたのはV6のモーターで、Hブリッジでドライブしている。
なおモーターにもV○という番号が付けられていて、掃除機自体にもV○の番号があるが、双方が同一番号ではない。

通常モードで電圧波形が割れているのは、通常モードではフルドライブの必要がないからかも知れない。

通常モードでは周期が約500μSなので回転数としては6万回転となる。
次にMAXモードで計測してみた。
波高が下がっているのは、定電圧電源からダイソン掃除機間での電圧降下と掃除機内の配線による電圧降下があるためだ。
何しろ20A以上の電流が流れるので、リモートセンシングを行わないと電圧が下がってしまう。
なお電圧が下がってもモータの回転数は殆ど変化しない。

MAXモードで動作させながら、駆動電圧を通常モードと同程度まで上げてみた。

周期は約348μsとなり、回転数は約8.6万回転となった。
駆動周波数は固定なので電源電圧が変動しても回転数は変化しない。
300μsまで行けば10万回転なのだが、残念ながら10万回転には達しなかった。

ダイソンも最大で10万回転(V6は11万回転だったかも)を謳っていて、MAXモードで常に10万回転だとは言っていない。
あくまでも”最大”なのである。

ではどうやったら回転数を上げることが出来るのか?
吸入口を塞ぐと負荷が軽くなってモーターの回転数が少し上がる。
しかしその状態では渦が出来なくなってしまうので、ゴミはフィルタに吸い込まれてしまう。
従ってモーター負荷が軽くなるとモーターは自動停止するのだが、その寸前が最も回転数が高い。

この瞬間最大回転数では駆動パルス周期が288μsとなり、10.4万回転に達したのである。
もう少しギリギリを狙えば11万回転超を見られるかも知れないのだが、これが結構難しいのだ。

やったね!ダイソン。
能書きに嘘は無かったことになる。
あくまでも最大10万回転で、その回転数で動作するわけではない。

2相のコイルの波形も測定してみた。
まだ非通電時間があり、ダイソンがソフトウエアの変更で回転数を上げることが出来るというのはこの辺りを指しているのだろう。

この波形計測時のモータ回転数は約9万回転弱だった。

回転数を上げることは可能かも知れないが、18650×6本では電流供給能力が限界に近い。
MAXモードでは6分程度しか運転出来ないわけで、これ以上電流を流すことは実用性を奪う。
そこでV10からはバッテリーの本数を1本増やして対処している。

DCブラシレスモータなので、何らかの方法で回転数を検出する必要がある。
オープンループではスリップが生ずる可能性がある。
そこで、相の切替時に発生する誘起電圧を検出してロータの位置の検出を行う。これによってホール素子などを使わずに、DCブラシレスモータを駆動することが出来る。

MAXモードで抵抗を減ずるとモータ回転数が上がるのは、定回転運転ではなく常に速度が上がる方向に制御されているのだと思う。

モータの駆動電圧を見るためには当然背面カバーを外す。
ただでさえもうるさいのに、背面カバーを外すと更に騒音レベルが上がる。
長時間の測定にはとても絶えられないような、大騒音なのだ。

基板にも細かな埃が付着している。
フィルタで取り切れなかった汚れが基板を汚す。

配線やFETは発熱するので、それを冷却する意味もあって基板がここにあるのだと思われる。

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