富士通PLAZION脱臭機DAS-303Eの分解清掃

家電製品

富士通(富士通ゼネラル)の脱臭機に関しては、DAS-303Wの分解清掃記事を書いた。
そちらを先に見ていただけると話が分かりやすいと思う。

今回清掃するのはDAS-303Eである。
前回清掃したDAS-303Wが2010年頃のモデルであり、DAS-303Eは2019年製だ。
9年の歳月が脱臭機をどう変えたのかも見ていきたい。

2010年当時のDAS-303W、2011年のDAS-303Aが4万円以上の実売価格だったのに対して、2022年のDAS-303Kは2.1万円まで下がっている。
進んだコストダウンの背景には何があり、何がなくなったのか。

DAS-303WとDAS-303Aは初期型の外観であり、BAS-303B以降はこのDAS-303E同様のスタイルに変更された。

2010年:DAS-303W 
2011年:DAS-303A 
2012年:DAS-303B 
2013年:DAS-303C 
2014年:DAS-303D 
2015年:DAS-303E 
2019年:DAS-303K

DAS-303Eは見えるところにネジが沢山着いている。
DAS-303Wはパズル的嵌合カ所がいくつもあったが、これは意外に簡単に分解できる。
ネジを外せば外した部分が開き、開かないところはどこかにネジが隠れている。
加湿機能は殆ど使っていなかったので、加湿器回りは綺麗だ。
色は異なるが部品はDAS-303Wと共通かも知れない。

吸い込み口は前面になっている。
構造はDAS-303Wと同じだが、DAS-303Wが不織布フィルタなのに対してDAS-303Eはコットン(合成樹脂だけど)フィルタになっている。
なお不織布フィルタはオプション扱いとなった。

DAS-303Wのフィルタからすると相当簡易であり、空気清浄能力は低いと思われる。
空気清浄機能云々よりも、吸着脱臭ユニットに埃を付着させないためのフィルタとして、ある程度の性能のものは必要だ。
しかし性能の高いフィルタは価格も高い。

しかし脱臭機を使う用途は限られる。
ペットの臭いと言っても猫は殆ど臭いはせず、猫トイレ部屋に脱臭機を置いている。
犬は種類によっては、いわゆる犬臭くなる。
ウサギやフェレットも凄く臭いわけではないが、多少は動物臭がする。
そうした臭いを消すのには使われるわけだが、それ以外何に使うだろう。

ウチでは油性のシロアリ忌避剤を床下に噴霧したら、その灯油臭みたいな溶材の臭いが結構凄かった。
それを何とかしたいと、クローゼットなどで脱臭機を稼働させた。

一方で空気清浄機能があれば、それが売りになる。
現在の低価格空気清浄器は、電気ものはセンサとファンくらいしかない。
集塵はフィルタに頼っている。
だったらDAS-303Wのように、空気清浄器として使えるレベルのフィルタを標準装着した方が良いのではないだろうか。

フィルタを外すと吸着ユニットが奥に見える。

フロント側もネジを外していけば簡単に外すことが出来る。
吸着ユニットがネジ止めされていないのはDAS-303W同様、線の出し方がDAS-303Wとは異なるが、金属部分は同一パーツのようだ。

吸着脱臭ユニットの内部もDAS-303Wと同じに見えるが、吸着プレート自体がDAS-303Wよりも薄い。
半分の厚さとは言わないが、3/2よりは薄そうだ。
吸着能力向上により薄型のものが使えるようになったのか、或いは単にコストダウンなのか。

加熱再生用のヒータがPTCになったよ、省電力だよと謳われている。
確かにヒータユニットが小型化されているのだが、これで全面が温まるのだろうか?

金属ケースは鉄なので、これによる熱伝導は(熱抵抗が大きいので)期待できない。
吸着ユニット自体が熱を伝えやすいとか、或いは低い温度でも再生が可能になったのか?
いやいや、吸着ユニットは熱抵抗は小さくはない。
湯で洗浄するときも持っていられるのだから、熱は伝わってこないのだ。
熱伝導に優先するくらいの、涙ぐましいほどのコストダウンの弊害なのか。

吸着プレートはアルカリ洗剤で洗浄したが、洗浄液は茶色っぽくなった。
DAS-303Wの時の感じから、これは汚れが溶けだしているのではないと思う。
このDAS-303Eは使用時間も短いので、色が付くほどの汚れが溶け出すとも思えない。

前面側のパネルも、ネジを順番に外していくと取ることが出来る。

繋がっている背面側も(ネジを外して)引っ張れば抜ける。
この辺りの分解性もかなり良くなっている。

フロント部分の内側のシャーシも外せばバラバラだ。

各部の基板が分割されていたDAS-303Wと異なり、ほぼ1枚の基板で完結している。

イオン発生ユニットは埃が付いていたので清掃する。

周りを暗くして確認すると放電しているのが分かる。
DAS-303Wはこれが壊れていた。
イオン発生器も多少は脱臭に寄与するかも知れないが、富士通はこれによる除菌効果を謳っている。

DAS-303WではCFLの紫外線灯でオゾンを発生させていたが、DAS-303Eは構造が異なる。
紫外線が出ていると思われるのはこのガラス管だ。

内部に電極らしきものが見えるが、放電方式なのかどうかもよく分からない。
放電方式だとするとガラスを介した無声放電が行わなければいけないのだが、これは2本の電極がガラスで覆われているように見える。

紫外光や軟X光は希ガス中に電極を置いて電圧を印加すれば得られる。
ただ電極間距離が非常に短い感じだし、ガラス管なのか電極がガラスでモールドされているのかもよく分からない。

この部分は金属ケースで囲まれているが、取り付けされている部分は樹脂だ。
樹脂は紫外線でボロボロになりそうだけど。

電源を入れてデジカメで撮ってみたが、発光は確認できなかった。
勿論目視でも確認できない。
短波長域の測れる光度計やパワー計がないので、紫外線がでているかどうかすら確認が出来ない。
短波長の光に反応する蛍光体があれば、これに近づけると発光するかも知れない。

ドライブ回路は一体型になっていて、樹脂で固めてある。

LEDのシルクがあるので、LEDを付ければ点灯するかも。

各所にコストダウンのあとが見られるDAS-303Eである。
吸着脱臭ユニットはDAS-303Wよりも薄くなった。
ヒータの簡素化によって消費電力も低減され、DAS-303Wの50Wに対して28Wと小さくなっている。
なお定常消費電力に大きな違いが無いのは、送風ファンの消費電力が支配的だからだ。

見てすぐに分かるのがフィルタの簡素化だ。
DAS-303Wは蛇腹に折られて表面積を拡大したフィルタが使われているが、DAS-303Eはコットン(合成樹脂製)の薄いものだけである。

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