モーターは劣化するのか?

EV派に言わせれば、エンジンは10万kmも走れば出力が半分くらいに落ちるが、モータは劣化しない、何十万kmでも使えるという。
エンジンの劣化というか故障は必ず起きるので、これは正しいともそうでないとも言える。
10万km位では何と言う事はないが、40万kmとか(トラックなどで)100万km近くになれば故障が起きる。

最近の低燃費指向型エンジンだとピストンリングからの吹き抜け増加だとか、バルブスプリングの低バネレート化によるバルブ密着不良、カムの摩耗なんて問題もあった。
問題が大きくなればリコールになるが、それ以外の自然故障だと直して乗るのが普通だ。
エンジン自体やトランスミッションは、オイル管理が良ければ余り壊れない。

トヨタはウォータポンプの寿命を10年/10万kmとしている。
勿論この時期に絶対壊れると言う事ではないが、寿命があるよと言う事だ。
回転ものとしてはオルタネータやアイドルプーリのベアリングの劣化がある。
このあたりは余りお金もかからず、部品交換で修理が出来る。

エアコンコンプレッサも時期が来れば壊れる。
ICEの場合はコンプレッサ単体だが、電動式のモータ一一体コンプレッサは高い。
テスラが消費電力4kW程度のモータで、プリウスは最大6kWの消費電力だとか。
当然ながら12V系では動作させる事が出来ないので、動力用のバッテリーを使う。
テスラのエアコンコンプレッサは故障率が高いので、保証に入っていないと痛い目を見る。
コンプレッサの故障によって駆動用インバータまで壊れる場合があり、そうすると100万円コースになってしまう。

モーターに於いてもベアリングは故障が多い箇所だ。
モーターにおけるベアリングはウォータポンプのベアリングとはちょっと事情が違う。
磁界の中に置かれているので誘導電流が発生し、ベアリングが内部から壊れてしまう。
その為の対策が行われたベアリングは使われているのだが、それでも壊れる。
ハイパワーモータでは強力な磁場が発生するので、何かと難しい。

永久磁石式モータだと経年劣化によるモータ出力の低下があるのだが、これはICEにおけるエンジンの出力低下同様に、測定してみれば分かるとか、加速タイムを計れば分かる程度のレベルだ。

モータの交換となるとエンジン載せ替えよりお金がかかる。
200kWクラスのモータユニットで480万円という価格があった。
エンジンでもそうなのだが車に積まれているいわゆる原価と、補修部品として買う価格では大きな差がある。
EVの場合はモータの寿命よりバッテリーの寿命の方が絶対的に短いので、モータの劣化は気にする事はないが、下の例のように異音だとか振動の増加で交換が必要になる場合がある。
またギアユニットとかデフとか、そうした部分は内燃機関自動車同様に傷む。

パワー系は滅多に壊れるものではないが、テスラはインバータの故障で何回かリコールを行っている。
多くのEVではモータ駆動回路を液冷しているので、シールの劣化による腐食などがあるかも知れない。
BENZだっけ、DMEがオイル漬けになってしまうトラブルがあるのは。
いずれにしても信頼性を考えると、特に電気ものは国産車が優位に立つ。

EV SmartBlogによれば、テスラの駆動系交換で(保証がなければ)凄い金額になったようだ。

ドライブシャフトが左右で11万円、モータが約81万円、その他諸々に工賃約8万円が加わる。
勿論EVだから壊れるとかアメ車だから壊れるとか、いや、それはあるとは思うのだが国産車だって壊れる。
この方の場合はドライブシャフトやモータを交換しても、振動やノイズは完全には消えなかったそうだ。
先日20年前のBENZ Gクラスの修理が100万円という話を書いたのだが、それでも20年で100万円である。
このテスラの例では8年で100万円以上(保証範囲内なので実質無料)のコストがかかっているので、まあ輸入車というものはそれなりに費用がかかると思った方が良い。

結局の所EVだから壊れないなんて事はないし、構成部品が少ないから修理費用が安い訳でもない。
構成部品が少なくて車両価格が高いという事は、その部品が高額だからだ。
モータが壊れなくてもギアボックスやドライブシャフト、サスペンションやブレーキはICEと同じ。
そして信頼性という面で、新興メーカは弱いと言う事である。
中華EVの日本進出は更に続きそうだが、高い安心感を提供してくれる日本車と比較出来るレベルに達しているのかどうかは多いに気になる。

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