Li-ionバッテリー充電器(2)

家電製品

Li-ionバッテリー充電器もここ何年かで大きく変わった。
LCD表示器付きのものが多くなり、価格も安くなった

今回購入したものはAC100VあるいはDC12Vを電源とするものだ。
USBから電源を取るものの場合、最大充電電流が2Aに制限されているものが殆どだ。
4本のバッテリーを同時充電すると、1本あたりの最大充電電流は500mAに制限される。
しかしこの充電器は、4本同時充電時でも1本あたり最大1Aを流す事が出来る。

背面に仕様がある。

バッテリーのタイプはNi-MH/Li-ion/LiFePO4となっている。
Ni-MHとリチウム系は充電電圧による自動判断になるが、Li-ionとLiFePO4は手動で設定する必要がある。
Li-ionとLiFePO4は充電終始電圧が異なる為だ。

Li-ionバッテリーでも完全放電してしまったバッテリーは、端子電圧が低いのでNi-MHモードになってしまう。

表示は端子電圧だ。
この表示はサイクリックに、端子電圧、充電電流、充電時間に切り替わる。
およそ2.6V程度になるとLi-ionモードに切り替わる。

Ni-MHモードはΔV検出は行っておらず、1.5Vを充電完了電圧として設定電流を流し続ける設定だ。
これは必ずしもNi-MHバッテリーにとって良好ではないのだが、簡易的方法として使えないことはないと言った感じである。

完全放電したLi-ionバッテリーは、低電流(1/100CA~1/10CA程度)で時間をかけて充電していくのが正しい。
以下のグラフはLi-ionバッテリー充電用のワンチップの充電制御IC(LTC4054)の特性で、このICはいきなりフルパワーで充電を開始する。
ただしその電流は90mA弱だ。

この充電器では、いきなり設定電流(最大1A)まで流してしまう。
充電器によっては、端子電圧が極端に下がったLi-ionバッテリーを回復させる為のモードを備えたものもある。

Li-ionバッテリー充電デバイスとして中華スタンダードなICでは、バッテリー端子電圧が低い時には電流を抑えている。

充電電流の最大値は500mAと1Aに切り替えが出来る。
切り替えはモードボタンによって行う。
最大充電電流を1Aにすると、1000mA~1004mAくらいの電流表示になる。

端子電圧も表示される。
HP34401Aでバッテリーの端子電圧を測ってみると、表示と20mV程度の誤差が認められた。
基板による電圧降下や端子の接触抵抗によるものかも知れない。

内部にスイッチング電源と充電制御回路が入っている訳だが、ケースを開けていない。
少なくともネジは見えるところにはなく、銘板の裏に隠れている様子もない。

4本のバッテリーに1Aを流して充電すると、本体背面の最も高温になる部分の温度は61℃になった。
放熱用のスリットはあるし、危険な温度という訳ではないが、そこそこ温まる。
1本のみ1Aの充電電流で動作させると40℃程度の温度になった。

最大充電電流を1Aにセットすると、4.08V位までは1Aの充電電流が維持される。
その後端子電圧が4.09Vを超えると、充電電流が1A以下に下がってくる。
端子電圧が4.16Vで充電電流は500mA程度まで、4.20Vで200mA以下まで下がった。

この充電器には容量推定表示機能はない。
充電積算電流値から容量を推定する機能を有した充電器もあるのだが、充放電効率が存在するので正確ではない。
端子電圧3Vまで放電させた、放電容量2Ah(放電終止電圧2.9V設定)のバッテリーの充電時間は、充電電流1Aモードに於いて2時間40分だった。

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