ASUS RT-AC87Uルータの放熱を強化する

家電製品

最近のルータはどれも発熱する。
バッファローのWXR-1900DHP3は触れないほどではないが、Aterm WG2600HP3は結構熱い。
ASUSのRT-AC87Uは、室温約26度の時に上面が50℃位に温まり、かなり熱い印象である。

WG2600HP3は樹脂製の筐体を放熱板として使う構造で、内部のデバイスは筐体に対して熱結合されている。
熱伝導性プラスチックが使われているか否かは不明だが、筐体の裏側は温度が上がる。
そこで筐体の裏側にヒートシンクを付けている。
本当は発熱するデバイスに、低熱抵抗でヒートシンクを付けるのが良いのだがそれは面倒だ。
筐体の裏側に、熱伝導性コンパウンドを塗ったヒートシンクを密着させるだけで、筐体裏側の温度を40℃程度(室温約26℃の時)まで下げることが出来た。

通常のABSだと熱伝導率は0.3Wm・K位だが、熱伝導性プラスチックはその10倍から100倍の熱伝導率となり、金属に近い。

手持ちのヒートシンクを使ったのでいささか格好悪いのだが、筐体の熱はヒートシンクに伝導し、ヒートシンクが温まっている。

これと同じ方法でASUSのRT-AC87Uにヒートシンクを乗せてみた。
しかしRT-AC87Uの筐体温度は余り下がらなかった。
RT-AC87Uは筐体に対して放熱しているのではなく、内部にヒートシンクが入っていて、その熱で筐体が熱せられている。

従って筐体の表面温度を下げても、デバイスの温度が下がるわけではない。
(内部温度が下がれば多少は効くかも)

横部分に通風口が開いているが、平置きした場合はまさに横であり対流が起きにくい。
上面カバーには通風口はない。
ヒートシンクのフィンの向きを考えると、右(左)の通風口から左(右)の通風口に空気が流れるように、縦に設置するのが良い。
と言ってもこのルータは形状的というかアンテナやケーブルの位置というか、そもそも平置き用になっている。

最も発熱するのは中央にある大きめのヒートシンクで、左右の少し小さなものは45℃位までしか温度が上がらない。
中央のヒートシンク下には5GHz帯用のトランシーバが4組入っている。

SH1と書かれている、これはそこそこ熱くなる。
SH1はCPU用のヒートシンクだ。

SH3と書かれている、コイツはさほど熱くならない。
SH3は2.4GHz帯用のトランシーバが入っている。

筐体の中の空気が筐体を温めているので、この場合は強制空冷が効きそうである。
だが強制空冷は少なからずファンの音が出る。
薄型のシロッコファンであれば、ヒートシンクの上に乗せることが出来そうだが試してみたわけではない。

と言うことで、ヒートシンクを大型のものに変えてみることにした。
装着されているヒートシンクを外し、新たに大型のものを付ける。
と思ったのだが、手持ちにちょうど良い大きさのものがない。
手持ちのものは少し大きく、中央のヒートシンクをこれに変えると左右のヒートシンクにぶつかってしまう。
そこで(効率は悪化するが)ヒートシンクを二階建てにする事にした。

筐体に穴を開けてヒートシンクをはめ込み、熱伝導性コンパウンドを塗る。
筐体は意外に強度があって、最初はカッターナイフで切ろうとしたのだが時間がかかりすぎる。
熱で溶かそうとホットナイフを持ち出すも温度が足りず、半田ごてで溶かした。

あとは蓋を閉めて完成なのだが、ヒートシンクが飛び出しているので外観は悪い。

この大型ヒートシンクのおかげで温度は下がり、中央のデバイスのオリジナルのヒートシンクの温度は35℃になった。
追加したヒートシンク自体もほんのり温かい程度で、猫が乗っても火傷はしないだろう。
筐体の温度も39℃となり、6℃ほど下げることが出来た。

CPU負荷を上げるにはUSBストレージにアクセスするのが一番なので、USBストレージのファイルコピーを行いながらWi-Fi経由でスピードテストを行ってみた。
CPUは筐体右側(LEDが付けられている方を手前にして)に付いているが、筐体の温度が凄く変化する風でもなかった。

内部には電解コンデンサもあるので、出来るだけ低い温度で使いたい。
ヒートシンクの大型化よりも強制空冷の方が良かったかも。

今は改善されているかも知れないが、ASUSはネットワーク機器の修理を直接受けていない。
このルータは2年保証とされているのだが、修理拠点がないのだ。
ASUSに問い合わせると販売店経由で修理に出せと言われるが、販売店は「修理は受けられないからASUSに聞いてみて欲しい」という。

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