スズメバチ退治と殺虫剤の比較

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ここは山の中なのでスズメバチが巣を作る。
引っ越してきて4年になるが、今回3つめの巣を作られた。
なんかハチが多いなと思って家の周りを点検すると、雨の当たらぬ部分に巣が作られている。

ハチは殺虫剤に弱い

殺虫剤耐性があるのが小バエだ。
あんなに小さな体ながら、殺虫剤を噴霧しても中々落ちてくれない。
それに比較するとハチには殺虫剤が効く。
飛んでいるハチを殺虫剤で”撃ち落とす”事が出来るほど良く効く。

今までにいくつかの殺虫剤を使っているが、効き目という点での差は大きくはない。
ハチ専用の殺虫剤は勿論効くが、意外に有効なのがゴキブリ用だ。

スズメバチに襲われた等という話があるが、殺虫剤を1本持っていれば助かるかも知れない。
広範囲に噴射の出来るフマキラーAダブルジェットなどだと、複数のハチをまとめて撃ち落とす事が出来る。
距離にもよるが、1~2秒ハチが薬剤に触れれば飛べなくなってポロッと落ちる。
ハチから逃げるのは当然として、逃げながら殺虫剤をスプレーする事は効果的だ。

スズメバチの飛行速度は20km/h以上と言われるので、走って逃げても追いつかれる。

ハチに刺されるとどうなるか?

ハチに刺されれば酷い目に遭う。
痛いのは勿論だが、その後腫れて赤く固くなる。
刺された部分を中心に直径10cm位が腫れて赤くなり、2~3日は熱を持つ。
その後少しずつ治り、腫れた部分はアザのように赤から黄色っぽい色に変化する。
かゆみはその後も残るし、刺された部分は赤くなって1ヶ月しても残っている。

ハチの毒は水に溶けやすいそうなので、水をかけながら絞り出すのが良い。
シリンジなどがあれば吸い出すのも有効だが、準備がない場合は指で押して絞り出す。
私の場合は厚手のズボンを穿いていたので、ハチの針は皮膚の奥までは刺さらなかったようだ。
絞り出しても(痛いばかりで)毒的なものは出てこなかった。

その後は皮ふ科で貰ったステロイド系の軟膏を塗った。
ここは山の中で虫が多く、虫に刺されて腫れた事があったので以前に貰った薬の残りだ。
炎症防止やかゆみの抑制になる。

なおアナフィラキシーショックが起きる場合があるので、刺されてから15分位は警戒した方が良い。
呼吸困難や全身発疹など、異常があったら119番通報で救助を要請しなければならない事態にもなりうる。

所が山の中などだと救急隊が来るまでに時間がかかる。
アレルギー体質の方は、アドレナリンの自己注射薬であるエピペン(処方の必要な薬)を携行するなどした方が良いかもしれない。

殺虫剤の比較

アースゴキジェットプロ

ゴキブリ用の殺虫剤はハチにも良く効く。
ここは山の中だが、ゴキブリは生息していない。
アシダカグモが居るので、ゴキブリは捕食されてしまうのだろう。

市場価格は750円前後で、ゴキブリ用スペシャル品プライスという感じ。
メーカによれば、有効成分はイミプロトリン(ピレスロイド系)0.476w/v%(原液量105mL)となっている。

ノズルが少し曲がっているので、ネコが囓ったためである。
ノズルはあるが、噴射角が狭いと言う事でもない。
噴射量は通常の殺虫剤より多い。

有効噴射距離としては3m位だ。
殺虫剤は余り広がらずに噴射される感じである。
スプレー缶はベランダの柵の上に置くようにしているので、噴射は少し下向きと言う事になる。

ハチアブバズーカジェット

これはハチ・アブ専用殺虫剤だ。
公称噴射距離12mを誇るが、実際には3~5mが良い所である。
フマキラーに、誇大ではないかと問い合わせた事があるが、無風状態の室内で殺虫成分が検出される最大距離を言っているみたいな返事だった。
ちなみに殺虫剤には室内では使用するなと書かれている。

表現は誇大だが、他のスプレーよりはマシなので使っている。
蜂の巣を撃退するときには、少しでも離れた位置から噴射したい。

容量800mlは通常のスプレー殺虫剤の2倍近い。
市場価格は1500円前後と、絶対的価格は高いが容量から見ればゴキブリ用と変わらない。
ただし連続噴射時間が短いので、割高には感じる。
有効成分はフタルスリンとシフルトリンと表示されている。

薬剤は水平より少し上向きに噴射される。
噴射量はかなり多く、連続噴射ではわずかな時間で使い切ってしまう。
普通の殺虫剤の10倍とは言わないが、相当な薬液量が噴射される。
飛んでいるハチを撃ち落とすのにも有効なのだが、とにかく無くなるのが早いのでコストパフォーマンス的にはよくない。

飛距離的には4m位、殺虫剤スプレー缶には、”巣の対策には3~4mが最適”と書かれている。
少しでも風があると流されてしまい、遠くには届かない。
門扉の位置まで約3mである。

フマキラーAダブルジェット

Wジェットが新しい。
噴射ノズルを2つにしたものだ。
他の殺虫剤と明らかに異なるのは、噴霧される薬剤が細かい事である。
細かな霧状にしようと思うとノズルを絞る必要があり、噴射量が減少する。
そこでノズルを2本にした、みたいな感じだろうか。

細かな霧状が広範囲を覆うので、ハチが複数飛んでいるときなどはまとめて撃ち落とせる。
市場価格は500円前後なので、特別高価というわけではない。
最初に買ったときは1本約500円で、次に買ったときには2本で400円だった。
安いときに買っておくのが良い。
有効成分はd-T80-フタルスリンとd-T80-レスメトリンで、従来品の3倍を配合したとある。

3倍にして何mlになったのかは書かれていない。
フマキラーAダブルジェット 原液量で検索しても出てこない。
フマキラーAダブルジェット “原液量”とすると、原液量が優先されてフマキラーが意味をなさなくなる。

この手の汎用型殺虫剤は、メーカを問わず成分や内容量は似たり寄ったりだそうだ。
フマキラーAダブルジェットは標準使用時間が2~3秒と、他のメーカの殺虫剤より短い。
その分時間あたりの噴射量が多いと想像できる。

噴霧距離も意外に長く、3m以上は届く。
ただし細かな霧状なので、風にはめっぽう弱い。
メーカーによれば粒径45μmだそうだ。
通常の殺虫剤に比較して、噴射量は多いが2倍というわけではない。

アースジェット

これはごくごく一般的な殺虫剤だ。
複数本まとめて売られていたりして、売価も安い
ホームセンターの安売りを見つければ、1本あたりの単価は2百円台になる。
安売りだと2本で348円とか、かなりお買い得である。

殺虫剤のスタンダードみたいな感じだ。
噴射は水平より下向きに起こる。
有効成分はd-T80-フタルスリン0.465w/v%とフェノトリン 0.17w/v%(ピレスロイド系)(原液量90mL)と書かれている。

到達距離は2.5m程度であり、余り遠くまでは飛ばない。
ごくごく普通の噴射量の、ごくごく普通の殺虫剤だ。
フマキラーAダブルジェットが細かな霧状で辺り一面を薬剤で覆う感じなのに対して、こちらは広範囲に広がらずに噴霧するスタイルである。

殺虫剤の有効成分

各殺虫剤に共通して含まれるものにピレスロイド系であるフタルスリンがある。
これは即効性のある殺虫成分で、分解速度が速いので(人間が)吸入してしまっても速やかに分解される。
神経系の毒で、害虫は行動を抑止される。
なお蚊取り線香の有効成分もピレスロイド系のアレスリンで、蚊などに効果がある。
蚊取り線香を置いておくとハチは余り近寄らないので、一定の効果があると思う。

『ピレスロイド』の仲間たち

成分名主な特長
ピレトリン速効性がある。
アレスリンハエ、蚊に特効を示し、速効性がある。
フタルスリンとくに速効性があり、ノックダウン効果が高い。
レスメトリンとくに致死効果が高い。
フラメトリンハエ、蚊に特効を示し、速効性がある。
フェノトリンとくに残効性、速効性がある。
ペルメトリンとくに残効性が高い。
エムペントリン常温で揮散し、衣料害虫に有効。
プラレトリンハエ、蚊に特効を示し、速効性がある。
イミプロトリンとくに速効性が高い。
トランスフルトリン揮散性が比較的高く、殺虫効果も優れている。
シフルトリン広範な害虫に卓越した効果がある。
プロフルトリン常温で揮散し、衣料害虫に有効。
メトフルトリン揮散性が比較的高く、殺虫効果も優れている。
モンフルオロトリン速効性が高く、ノックダウン後の行動停止効果がある。
シラフルオフェンとくに残効性が高く、魚毒性が低い。

キンチョーより引用

番外編 殺虫剤をチューンナップする

安価なアースジェットに、フマキラーのダブルノズルを付けたらどうなるのか?
これで微細噴霧が出来ればコストパフォーマンス抜群ではないのか。
スプレー缶は共通だと思われるので、さっそくやってみた。

見よこのスタイル。
アースジェットWノズルの完成だ。
早速噴霧してみる!

うーん…
シングルノズルと余り変わらない。
内部圧力とか薬剤の粘度が違うのか。
残念。

では、今度はハチアブバズーカジェットのノズルを付けたくなるでしょ。
誰でも考えますね、アースバズーカジェット。

噴射してすぐに分かるのは、圧力が低いんじゃないの?って事。
ノズルの径に対して缶内圧力が低く、勢いが出ていない。

じゃあフマキラーの缶にハチアブバズーカジェットのヘッドを付けたら?
これは残念ながら取り付けが出来なかった。
缶の上部の形状が異なり、ヘッドが入らないのだ。
ちなみにゴキジェットにはハチアブバズーカジェットのヘッドが付けられるが、付けた所でコストメリットがないので意味は無い。

高所のハチの巣退治はどうするか

ハチの巣はだいたい高い所にある。
数メートルの高さになると殺虫スプレーは届かない。
私は物干し竿などの先に殺虫スプレーを取り付け、レバーに紐をかけてそれを引っ張って噴射するようにしている。
従って殺虫スプレーは、ボタンを押すタイプではなくトリガーを引くタイプである必要がある。

スプレーをハチの巣近くに持っていくとハチが怒って威嚇をするが、殺虫剤を噴霧すればハチはぽろぽろ落ちてくる。

殺虫剤がかからず離脱したハチをやっつけるために、普通の殺虫剤を持った人と2人1組で作業をすれば安全性は高まる。
普通の殺虫剤を持つ人は、両手にスプレーを持っていた方が良い。

蜂の巣の中にまでは中々殺虫剤が入っていかない。
そこで、殺虫剤のスプレーを先に付けた棒でハチの巣を突っついて(或いは殺虫剤を噴射しながら突っついて)巣を壊してしまう。

巣の周りや巣の中のハチを退治出来ても、安心してはいけない。
出かけていたハチが巣に戻ってくるからだ。
これはスプレーで撃ち落とすか、虫網で捕獲する。
巣を失った働き蜂は、やがて餓死してしまうらしい。

巣があった所の近くに、ハチ捕獲器をぶら下げておくと、腹を減らして戻ってきたハチが捕獲器に入る。
捕獲器はペットボトルに穴を開けたものでも良く、その中に焼酎とオレンジジュースを1:1で混ぜたものや、日本酒と酢と砂糖を、2:1:1で混ぜたものなどを入れる。

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