空気清浄機を直す

富士通の脱臭機もPanasonicの空気清浄機も高電圧発生部が壊れた。
そして何故か立て続けに壊れていくのである。
Panasonic(旧松下電工)の空気清浄機はモータの取り付け部が壊れたり、ベアリングのガイドが壊れたりしたが修理して使っていた。
最近は電気集塵式空気清浄機が(民生用としては)殆ど無くなってしまったからだ。

高電圧発生部は旧松下電子部品のECXC3018が使われていて、これはダイキン製のエアコンや空気清浄機にも使われていた。
内部はモールドされていて、破壊しないとケースから基板を取り出す事が出来ない。

でも一応悪あがきくらいはしてみるか、と言う事でチェックする。
回路としてはAC100Vをトランスで降圧し、整流(BD2)した約19Vをシリーズパスレギュレータ(IC2)を通して高電圧発生ユニットを動作させている。

しかし出力電圧が出ていない。
何ボルト出力のレギュレータかは分からないが、コントロール端子はないので電圧が出ても良さそうなものである。
3端子レギュレータなんて壊れるのかなと思ったが、どう考えてもコイツが壊れている。
負荷側に安定化電源から12Vを加えてみても、短絡している様子はない。

所でコイツの出力電圧は何ボルトなのだろう?
品番が書かれていないので松下電子部品のパーツなんだろうな。
高電圧発生ユニットの高圧側にネオン管(1MΩを直列)を入れてみると、6V位からDC-DCコンバータは動作し始め、12Vでも15Vでも19Vでも入力電流が極端に増える事はない。
電流自体は10mA程度だ。

レギュレータを交換するにも12Vや15Vの3端子など持っていない。
5Vや3.3Vならあるんだけど。
5Vのレギュレータに7Vのツェナーで下駄を履かせる?
面倒だなぁ、そのまま19Vを加えてしまうか。
と思ったのだが、19Vはあんまりかなと思ったので、LEDを2個直列にして電圧をドロップさせた。
これで約13Vになったので、まあ良いだろう。
普通のバイポーラシリーズパスレギュレータだと、入出力電圧差を3V位見るはずだ。
この時点で16Vになるので、15V出力なのか?3端子レギュレータの大きさからすると発熱が考慮されて12V出力かなぁ。

電圧は印加されるようになった。
ただしこれだけでは動作しなかった。
コントロール側から制御されているのだが、その制御信号が来ていない。
コントローラと高電圧発生ユニット側はフォトカプラ(PC1,PC2)で絶縁されていて、2Bitの制御線がある。
この片側のフォトカプラをONにしないと高電圧発生ユニットは動作しない。
スタンバイ時には動作しないとか、自動風量モードで最低風量の時は動作しないとか、何かで制御されているのか?それとも単に故障なのか?
追求も面倒なので強制駆動にした。

モータコントロールもフォトカプラで絶縁されている。
この頃の松下電工は結構真面目に設計していたと言う事だ。
いつまで使えるかは分からないが、これで又しばらくは使えそうである。

空気清浄機に物理フィルタ方式が増えたのは、コストや商売的な問題が大きいと思う。
HEPAフィルタやULPAフィルタで細菌サイズのゴミは捕捉出来るし、HEPAフィルタという名前自体が一人歩きした感もあり、HEPAと付いていれば高性能みたいなイメージがある。
だが物理フィルタでは、ウイルスサイズのものはちょっと厳しい。
電気集塵式だと帯電するものはほぼ捕捉が出来るのと、ウイルスは帯電によって細胞膜を破壊する事が出来るので、ある程度の殺菌作用も期待は出来る。
しかし電気集塵式だと高電圧発生部や帯電ワイヤーやプレートが必要で、原価が上がる。
フィルタは帯電したものを吸着させれば良いので、微細なメッシュは必要なく通気抵抗が低く寿命が長い。

物理フィルタ方式はその逆で、空気清浄機の構造はファンがあるだけで良いので簡単だ。
HEPAフィルタやULPAフィルタはメッシュが細かいので詰まりやすく、通気抵抗が大きいのでファンのパワーが必要だ。
フィルタ寿命が短いので消耗品代で稼げる。
これはインクジェットプリンタ商売みたいなものだ。
結局メーカは物理フィルタ方式を採る事になる。
ちょっとした制御ユニットとブロアファンがあれば良いので原価が安い。

次にフィルタ寿命の長い物理フィルタ搭載の空気清浄機が登場する。
HEPAフィルタは詰まりやすく価格が高い。
これによって空気清浄機市場自体が縮小傾向にあったと言われる。
そこでメッシュを余り細かくせずに、帯電糸を使ってダストを吸着する方式のものが開発された。
まあエレクトレットコンデンサマイクみたいなものかな。
ただし永久に帯電しているわけではなく、徐々に効果は落ちてくる。

フィルタ交換10年不要を謳う空気清浄機はあるが、評価基準がかなり甘いので注意が必要だ。
空気清浄機の適用面積の部屋で、「タバコを1日5本吸った場合の粉じん量」を基準としている。
粉塵量の具体的数値は不明だが、粉塵量は15mg×5本で75mg程度ではないかと思う。
部屋の大きさの指定が無いので、大きな部屋用の空気清浄機ほど基準が甘くなる方向か。
建築物衛生法では0.15 mg/㎥以下(濃度ではなく重量で規定)であることが求められる。

ダイソンの空気清浄機能付き扇風機&ファンヒータにはガス検知器が付いている。
ホルムアルデヒドやNOx、PM2.5/PM10のセンシングが出来る。
センサは小さな金属製の箱に入っていて、微細なゴミはレーザ光の反射で見ているのかな。

ウチで空気清浄機が活躍するのは猫トイレ周辺である。
猫トイレ用の砂、今は固まるものを使っているのだが、以前はシステムトイレでセラミックやシリカゲルのものを使っていた。
ベントナイト系の砂にしても紙製にしても、或いはセラミックボールにしても粉塵が出る。
空気中に漂う感じの細かいもので、部屋のあちこちに付着する。
感覚としては超音波加湿器を使うとカルシウムやマグネシウムがあちこちに付着して白っぽくなるが、そんな感じである。

その微細な粉塵を取り除くのが空気清浄機の仕事で、電気集塵式が良いのはフィルタ寿命が長いからだ。
物理フィルタは粉塵を吸着するのだが、エアで吹き飛ばせば綺麗になる。
HEPAフィルタだと目が詰まってしまって、エアで吹いても回復しづらい。

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