水耕栽培の液肥・培養液濃度

植物

水耕栽培は比較的簡単に失敗なく野菜などを栽培することができる。
実際に水耕栽培を行い、難易度やコストの点をまとめてみる。

水耕栽培は水耕栽培用の培養液を使う。
土に植える場合と異なり、土から微量・少量・中量成分が吸収出来ないので、それを培養液で補う。

水耕栽培用培養液で入手性の良いのはハイポニカだ。
少量ボトルから大容量のものまであるが、大容量のものを買った方がお得である。
ミニトマトではない、普通のトマトを育てたのだが、気温の高い晴れの日などは培養液が数リットルも減る。毎日1回か2回これを補充するので、液肥のコストは気になるところだ。

より安価な、そして栽培する植物にあった培養液を作る場合は、OATアグリオ(株)などの粉末肥料を混合して水に溶くのが一般的だ。
OATアグリオの資料に、各農作物に対する必要元素量がある。
OATだと1号・2号の混合またはそれに5号を加えるのが一般的だ。
各作物によって分量や濃度も変化させた方が良いのだが、素人には難しい。

培養液の濃度管理はEC(導電率)メータで行っている。
導電率は水溶液中のイオン量(電解質量)を測っているに過ぎず、その肥料の濃度を直接見ているわけではない。
例えば培養液中に塩をひとつまみ入れれば、導電率値は大きく上昇するが、これは肥料が濃くなったのではなく塩が混入しただけだ。

しかし他に簡単に測る方法がないのでECメータを使う。
私は水槽で使うためにTDSメータを持っていたので、これを使った。
TDS(ppm)とEC(μS/cm2)の関係はこちらをご覧頂きたい。

トマト栽培において培養液の導電率は1.5mS/cm2程度に調整している。
これはハイポニカの規定希釈度の2.5倍くらい濃いものになる。
苗から生長が始まった頃には規定の濃度で、成長し花が咲き始めた頃には1.5倍くらいの濃度に、実が育ち始めた頃に現在の濃度に調整した。

なお植物によって最適な濃度があり、標準希釈度で使えば殆どの植物で不足がない濃度になるとのことだ。

水耕栽培用の培養容器は発泡スチロールの箱を重ねて作った。
スーパーなどで貰える廃発泡スチロールの箱を利用した。
培養液を入れる下側の部分(A)と、そこに乗せて使う上側の部分(B)、上側の部分に植物の根が入る。
B容器には、A容器から水中ポンプで培養液をくみ上げる。
B容器に溜まった培養液は、B容器に作った切り欠きから流れ出て自然落下し、A容器に戻る。

培養液中の溶存酸素量を多くする必要があるので、B容器からA容器に培養液が流れ落ちる時に空気を巻き込むようにする。
市販の水耕栽培キットも同様な構造で、これらを買えば手っ取り早く見栄え良く水耕栽培を始めることが出来る。

市販の水耕栽培容器はさほど大型ではなく、下の写真のようなトマト栽培では根が入りきらなくなる。
発泡スチロールの箱でも、B容器の中は根でギッシリになる。

水耕栽培を室内で楽しむ方も多い。
LED照明などを使用すると、一年中野菜を収穫することが出来る。
以前に、お子様が独立して空き部屋となったところを利用して水耕栽培をしているというMailを頂いたことがあった。

室内栽培では炭酸ガス濃度が希薄になりやすい。
冬場は燃焼型暖房機を使う事で二酸化炭素濃度が上げられるが、夏に部屋を閉め切っておくと二酸化炭素濃度が減少して光合成を阻害する。

夏場であれば窓を開けることで炭酸ガス濃度を上げられるが、地域によっては害虫が侵入する可能性がある。
炭酸ガスボンベを使うのは温室などでも行われているし、水槽での水草飼育でも使う。
炭酸ガスボンベは10kgのもので(ボンベ代込みで)1万円前後だ。
その他レギュレータなどもあった方が流量調整が楽になる。
はるデザインのレギュレータ&電磁弁セットとタイマーがあれば半自動化が出来る。
CO2モニタや、それと連動制御での完全自動化、溶液の自動補充まで出来れば手間は殆どかからないことになる。

いずれにしても、水耕栽培は簡単に野菜を育てられるという感じを受けた。
土耕では水やりの手間や肥料の分量など、素人では中々難しいことがある。水耕栽培の場合はそれら全てを培養液が担っているので、その分量と濃度だけを管理すれば済む。

ちなみにウチのトマトは毎日収獲出来ている。
たまに虫が食べちゃったみたいな穴が開いているものもあるし、かたちは不揃いではあるが新鮮なトマトである。
春先に苗を植えて約3ヶ月、夏の終わりまでにいくつくらい収穫出来るのだろう。

地植えの場合はミニトマトで100個~200収穫出来るそうだ。
水耕栽培の場合は(水耕栽培機メーカによれば)500個~700個も採れるという。
品種などによって異なるのかも知れないが、液肥代がかかっている分だけ沢山採れるのかも。

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