ミニ F55/F56 コーディング BimmerCode

世の中ではコーディングと呼ばれているのだが、コードを書く訳ではない。
モディファイとかモディファイコンフィグレーションとか、パラメタチェンジとかセッティングとか、そんな風に表現した方が良いんじゃないのかな?

変更はBimmerCodeアプリで行った。
インタフェースは当初iCARPROアダプタを使用したが、安定動作しなかった。
WiFi版ではモバイルインターネット接続を切り、他のAPに接続しないように設定を変更して、iCarProにのみ接続するようにする必要があった。
しかしAndroidスマートフォンでは安定動作しなかった。

そこでVeePeakのBluetooth版を使用した。
Bluetoothなので伝送速度は遅いが、WiFiにまつわる設定変更が不要で使いやすい。
確実で安価で高速なのは有線接続方式で、ENETケーブルとUSB C⇔Ethernetアダプタが必要になる。

百害あって一利無しとまでは言わないが、アイドリングストップ機能を変更した。
オリジナル状態では、エンジンスタート時にはアイドリングストップ機能が有効になっている。
アイドリングストップ機能を無効にするスイッチを操作すると、アイドリングストップは無効になる。
しかし再度エンジンをかけ直せば、再びアイドリングストップ機能が有効になる。

これを変更し、エンジン再スタート時にも設定したアイドリングストップ有効/無効を記憶するようにした。
完全に無効化してしまうことも出来るのだが、そこはいじらなかった。
ドライビングモードのセレクトで燃費重視のグリーンモードにすると、アイドリングストップが強制的に有効になるが、これも解除しなかった。
ボディドメインコントローラ→オート・スタート/ストップ機能メモリ⇒有効

ドライビングモードではSPORT+が追加できる。
SPORT+にするとステアリングは更に重くなり、シフトポイントも高回転寄りになる。
もしかするとオーバーブースト時間が変化するのかも。
クーパーSやJCWであればバブリング(これも変な言い方だが、アクセルオフでバリバリ音がするヤツ)が顕著になるらしい。
ボディドメインコントローラ→エキスパートモードに切り替え→
FesHasMode5→nicht_aktiv⇒aktiv

フロントフォグライトをコーナリングライト化する。
このあたりは街灯もなく真っ暗なので、コーナリングライトは役に立つ。
ただし動作するのは40km/h以下で走行していて、かつロービームがセレクトされている時だ。
ボディードメインコントローラ⇒エキスパートモードに切り替え⇒
C_CLC_ENA⇒l001をenable
C_BLC_ENA⇒l001をenable
KL_ENABLE_LI⇒KL_Ein
KL_ENABLE_RE⇒KL_Ein
MAPPING_ABBIEGEL_L_OUTPUT⇒カスタムで0x03を入れる
MAPPING_ABBIEGEL_R_OUTPUT⇒カスタムで0x04を入れる

C_CLC_ENAとC_BLC_ENAは、どこを(F56でもl001でも)enableにしても良い。
(書き込まれるコードは同じ)

ミニはエンジンを止めて、ドアをロックすると少ししてアクセサリ電源が切れる。
すぐにアクセサリ電源を切る場合は、エンジン停止/始動スイッチを押す。
これを、運転席側のドアを開けたらアクセサリ電源が切れるようにした。
ボディードメインコントローラ→エキスパートモードに切り替え⇒
TCM_LOGIC_R_OFF_DOOR ⇒ aktiv

後退時に助手席側のミラーが下方を向くように出来るが、その角度がノーマルではキツすぎる。
これを好きな値に調整する。
ボディードメインコントローラ→オートミラーチルト角度⇒10%〜100%の好きな値にセット

デイライトとコントロールを追加する。
中期モデル以降は、道交法改正を受けてこの機能が有効化されている。
ボディドメインコントローラ→エキスパートモードに切り替え→
TFL_MODUS⇒drl_s
ヘッドユニット→エキスパートモードに切り替え→
DAYDRIVING_LIGHT→standerd
デイライトは明るさの調整も出来る。
道交法上の明るさは1,440カンデラ以下なので、最大光量でもOKの筈だ。
なおヘッドライト点灯時にはデイライトは消さなければいけない。
(デフォルトでそうなっている)

時計の自動時刻設定も行う。
何故最初から有効になっていないのか疑問だが、GPSデータによる時計の時刻補正を行えるようにした。
この項目を設定すると、車両の設定項目の中に自動時刻設定の項目が現れる。
ヘッドユニット→エキスパートモードに切り替え→
CLOCK_CHANGE_AUTOMATIC⇒aktiv
SETTINGS_TIME_AUTOMATIC⇒navigation

ナビの走行中操作制限も解除する。
操作制限は特定の項だけ行われるようで、途中までは操作ができるが先に進めなくなる。
何か中途半端な制限だ。
ナビはスマートフォンからリモートで行うと思う(その方が設定が早い)が、一応。
ヘッドユニット→エキスパートモードに切り替え→
SPEEDLOCK_X_KMH_MIN⇒未割り当て値⇒値を入力(車両により異なるが入力出来る最大値を16進数で(例えばFF)入れる) SPEEDLOCK_X_KMH_MAX⇒未割り当て値⇒値を入力(車両により異なるが入力出来る最大値を16進数で(例えばFF)入れる)

エンジンスタート時に表示される「……安全の為運転者は走行中に操作しないでください」表示を消す。
ヘッドユニット→エキスパートモードに切り替え→
LEGAL_DISCLAIMER_TIME⇒kein_ld

Bluetooth接続時の電話着信音を、iPhoneの着信音にする。
iPhoneで短い着信音源の場合のみ動作するとの情報あり。
ヘッドユニット→エキスパートモードに切り替え
INBAND_RINGING⇒aktiv

最後はパワーとトルクの表示機能(ドライブエキサイトメント)だ。
これは直接的機能ではないが、面白そうなので。
ヘッドユニット→エキスパートモードに切り替え→
EFF_DYN_SPORT_CID⇒aktiv
EFF_DYN_SPORT_UNIT⇒aktiv

他にもソフトウエア制御の殆どの部分を変更できる。
例えばウォッシャー液を出したあとのワイパー動作回数だとか、リアフォグをストップランプにするとか、各ランプの明るさ調整など。

これらの作業をショップに依頼すると、1項目あたり5千円〜3万円ほどかかる。
ショップによっては色々な理由を挙げ、Diyを抑制していたりする。
なおヘッドユニットの設定変更を行うと、ショートカットボタンの内容が消える。

コードの変更箇所はiDriveのバージョンや車両によって異なるし、設定出来ない項目もある。
大抵の情報は海外サイトにある。

オートライトの感度が高いのと消灯までの時間が長い。
消灯までの時間が長いのは、ソフトウエア制御ではなくセンサの時定数のようだ。
感度も日本仕様では最も鈍感(unempfindlich)に設定されている。
欧州ではもっと明るいうちからライトを点けるようで、BENZでも日陰でライトが点いちゃうと設定変更依頼が多いとか。

bimmercodeアプリはWindows版もある。
ウチには古いレッツノート位しかないので、スマートフォンのライセンスを買った。
設定項目が広く見渡せるとか、ケーブル接続すれば速度が速いとか、実用的ノートPCがあるならWindows版の方が良いし、ライセンス料も安い。

bimmercode以外に、中華ソフトもあり価格はbimmercodeの1/10位だ。
ただ不安定だという報告や、設定項自体が吹き飛んで消えてしまった例も報告されている。
こうなると設定自体出来なくなってしまい、車はソフトウエア的に壊れた状態になる。
回復させるにも通常の復元が使えなくなり、ディーラでも修復不可能になるらしい。
(専門業者により復活出来たとの報告もある)

車は全ての電源が入る状態(エンジンがかかっていないだけ)で作業するので、バッテリーの消費電力も問題になりそうだ。
最初は充電器を接続せずに作業したが、さすがに途中から充電器を付けた。
作業時間が長くなると車両の電源が自動で切れてしまうので、エンジンを始動した状態で行うか、途中でいったん電源を切ってから入れ直すなどが必要だ。

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コメント

  1. 中村 より:

    写真を拝見すると使われているのは
    https://www.amazon.co.jp//dp/B07VP1NHHX/
    のようですね。
    色々設定できるようなので、私も買ってみようと思いました。

    私の純正ナビは使えなくなってしまいました。HDDが壊れた気がします。
    ナビ以外は使えてますが、ディーラーに相談すると、1万円で書き換えに挑戦しても良いが、失敗したら、ナビ以外も使えなくなって、修理は数十万するがどうするかと言われ、放置してます。

    • FnF より:

      私はBluetoothモデルを使っていますが、転送が遅いです。
      WiFiの方が速いのですが、他のWiFi APを切らないといけない可能性があるので、Bluetoothにしました。
      Bimmercodeアプリは有料版を買わないと、たいしたことは出来ないです。

      HDD不良だとするとコピーするにしても、そもそも元のデータが読めない可能性が高いですね。
      ソフトウエア的に壊れたのであれば上書きで直りますが、不良セクタが出来ている場合はちょっと厳しいと思います。
      中古のヘッドユニットが3~6万円(eBay)なので、それに入れ替えて地図データを日本のものにアップデートすれば使えるかも知れないです。
      ショップでは中古のヘッドユニットに交換して20万円位(ディーラだとたぶん40万円を超えるはず)の請求だそうです。

      ヘッドユニット自体の交換は簡単、コネクタを抜いて本体を入れ替えてコネクタを戻すだけなので、作業的にはたいして事はないです。
      ヘッドユニットは結構種類があるので、オリジナル品番で検索した方が良いと思います。

      • けん より:

        メルセデス乗りなので参考になるか分かりませんが、私は純正HDDを市販SSDにコピーし、SSDでナビ運用しています。
        純正HDDは、バックアップとして残しておいています。
        年式にも依りますが、比較的新しめの車種では特にコピーガードも掛かっていません。(CクラスだとW205移行)

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