以前にスバルの車のピラー構造を書いた事がある。
画像はBピラーのカットモデルで、多重構造にすることにより強度を確保している。

組み立て工数が増えるので、ピラー内部の多重構造はコストがかかる。
現状でこの構造を採るのは一部の欧州車とスバルの車位ではないだろうか。
ちなみにボルボはAピラーとフロントガラス上部に強固な構造を採っている。
ボディ自体もインナーフレーム構造を採る。
インナーフレーム構造は欧州車では一般的だが、国産車ではホンダとスバルが採用している。
トヨタは86がインナーフレーム構造だと思うが、これはスバルが作っているのかな。
インナーフレーム構造によってボディ剛性を高めることが出来るのだが、製造工数が増えるのでコストが上がってしまう。
また生産ラインを刷新する必要があるので、新たにインナーフレーム構造を使おうとすると設備投資が増える。
その代わり軽量化と高剛性化が期待できるわけだが、精度を高めないと(いわゆる)チリが合わなくなる。
これは先日XにPostされていた事故映像(スロー再生)だ。
一時停止無視の自動車がアルファードに突っ込み、アルファードがコントロールを失ってレヴォーグに突っ込む。
さすがに2tを超える車に突っ込まれるのだから被害は大きい。
モロに衝突したわけではなく、擦る感じで通過していってもこんなに壊れる。
アルファード側が(アルファードからみて)左にステアリングを切ったからこの程度だったが、横転を恐れて右にステアリグを切ったらもっと酷いことになっただろう。

AピラーもBピラーも余り変形しておらず、ドライバーは軽傷で済んだとのこと。
アルファードのコースが少しずれていれば、レヴォーグを押しつぶすように衝突してきたかも知れない。
その場合はアルファードが車内に食い込んで来るようになるので、重大事故になった可能性もある。
なお一時停止を無視した車両はフロント部分が潰れたのみだった。
下の写真は逆走車との事故なので、オフセット衝突的な事故になる。
逆走したのはBMWで損傷は少なかったが、衝突された側の車の被害は大きかった。

一時停止無視の車に突っ込まれたアルファードはルーフを下にして止まった。
ワンボックスカーの多くは800kg程度の車両が、50km/h以上の速度で横から突っ込むと横転する。
従って一次停止を無視した車両の速度は50km/h程度は出ていた可能性がある。
ノーズダイブが見られないので、ノーブレーキで突っ込んだのか。
アルファードはひっくり返りAピラーは曲がったように見えるが、キャビンはつぶれなかった。


巻き添えを食ったレヴォーグの修理費用(全損)は一時停止を無視した側の保険会社から出るそうだ。
アルファードの方は過失割合が発生してしまう。
XのRep欄にはアルファードが悪い的な意見も散見される。
いくらイメージの悪い車だと言ってもそれは可哀想で、ただ速度は出ていた感じだ。
双方の道路幅は同じ位に見え、右方からの一時停止無視車との衝突なので、アルファード側に過失がなければ9:1になる事もある。
ただし見通しの良い交差点である事とアルファードの徐行が見られない(かなり速度も出ているように見える)事から、7:3位まで行ってしまう可能性がある。
残クレアルファードだとしたら、あまりに気の毒だ。
一時停止無視が原因だが、いわゆるコリジョンコース現象で相手が停車していたと感じた可能性もある。
だからといって一時停止しなくて良いとはならないのだが、田舎の方では律儀に一時停止をする車が少ないのも事実だ。
このあたりでも田畑の中を通る見通しの良い道路と交差点はある。
同じ速度で交差点に到達してしまうと思うときには、あえて速度を落として交差点への進入を遅らせることにしている。
例えこちらが優先道路であったとしても、相手側が一時停止するとは限らないからだ。
老人の運転する軽トラックも多いし。
都市部で運転するのと田舎道では、走り方というか安全確保の方法が違う。
脇道から車が顔を出していたら、飛び出てくると思わないと事故になる。
横道から出てくる車は、相手が減速してくれると思っている人が多いし、実際減速してくれる車が多い。
この距離で入ってくるの?と思うような状況でも、軽トラックがノロノロと進んでくることもある。
コメント
多重構造要らないところをギガキャストでコスト削った分でこういう所に回せれば良いのかも知れませんね。
制振には貢献しそうですが軽量化まではいかないか。
部材構造に頼らないトヨタって設計が上手いのですね。