蒸発した水槽水の補充にはRO/DI水を使っている。
ROは逆浸透膜で、不純物を物理的に濾過する。
しかし物理濾過器では取り除きにくいイオンが残るので、それをイオン交換樹脂で処理する。
RO浄水器で処理した水も純水という表現をすると思うが、イオン交換を行うと更に水中のイオンやガスまで抜けた状態になり、紫外線殺菌を加えるなどすると超純水レベルになる。
洗車用の純水器というか軟水器も一時期流行った。

上の写真右のものは毎分1リットル(500GPD)が生成出来て、100kリットル分の寿命があるという。
これはイオン交換樹脂を使うものではなく、RO浄水器で価格は44.5万円だ。
このRO浄水器より更に容量の大きな600GPDの中華RO浄水器が4万円くらいで、まあ普通の価格である。

イオン交換樹脂の寿命はそこに入れる水の純度によって異なる。
例えばRO浄水器を通した水は不純物が少ない(炭酸ガスは通過してくる)ので、20インチサイズのフィルタカートリッジに入れたイオン交換樹脂で、1キロリットルくらいは精製出来る。
しかし水道水をそのまま入れれば200~300リットルで寿命を迎える。
イオン交換樹脂の寿命は短いが、水はそこを通過させれば良い(南濃時間は短い)ので時間あたりの精製容量は大きい。
この手の浄水器だとかウォータサーバ的なものもそうなのだが、いわゆる水商売と呼ばれる類いのビジネスになり、古くは磁化水なんてものもあった。
知識のある人を騙すのは難しいが、フツーの人ならうまい話に乗せることが出来る。
洗車屋のように大量に使うのであれば電気式(EDI)の方が良いかも。
EDIならイオン交換樹脂が不要なので、ランニングコストを抑えられるがイニシャルコストは高い。
イオン交換樹脂の寿命はTDSを測ればすぐに分かる。
簡単にやるならテスターの抵抗レンジでも良い。
純水は抵抗値が大きく、イオンが多ければ抵抗値が下がる理屈だ。
水道水の伝導率が200μS/cmくらい、RO浄水器を通すと1μS/cm以下、RO/DI水だと0.1μS/cm以下になる。
S(ジーメンス)はΩの逆数で昔は℧(MHO)と呼ばれた。
レジスタンスの単位であるΩ(OHM)の逆数だからコンダクタンスは℧(MHO)と、これの方が分かりやすかったのに。

洗車用にRO浄水器を使えないことはないが、精製速度が遅いので溜めておく必要がある。
1200GPDのメンブレンで毎分3.2リットルしか精製出来ない。
ROメンブレンは水圧が高い方が精製効率が良いので、水道水を加圧してからメンブレンを通す。
高圧洗浄機を使った場合でも毎分5リットル以上は欲しいので、3000GPDのメンブレン(かなり大型)が必要だ。
なので現実的にはRO浄水器で水を作ってタンクに溜め、それを使うことになる。
RO浄水器では精製水の約3倍の捨て水が出るので、捨て水も溜めておいてそれで洗車し、RO精製水ですすぎをすれば良い。
RO浄水器はイニシャルコストは少し高く精製速度が遅いが、寿命が長いのでランニングコストが安い。
イオン交換樹脂はその反対で、イニシャルコストが安く精製速度が早いが樹脂の寿命が短い。
なおイオン交換樹脂でも通水速度を上げるとTDSが上がる傾向なので、溜め水をイオン交換樹脂で何度も処理(循環)させて使う場合もある。
イオン交換樹脂はアニオン型とカチオン型を使う。
この場合は2本のカートリッジが必要になるのだが、アニオン樹脂とカチオン樹脂を混ぜたものを使えば2本で済む。
なお逆浸透膜は次亜塩素酸で壊れるので、カーボンフィルタも必要だ。

純水を作るのではなく軟水を作るのであれば、もっと低コストで出来る。
Na型強酸性カチオン樹脂だけを使えば良く、食塩で再生が出来る。
H+<Na+<NH4+<K+<Mg2+<Ca2+
この樹脂の中に水を通すとH+やNa+を放出し、Ca+やMg+を吸着する。
要するにマグネシウムやカルシウムイオンを、ナトリウムイオン(Na型の場合)に替える。
まあこのあたりは書けば長くなるので興味ある方は調べて頂きたい。
イオン交換樹脂は工業用のものを買えば安い。
新品より再生品の方が多少安価で、樹脂の色が濃くなっている。
ミクスドイオン交換樹脂は最初は混ざっているのだが、使っていると比重の違いでアニオン樹脂とカチオン樹脂が分離する。
分離しても使えるのだが、イオン交換の効率が悪くなるのでたまにかき混ぜた方が良い。

イオン交換水や軟水で洗車をすると、マグネシウムやカルシウム分が少ないので水垢が付きにくくなる。
その代わり純度の高い水ほど何でも溶かすので、錆には注意が必要だ。
軟水用のイオン交換樹脂は安価だし、食塩で再生が出来るので洗車にはいいかも。

アストロプロダクツのものはイオン交換樹脂容量が大きいので1.9tの浄水が出来るという。
高圧洗浄機を使えば節水が出来るので、洗車は普通の水で行いすすぎ?をイオン交換水で行えば、1回の洗車が50リットルくらいで済むかも。
週に1回洗車をして10ヶ月くらいは保つかな。
イオン交換樹脂は10L入ると言うからかなりの容量だ。
10インチのフィルタカートリッジに入るイオン交換樹脂が0.7リットルくらい、20インチだとその2倍程度になる。
ミクスドイオン交換樹脂は10リットルで1万円前後だ。
イオン交換樹脂を長持ちさせるには軟水を使う事なのだが、これは自分の好き勝手には行かない。
自分で出来る努力?としては遊離炭酸の除去かな。
水道水には(水道水圧力にもよるけれど)0.05%位の炭酸ガスが含まれている。
これは放置すれば勝手に抜けてくれるので、溜め水を加圧ポンプでイオン交換器に通せば寿命は延ばせる。
洗車の場合は硬度(KH)を下げれば良いので、軟水器で良いと思う。
ボディの水をちゃんと拭き取るなら水道水で良いわけだしねぇ。
商業的にはタイヤに窒素を入れる的な、まあ窒素よりは多少理屈が通っているのだが、個人的にはその程度の認識だ。
ちなみにウチのRO/DI水は、クーラントの希釈用やバッテリーの電解液補充用には使ったが、洗車に使った事はない。
雨水は蒸留水みたいなものなので、大気汚染の少ないエリアであれば比較的綺麗だ。
埃やゴミなどは混ざってくるので、雨水を溜めてセディメントフィルタでも通せば洗車用の水としては良いんじゃないかな。

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