エネループの容量を測る

家電製品

今は余り使っていないのだが、何本かのエネループがある。
エネループ出始めの頃に、ワイヤレスマウス用として使っていたことがあった。
当時(SONY)製のワイヤレスマイクは電流消費量が多く、頻繁な電池交換が必要だったからだ。

そこで充電式のエネループ4本セット充電器付きを買ってきた。
だが能書き通りとは行かなかったのである。
決して過酷な使用をした訳でも無いのに、寿命は短かった。

ワイヤレスマウス用として使っていたので、容量を気にしたことはなかった。
電池電圧が低下したら充電すれば良い程度に考えていたからである。
Ni-MHバッテリーは既に過去のものになりつつある。
大電流を必要とする機器にはLi-ionバッテリーが使われ、電流を余り消費しない機器の用途は単三一次電池が使われる。
Ni-MHバッテリーは充電制御が難しいので、充電器のコストも上がりやすい。
現在では需給バランスの関係から、割高な電池となってしまった。

と、こんな風に記事を書いているとSEO的にはダメである。
目次を付けて、エネループとは何か、エネループの歴史、Ni-Cd電池とは、Ni-MH電池とは、などなど、冗長に語らないとGoogle検索の上の方には出てこない。
で、肝心の容量に関してはカタログ値があるだけ、みたいなページをGoogleは推奨する傾向なのだ。

エネループはLi-ionバッテリー充電器のNi-MHバッテリーモードで充電した。
Ni-MHバッテリーはΔtやΔVを検出して満充電判定を行わなければならないのだが、この充電器は1.5V/500mA or 1Aの定電圧・定電流充電でしかない。
1.5Vの電圧は多少高すぎる気がする(Ni-MHのΔVでも1.45V程度)ので、長期に渡っての使用ではNi-MHバッテリーが傷む可能性がある。

今回は端子電圧と充電電流を見たかったので、中華Li-ionバッテリー充電器を使用した。
普段はエネループ専用の充電器を使用している。

容量測定にはLi-ionバッテリーの容量を測ったものを使用した。
Li-ion用で負荷抵抗は8Ωの定抵抗放電である。
Ni-MHバッテリーで使うと放電電流は180mA程度と少なくなり、10時間放電率で測るという感じになる。

ん?端子電圧が1.2Vで抵抗が8Ωなら、電流は150mAの筈だ。
どう頑張っても180mAは流れない。
中華容量計の誤差というか計算が狂っているとか、そう言う事だろうか。
この電流値で計測されているとすると、実容量は測定容量の8~9割と見るのが正しい。

電流可変型の放電器(容量測定器)も売られているが、ここで使ったものは固定負荷だ。
抵抗を変えれば電流を変えることが出来るが、この放電器が電流値そのものを読んでいるのか?それともバッテリー電圧だけを読んで計算しているのかは不明だ。
抵抗値を決め打ちしているとすれば電流を読む必要は無く、端子電圧を8で除算すれば良いだけだ。

ウチにあったエネループ8本の中の1本は不良だった。
満充電電圧の1.5Vまで上昇せず、充電器から外すと端子電圧は1Vまで下がってしまった。
残り7本の中の最小容量のものは1909mAh、最大容量のものは2112mAhだった。
平均値は1988mAhで、測定誤差が15%あったとする1690mAhになる。

不良の1本は再度充電してみた。
しかし充電が完了せず、端子電圧は1.45Vのまま時間が経過した。
バッテリーに発熱はなかったが、4時間を経過したところで充電器から外し、容量を測ってみると1904mAhを示した。

なおエネループの最小容量は1900mAhで、500mA負荷での容量だそうだ。
放電終止電圧は0.9Vだったかな。

Ni-MHバッテリーは充電できる電池だが、乾電池やアルカリ乾電池の充電器がある。
F&Fでも以前に実験している。
乾電池は充電できるとは言えないが、全く充電できないとも言えないみたいな感じだ。
運が良ければ多少充電できるとか、電池の銘柄によって充電できるものもある。

乾電池の充電に関しては特許も存在する。
余り電流を流さずに長時間充電するとか、平均電流を小さくする為にパルス充電をするとか。
これは充電器側の制御テクニックだが、電池自体を充電可能にしたものも過去には存在したそうだ。

カナダのバッテリーテクノロジー社が充電式アルカリ乾電池の特許を取得し、数社にライセンスしたとの記事があった。
しかし充電式アルカリ乾電池は広く普及しなかった。
充電回数や充電率の問題、コストなどもあったのだろう。
Ni-Cdバッテリーより自己放電が少なく、長期使用に向いていると謳われていた。

Ni-Cdバッテリーの原型となる理論は1899年頃に考案されたそうだ。
実際に製品化されたのは1960年頃で、充放電時に発生するガスのコントロールが出来るようになり、密閉型電池として製品化された。
日本では1963年頃から市場に出始めた。
民生用として広く使われるようになったのは、価格の問題もありもっと後ではないかと思う。
私が小学生の時に”永久電池”というようなタイトルで作文を書いたことを覚えている。
先生に、充電式の電池のことか?と聞かれたことを覚えている。
自分自身どこから永久電池なる発想が生まれたのかすら覚えていないのだが、Ni-Cd電池のニュースでもあったのだろうか。

1990年代になると、松下電池がNi-MHバッテリーを商品化する。
水素吸蔵合金を使うことによって容量密度を大きくし、更にはカドミウムを不使用としたことで毒性をなくした。
2000年には東芝が超格子合金を実用化する。
これによって容量は更に大きくなり、単三電池サイズで2300mAhを超えるものが登場する。

現在Panasonicでは2600mAhが最大ではないかと思うが、エネボルトは3000mAhを誇る。
これは直径と長さを0.5mm大きくすることで、実容量2700mAh程度を得ている模様だ。
容量と引き換えに自己放電が大きいとか、寿命が短いなどと言われる。
エネボルトはスリーアールグループである、スリー・アールシステム株式会社が販売する。

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