トップの画像はジムニーのカタログのものである。
独立懸架では高所に乗り上げた側のサスペンションが大きく沈み、リバウンド側は通常を保っている風に描かれている。
リジッドの場合はフレームに相当する部分が描かれていない。
下は独立懸架のラジコンシャーシである。
少なくともラジコンの場合は、バウンド側のみがストロークするのではなくリバウンド側もストロークしている。
これによって最低地上高は確保される。
ただこれはシャーシのみであり、重心が低いのでロールが少ない。
2枚の写真を重ねてみた。
次にリジッドサスのラジコンを用意する。
これもシャーシのみであり、リーフリジッドはロールセンターが高いのと、リアサスに引っ張られるので逆ロールする。
少し分かりにくいが、バンパーガードはボディー側に付けられていて、アンダーガードはサスペンション側に付けられている。
サスペンションがストロークする事で双方の隙間が変わる。
同じように写真を重ねてみる。
ラジコンの場合はバネ上が軽い事情があるので実車と同様とは言えない。
またセッティングの問題もある。
ただ、ダブルウイッシュボーンのアームの角度を見る限りに於いては、スズキの図のようにバウンド側だけが縮むという事にはなっていない。
今回の実験ではバウンド側もリバウンド側もストロークしている。
スズキの言い分とは異なるが、個人的にはリジッドサスのメリットは走破性ではなく、最低の価格で最高の強度が得られるものだと思う。
独立懸架の場合はパーツが多いのでコストがかかるし、例え1本のアームでも曲がってしまえば走行に支障が出る。
リジッドであれば(重くはなるが)強度を確保するのは難しくはなく、故障した場合の修理も簡単だ。
独立懸架のようにアライメントを取り直すなどと言う手間もない。
リジッドは構造が簡単なので、バネやショックアブソーバのストロークを延ばせば、比較的容易にサスペンションストロークを増大させることが出来る。
多くのリンクを必要とする独立懸架ではそうはいかない。
これはYoutubeの動画で、ジムニーはノーマルではないが、サスペンションの動きがよく分かる。パーツが少なく大きなストロークが確保出来ている。
同じくYoutubeから、こちらはデリカD5の独立懸架サスペンションの動きだ。
独立懸架の場合は車軸よりも下にロアアームが来るので、この部分のロードクリアランスが、車軸式よりも少なくなる。
リジッドのデメリットはばね下の重さであり、これは路面追従性が低い事を意味する。
ごく低速で走る場合はともかく、ある程度の速度になれば路面のデコボコにサスペンションが追従出来なくなる。
これによって少し荒れた路面ではトラクションがかからない、ブレーキが利きにくい事が起きる。
独立懸架ラジコンのサスペンションはダブルウイッシュボーンだ。ダブルウイッシュボーンはストロークによってトレッド幅が変化する。アームの長さが有限だからだ。
ボディを上下に揺らすとキャンバーもキャスターも変化せず、トレッド幅だけが変わり、ボディとタイヤの接地面は平行だ。
これはコーナリング時にロールしボディが傾くと、それに合わせてトレッド面も傾くことを意味する。
サスペンションの上下動に従ってキャンバーが変わるようなセッティングであれば、ロール時の接地性を改善出来る。もちろんダブルウイッシュボーンでもアームの長さなどによってキャンバーを変化させることは出来る。
しかしそれは、ボディが水平なまま上下動した時にキャンバー変化が現れることになる。
ならばロールさせなければ良いという考えで生まれたのがアクティブサスペンションだ。
BENZのSL(R230/231)やトヨタソアラの一部に油圧アクティブサスペンションが使われた。R230やソアラでは若干のロールを許すセッティングであり、R231は逆ロールさせるセッティングが取られている。
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