1円で買ったUPSは動作するのか?

1円(送料を入れると881円)で購入したUPSが配達されてきた。
早速電源を入れてみると、特に異常はないように見える。
バッテリーがエンプティ表示…

そういえば発送時にバッテリーの端子を外しますと連絡が来ていたっけ。
バッテリーの内部抵抗を測ってみると、6.24mΩと小さかった。
オートバックスの自動車用バッテリーが新品で8.28mΩだったので、UPS用のシールドバッテリーって凄いんだな。

底部のカバーを開けてバッテリーの端子を接続すると、満充電表示になった。

PCに接続してセルフテストの実行とシリアル番号などを読み出してみた。
インタフェースケーブルは2千円~3千円するのだが、RJ50コネクタを持っているなら自作も出来るし、Aliexpressで買えば安い。

1台のPCには1台のUPS(の、インタフェースコネクタ)しか挿せないので、私は都度差し替えて使っている。

負荷を接続しても異常なく動作している。
バッテリーもこのまま使えそうだ。

電源が入らなくなったから出品したみたいな説明だったが、何が起きたのだろう?
このUPSはセルフテスト機能があり、どこかに異常があると液晶画面にエラー番号が表示される。
キズなどもなく筐体は綺麗だし、1円で買っちゃって申し訳ない感じ。

せっかくなのでUPSの出力側の配線を整理する事にした。
プリンタは停電が起きると、ちゃんと電源スイッチで電源を切れと怒る。
理屈としては電源OFFの前にプリントヘッドの詰まり防止の処置を施す為なのだが、プリンタのくせに、みたいな。
今回UPSが増えたのでプリンタも接続しておいた。
これで文句はないだろう。
ただしプリンタは(インクジェット方式であっても)ピーク消費電力が大きいものがあるので、UPS接続時には注意を要する。

今回購入したものは正弦波出力型で液晶のコントラストが高い。
ウチにある(写真に写っていない)もう1台のRS550Sもコントラストが高い液晶なので、モデルチェンジ時に仕様が変わったのだろう。
左がPCに接続されている550VAのもの、中央がノートPCやネットワーク機器に接続されている400VAのもの、右側が今回購入したもので3台のモニタと3台のプリンタに接続した。

従来モニタは中央のUPSに接続していたのだが、今回右側のものに接続し直したので中央のUPSの負荷が減った。
左側と中央のものは疑似正弦波で、右のものは正弦波出力タイプだ。

負荷を接続せずにUPS自身の消費電力を測ってみると実測で7W食っている。
RSシリーズはラインインタラクティブ方式で、仕様上の内部電力消費量は10Wから30W(負荷により異なる)となっている。
RS1200(1200VA)の自己消費電力は15Wから39Wなので、大型のものに集約した方が効率は良くなる。
中古価格もRS1200の方が割安感があるが、出物が少ないかな。

PCの電源を切ると、消費電力は下の写真のようになる。
中央のUPSの消費電力も減るが、これは外付けHDDがスリープになるからだ。
これは200GBのHDDが4台入っていて、連結して1台の1TBとして見えるというもの。
発売当時価格何と約10万円!
今となっては無駄に40W以上の電力を食っているだけみたいな感じなので、この機会に外すことにした。

左のUPSはPC専用にしたので、PCをスリープにすると消費電力は1W表示になった。
PCをスリープにしてもUSBなどは生きているので、その分電力を消費している。
ハイバネーションにすればほぼゼロになる筈だ。

PCのみの接続にしたので、負荷テストをしても大丈夫かな。
まずはCPU使用率を100%にしてみた。

このままの状態で、さらにGPUにも負荷をかけてみた。

RS550の最大定格は330Wなので、ギリギリ足りている。
でもこれでHDDが動いたら、UPSがピーピー鳴るかも。

GPUといってもショボいものなのでこの程度の消費電力だが、ある程度の処理能力のあるGPU搭載PCだと、550VAのUPSでは足りない。
通常使用時で80W~130W程度、操作せず放っておくと60W程度に落ちるのはHDDの電源が切れるからかな。

より大型のUPSを使えば余裕が出来るが、750VA以上のものはバッテリーが2個以上必要になる。
バッテリー2個のものだとAPCのSMTシリーズがあり、PCとUSB接続出来たりネットワークカードが使える。
RSシリーズが家庭用なのに対して、SMTシリーズは業務用という位置づけなので機能/性能も満足出来るものになる。
ACラインの安定化電源機能だとか、ラインフィルタも入っている。
バッテリー寿命は実力値として7~8年あるようなので、新たにUPSを導入するとか、買い換えるのなら選択肢になり得るかな。
ウチの場合はPCやモニタの消費電力が増えてUPSを増設したのだが、台数を増やしても得なことは余り無い。

実は別のPC用のUPSも容量がギリギリで、そのUPSに接続されていたネットワークストレージユニットを、今回増やしたUPSにつなぎ替えた。
これで約20Wの負荷が減る。
当初はAPCのES300(だったかな)を使っていたのだが、PCを新しくしたら電力不足に陥り、RS550に変えたのだった。
しかしその後又PCの仕様を変え、モニタを増やしたものだからギリギリになった。
今思えばES300を廃棄せずに、RS550と2台構成にしておけば良かった。

バッテリー寿命が長いという事で、OMRONのUPSではLi-ionバッテリーを使ったモデル(BL75Tなど)があるし、APCでもLi-ionバッテリーモデルがある。
バッテリー寿命は8年~10年とされている。
UPS本体の中古は安いのだが、バッテリーを買い換えるとなると高い。

UPSの中古が安いのは、交換用のバッテリーが高いからだ。
中古の安いUPSを買って来てはバッテリーを交換するという事は、20年以上前からやっているわけで、進歩がないなぁ。

図はOMRONのサイトより

常時インバータ方式
常時インバータ給電方式流れ図

ラインインタラクティブ方式
ラインインタラクティブ流れ図

常時商用給電方式
常時インバータ給電方式流れ図

ジャンクのUPSを買って来る→バッテリーを交換して使い始める→バッテリーが駄目になる→新たなジャンクのUPSを見つけて交換する→古いUPSを廃棄する、こんな事の繰り返しをやっている。
UPSばかりではないな、Roombaだってダイソンの掃除機だって同じだ。

以前のAPC製はバッテリー寿命が短かった。
充電電圧が高いのですぐバッテリーが駄目になってしまったし、バッテリーが発熱し膨らんでUPSから外せないなんて事もあった。
OMRON製はその点問題がなく、バッテリー寿命が長いと好評だった。
その後APCも心を入れ替えて充電電圧を13.5V前後(従来は14V以上)にし、温度補償も行うように変更された。
ただバッテリマネジメントはOMRONの方が優秀な感じがする。

高信頼性環境を作るのならば常時インバータ方式が良い。
電源側と負荷側が完全に絶縁されているものは、AC側のスパイク性ノイズや瞬断、誘導雷のサージなどもUPSが吸収してくれる。

ヤフオクは条件指定しないと検索しにくくなったのだが、500円以下のUPSは結構出ている。

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