トルクレンチ(2)

MELCO RACINGのトルクレンチの狂いは、エマーソンのトルクレンチとの比較で分かった。
狂っていることが分かったのでMonotaROのものと比較したが、やはり狂っている。
ただアナログ式は測定レンジが余り広くないので、本当に正確なのか?みたいな気がしていた。
そこでTONEのデジトルクを買ってみたのが昨年秋頃だったかな。

MELCO RACINGのトルクレンチが使い物にならないので、デジトルクを使っていた。
しかしデジトルクは場所によっては使いにくく、中華ディジタルトルクレンチを買ってみた。
公称誤差が±2%となっている。
中華ディジタルトルクレンチはいくつか種類があるのだが、単にセールで安かったからこれにした。
ディジタルトルクメータなんてストレインゲージで出来ているのだから、精度は出しやすいはずだ。
測定レンジが広いのでプリセット型よりも、測定カバー範囲が広い。

中華ディジタルトルクレンチ(GOYOJO)が配達されてきたので、さっそく測ってみた。
公称誤差は±2%なのだが、それは嘘だった。
20Nmを測って18前後を示すので、10%も狂っている。
その状態で力を緩めていっても表示は余り動かず、デジトルクの表示が18位になると中華トルクレンチの表示も下がり始めた。
CWとCCWで誤差があるのは普通なのだが、その中間に不感帯があるのか。
これでは計測器として使えない。

4桁表示でさほど使いにくくもないし、精度不良は故障なのか?元々なのか?
中華ものに良くある、新品なのか?と思えるような汚れがあった。
なお液晶の視野角は狭く、余り見やすいものではない。

トルクレンチは持つ場所で誤差が増える。 何故持つ場所で変化が起きるのか?
トルクレンチの持ち手部分の剛性の問題?
いや、そうではなく測定方法の問題だ。
トルクレンチはネジに加わるトルクを計測しているのではなく、持ち手を押す力を計測している。

ディジタル型で考えた方が分かりやすい。
ディジタルトルクレンチもメカニカルトルクレンチも、トルクの測定点は持ち手の中間にある。
簡単に言えば、持ち手の変形度合いを測っているとでも言えば良いだろうか。

図のグレーの線がネジに加わるトルク点だ。
青の線がトルクのセンシングポイントである。
緑の線を3kgの力で押すと、トルク(実)表示は3kgmとなりネジには6kgmの力が加わる。
赤の線を1kgの力で押すと、トルク(実)表示は3kgmとなりネジには4kgmの力が加わる。

図のトルクレンチはこちらのメーカのものを使わせて頂いた。

持つ場所で誤差が増えるが、何度カチカチやっても締め付けトルクは変わらないそうだ。
ラチェット構造になっているから難しいのだが、将来的には回転トルクそのものを測るような、デジトルクみたいなものが主流になると思う。 ディジタル式だと4桁の分解能があるので、力を加える場所がずれれば数値もそれなりに動く。

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