昨日のインジェクタ交換の話で思い出したが、マルチホールインジェクタに交換して性能アップを狙うチューニング?がある。
最近の車は12穴のマルチホールインジェクタが使われているが、従来は1穴~4穴のものが多かった。
インジェクタを洗浄するだけでもエンジンの性能が良くなったりするが、マルチホールインジェクタを使うと霧化が良くなり性能向上が体感出来るというもの。
マルチホールインジェクタの効果はエンジン本体の設計(インジェクタの位置や角度)、燃圧によっても異なる。
従来のインジェクタはインテークバルブに向けて燃料を噴射していたわけで、バルブの熱を奪いながらガソリンが気化する。
マルチホールインジェクタはより細かくガソリンを吹くことが出来るので、吸気バルブに燃料粒を当てなくても良好な混合気が作れると謳われている。
全てのエンジンで同様では無いかも知れないが、マルチホールインジェクタに交換してCO/HCレベルが下がったという記事がある。 この事から不完全燃焼が減少したことになる。
こういう話が出てくると12穴インジェクターキットみたいな商品が売られ始める。
大容量インジェクタでパワーアップみたいな話も出てくるが、インジェクタの吐出量を増やしたからと言ってパワーが上がるわけではないし、むしろアイドリングが不安定になったりとデメリットの方が多い。 吐出量を少し増やした程度であればフィードバックで燃料調整がされるが、非フィードバック領域では燃料が濃くなる(高回転域でパワーがなくなる)可能性がある。 吐出量の大小にかかわらず無効噴射時間は似たようなものなので、制御分解能に対する吐出量変化が大きくなってしまう。
インジェクタはサイズと吐出量以外にも、抵抗値の違いがある。
インジェクタはコイルものなので、線の巻き数を少なくした方が応答速度を上げられる。
しかし線の巻き数が少ないと直流抵抗が減少して大電流が流れてしまう。
そこでECUは定電流ドライブを行う(従来は抵抗が直列に入れられていた)仕組みだ。
高抵抗インジェクタは12Vを直接印加して使用するタイプで、低抵抗インジェクタ並みの動作速度を得られるように工夫された、高抵抗型である。 双方は機械的な性能が同一だったとしても、電気的性能が異なるので流用は出来ない。
中華インジェクタは不良率が高い。
通電しなくても燃料が出てしまったり、吐出量にばらつきがあったりする。
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