コミックマーケットでのスマートフォン通信事情、以前は混雑のために接続が出来ない事業者もあり、使う側も苦労したり工夫したりしていた。
LTEが開始された当時はLTEをOFFにすれば安定して3G接続が出来ると言われた。
特にドコモのLTE(当時はXiと名乗っていた)は不安定で、スマートフォンは発熱してバッテリーを急減させた。
3Gに対してLTEは高速通信と多元接続が可能になったと言われたものの、現実的には不安定接続の代名詞くらいの感覚だったのである。
その後徐々に改善されて空いていれば高速通信が出来たものの、人の多く集まるエリアでは上手く通信が出来なかった。
ソフトバンクはWiFiのAPを背負った人を配置するなど、モバイルネットワーク自体を諦めたみたいな事を、当時からやっていた。
スマートフォンの普及が加速すると共に、平均データ使用量も増大した。
それに合わせて移動基地局車の配置やセル分割なども行われ、何とか不便なく通信が行えるようになった。
そして5Gサービスの開始となる。
5Gでは更なるパフォーマンスが期待出来ると謳われたが、実際にユーザが感じるメリットは少ない。
周波数帯域の拡大は加入者収容数と通信速度にメリットをもたらすが、それは4Gでも可能なことだ。
人の多く集まる場所では広帯域のミリ波を使うなどが有効なのだが、エリア設計の難しさや無線機の設置場所の問題もあって、常設以外での設置は意外に難しい。
ドコモは基地局車台数を増やしてセルの分割やミリ波対応を行い、KDDIはDual Band Massive MIMOやMulti-User MIMOとビームフォーミングで、こちらもセル半径を小さくして対応する。
ソフトバンクはミリ波対応移動基地局車に加え、ハイパワーWiFiでセル半径を100mまで拡大して対応しようとする。

楽天:23.3Mbps
LINEMO:384Mbps
ahamo:87Mbps
povo:479Mbps

ドコモ:22.2Mbps
au:1.37Mbps
ソフトバンク:812Mbps
楽天:0.14Mbps

楽天の移動基地局車は5Gに対応しているそうだが、電波は出ていない。
さすがに割り当て帯域の狭い4Gでは満足な通信は出来ない。

楽天は収益改善最優先で設備投資を行わなかったので、色々と問題が起きている。
ドコモにも言える事だが、いったんこうなると回復には多くの時間を要する。
せっかく割り当てられた700MHz帯も殆ど使っておらず、広帯域を持っている5Gも整備されていない。
700MHz対はAST SpaceMobile衛星通信用に(干渉を避けるため)空けてあるみたいにも言われているが、本末転倒だ。
衛星リンクは高い周波数を使った方が有利で、それは高いアンテナゲインと狭い半値角が得られるからだ。
楽天は700MHz帯で衛星と通信すれば、屋内まで衛星の電波が届くと考えているようだ。
ただ元々弱い電波なので空が見えていないと難しいと思うし、セル半径が大きくなりすぎて平均通信速度が遅くなる。
楽天はアンテナ一体型の無線機を使っている。
確かにローコストで手軽な設置が出来るのだが、マルチバンド構成にする時にはポールの上に沢山の送信機一体型アンテナを取り付けなければならない。
三木谷氏は(最初は)ハードウエアの変更なしにソフトの変更だけで出来る、アンテナは共用出来る、小型のアンテナでも楽天のものは性能が良いから問題ないと言っていた。
まあ実際にはそうは行かなかったので、バンドごとに無線機付のアンテナを設置することになり、ポールはトップヘビーになっていった。
拡張性を考えなければアンテナ一体型無線機で良かったと思うが、移動体通信システムというものは必ず変化の起きるものなので、将来性を考えた時に何が最も得なのかまで考えなければいけない。
楽天には移動体通信に詳しい人がおらず、社長も三木谷氏も通信は専門ではない。
なので方針が定まらなかったり、間違った方向に行こうとしていることを修正することが出来なかったりする。
楽天は修士号を持った人を募集していたが、移動体通信のオペレータに必要な人材とは少し異なる。
学歴はあって邪魔になるものではないが、運用のノウハウとは別のものだ。
逆に今の時代であれば、AIやシミュレータで多くのことが片付いてしまう。
しかしそれを活かすためには経験が必要だ。
移動体通信事業者にも開発や研究者は必要ではあるが、楽天に必要なのは運用技術者だ。
楽天は、楽天にとってどんな人材が必要かも分かっていない可能性がある。
楽天モバイルスタート当初にも、学生のサークル活動みたいだと言われた。
プロ意識の欠如した状態は、開業から7年を経過した今も変わっていない。
楽天はローミング切れ問題もあるので、今後は更に苦しくなってくるだろう。
現在はエンジニアは募集しておらず、助成金を貰うために役人とコミュニケーションを取れる人を求めている。


ソフトバンクも人材に関しては苦労をしている。
元々はVodafoneを買い取ったのでエンジニアはいたのだが、社風を嫌い優秀な人は退職した。
その後EMやWCPを買収するも、ほぼ同様に優秀なエンジニアは早期にソフトバンクを離れていった。
それでも多少の技術者は残り、開業から15年ほど経過すると落ち着きを見せるようになった。

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