車が錆びて車検に通らないという記事があった。
融雪剤の影響などで9年ほどしか乗っていない車の下回りが錆びたそうだ。
車検の時期を迎え見積もりに持って行ったら、サビが酷いから買い換えた方が良いと言われたと書かれていた。
修理コストと車の価値とのバランスだとは思うが、全体的に錆びていれば交換部品が増えるので、結果として高い修理になってしまう。
モノコック自体がボロボロなのはダメとして、サスペンションやマフラーはパーツを交換すれば直せないことはない。
マフラーは(車種によって大きく異なるが)消音器部分で3万円、全体で8万円くらいする。
ただし中古はそこそこ安く出ているので、販売台数の多い車であれば中古に交換するのも手だ。
では錆びて駄目になっている部品を交換してどの程度乗り続けられるかというと、他の部分も傷んでいるだろうから、更に4年も5年も乗れるかというとそれは難しい。
そんなこともあって買い換えを勧められるのだと思う。
一度サビが始まると、その進行を止めるのは大変だ。
フクロになっているところの内側は錆を落とせず、防錆剤も塗りにくい。
サビに関する修理をして、防錆剤も塗って、それでも数年後に又錆びてダメとなればお客さんも納得してくれないだろう。
なので整備工場としては、買い換えを勧める。
しかしユーザとしてみれば、直せば未だ乗れるのに買い換えろしか言わない、悪い整備工場だとなってしまう。
下の写真はこちらのページより。
錆びた部分の修理は整備工場ではなく板金工場へ。

サスペンションアームがサビでボロボロになり、それを交換しようとしても取り付け部もボロボロでどうにもならない、なんて例もある。
トランクに空いた穴くらいであれば補修は出来るが、強度の必要な部分は難しい。
ジムニーも結構錆びるので、サビで穴が空いて車検を断られる車も少なくない。
軽の商用ワンボックスなどもスライドドアの下とか、荷室の下とかがボロボロになりやすい。
車によって違うのかも知れないが、基本的に水が溜まりやすい(抜けにくい)ところは錆びてしまう。
太平洋側など雪の降らない地域では、10年程度で車がボロボロになることなど考えられない。
しかし融雪剤が使われる地域では、ちゃんとメンテナンスしていないとダメだ。
そしてこうした話は毎年のように語られる。
欧州や北欧、北米では防錆基準が作られている。
北欧やドイツ車に防錆塗料が塗られているのは、こうした基準をクリアするためだ。
下の表はこちらのサイトから。

マフラーや排気管の溶接部分は錆びやすい。
高温部なので耐熱塗料といえども耐久性が失われがちだ。
ちょっと価格は高いのだがPOR15 HighTempは約650℃まで耐えるとされる。
塗った後は常温で24時間乾燥させるだけなので、加温乾燥などは必要ない。

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