トーの測り方

車の前輪(或いは後輪)のトーの測り方は意外に難しい。
サイドスリップゲージから換算する事も出来るが、確度という点で余り良いとは言えない。
トーとは車両が直進する状態に於ける、車輪の向きである。

画像はレーザ墨出し器を使ったらどうかなと言う事で考えてみたものだ。
レーザ墨出し器を2台使った図になっているが、片側ずつ行えば1台で良い。

レーザ墨出し器には90度異なる方向にレーザを出すことの出来るものがあるので、それを使う。
図のようにレーザの線上に2台の墨出し器を置くと、墨出し器の緑のレーザと赤いレーザは平行になる。
黒矢印の寸法を測り、車両側面とレーザが平行になっていることを確認する。

この状態で青矢印の寸法を測るとトーが分かるのだが、タイヤが直進状態になっていなければいけない。
ステアリングをまっすぐな位置にして、左右輪の前方と後方の長さを測定し、必要であれば調整する。
アクリル定規などをセットしておけば、レーザの点がそのまま目盛りを照らしてくれる。

車の中心が分かれば、そこにレーザで線を作って中心からタイヤ内側の距離を測れば良い。
ただ車の中心がどこにあるのか?マークでも付いていれば良いがそんなものはない。
トレッドの中心は車両の中心ではない。
キャンバー角を変えればタイヤ位置が動くからだ。

レーザポインタを使っても出来そうだ。
レーザポインタ1をホイールと平行に取り付ける。
これはアタッチメントを作れば比較的簡単にできる。
レーザポインタ2をボディと平行に取り付ける。
これは少し難しくて、フェンダーとかドアとかの、車体と平行であろう場所を探さなくてはいけない。
サイドウインドゥがボディ側面と平行なら、サイドウインドゥに吸盤でレーザポインタを貼り付けるのが簡単だ。
このレーザポインタ1と2の照射点の距離を測れば、タイヤの向きが分かる。
この方法とは逆にタイヤに反射板を付けてレーザを照射し、反射光をカメラで捉えるのが3Dホイールアライメントテスタと呼ばれるものだ。

ジムニーでトーを測った時は、もっと簡単に行った。
前輪の前部のトレッド幅と後部のトレッド幅を測って比較した。
ただ前輪が完全に直進状態であるか否かは、これでは判断が出来ない。
アッカーマンアームの原理があるので、少しずつステアリング角を変えて何度か計測すると、誤差を収束させることは出来るが、かなり高精度な測定が必要だ。
ただし一々メジャーで測るのは面倒なので、レーザ距離計が良いか。
片方のタイヤにはレーザ距離計を、反対側のタイヤには反射板を取り付けておく。
タイヤのトレッド面と平行にレーザ距離計を置けば、両方のタイヤの平行度の目安にもなる。

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