トリプレクサ・CFX-514Jの中身

測定器

デュプレクサやトリプレクサは、複数の周波数帯の信号を合成或いは分離するもので、TV機器などでは分波器などと呼ばれている。
内部的には、デュプレクサであればローパスフィルタとハイパスフィルタの組み合わせ、トリプレクサであればそれにバンドパスフィルタが組み合わされている。
非通過帯域に於いて、それらのフィルタは高インピーダンスにならなければならない。

コメットから発売されていたCFX-514Jを測ってみる機会があった。
未開封新品在庫品である。

取説にはツインキャビティと書かれている。
ツインキャビティという位なので、明確に分離された2室があると想像したが…
うーん、まあ2室と言えばそうなるけれど程度の構造だった。

最も高い周波数を分離するハイパスフィルタは、他の周波数帯のフィルタと分離されている。
アルミの隔壁がツインキャビティと言う事か。

HF帯とVHF帯用のフィルタは、申し訳程度の銅板で分離されている。
製造的問題だと思うのだが、特性を重視するのであればコネクタの所までマイクロストリップラインを引っ張って、コネクタの中心電極は基板に直接半田付けしたくなる。

取説によればPEP800Wに耐えるというのだが、コンデンサの耐圧は大丈夫だろうか。
昔デュプレクサを設計した事があったのだが、コンデンサの耐圧は結構厳しかった。
もう一つはロスである。
このエナメル線のコイルではロスが大きそうだ。
コンデンサのロスはたいしたことはないのだが、コイルはとにかくロスの原因になる。

と言う事で測ってみた。

コネクタがM形なので700MHz以上で伝送特性が乱れる。
でもまあ、こんなものかなという特性だった。

通過帯域内での損失差があるのだが、これは仕方ないかも知れない。
コネクタタイプではなく、同軸ケーブルが出ているタイプ(コメットだとCF-410など)も測ってみたのだが、同軸ケーブルの影響と思われる損失カーブの乱れがあった。
また通過帯域内の、丁度アマチュア無線バンドあたりで損失が少し増えているのが気になった。

アイソレーションはミッドバンドとハイバンドのところで35dB程度しか取れていない。
もちろん1GHzで送信するわけではないので問題はない。

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