スーパーサイクロン掃除機DT-S1309なるものを見てみる。
大森トレーディングという所が輸入販売していたようで、おそらくは中華ものだろう。
これが動作しなくなったという。
電源スイッチが壊れたとか?線が外れたとか?ヒューズが切れたとか?
早速中を見てみることにするが、何やら粉塵的ものが多く付着している。
吸入側は掃除したのか汚れはさほど多くないのだが、ポストフィルタ側が真っ黒に汚れている。
まるでディーゼル排ガス規制前の、幹線道路沿いに住んでいた人の使った掃除機のようだ。
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線の途中に膨らみがあるが、中身は管ヒューズだった。
ヒューズは溶断していなかった。
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丸い穴がシロッコファンの吸入口で、写真左側(ハサミが写っている側)に排気される。
四角い部分にポストフィルタが装着されていて、これが真っ黒に汚れていた。
モータ部のカバーを外してモータを取り出す。
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何か黒い粉状の汚れが付いている。
手についても洗えば落ちるが、拭っても落ちないような微細な粉末だ。
モータ自体は普通のブラシモータである。
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能書きによれば入力電力は1.2kWだそうだ。
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力率改善、ではなくてノイズサプレッサかな。
コンデンサが付いている。
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導通を見てみると、ブラシとコミュテータの間が怪しい。
そこでブラシを外してみた。
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特に異常はない。
反対側は…
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明らかに異常である。
途中で折れてしまったかのような感じで、残っているのは破片だけだ。
このブラシの粉がポストフィルタを汚したのか。
ブラシ自体は安いものなので、似たようなサイズのものを買ってきた。
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線の長さが違うので、両方を組み合わせるか。
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電流が流れる場所なので、半田付けは適切ではないがとりあえず。
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そしてスイッチオン!
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部屋が明るくなるほどの大光量!
って言っている場合ではない。
これではあっという間にブラシがなくなる。
モータを解体してコミュテータを見てみると…
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バキバキのガリガリである。
でもこの状態で、何故片側のブラシだけが減ったというか壊れたのだろう。
両側壊れてもおかしくはない。
これはもう直らないよなぁと思ったが、一応磨いてみる。
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電動ドリルに付けてサンドペーパで磨く。
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一応綺麗にはなったのだが、一番酷い箇所はコミュテータが減っていてどうにもならない。
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これはそのままにしてモータを組み立て、ブラシを組み付け、電源ON!
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多少マシになった程度だった。
中華モータの限界と言う事で、廃棄して貰おう。
サイクロンと言えばダイソンが有名だが、この掃除機は一時渦しか作らない。
最近では国産のサイクロン掃除機も、二次渦を作るダイソン方式が増えてきた。
二次渦発生器があってもゴミ分離が中々上手く行かないのに、一時渦だけでは無理なのだ。
せっかく分解したので、サイクロンを謳う掃除機がどうなっているのか。
ダストボックス全体はこんな感じだ。
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写真右側の口から吸引され、左側の口からゴミを吸い込む。
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二次渦発生機構がないので、中は空っぽ。
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一時渦は矢印のような空気の流れによって作られる。
単に遮蔽があるから空気が一定方向に流れますよと言う、この部分はダイソンとそう大きく違わない。
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せめて斜めにしたら良かったのに、直角に曲がるのだから抵抗が大きいだろう。
ダイソンでもV10以降は、空気通路を複雑に曲げていて効率が悪い。
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大きく3つのパーツに分解できる。
この透明なケースにゴミが溜まる。
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筒の中はネジを外せば分解できる。
ダイソンのように内部が汚れていないのは、そもそもゴミが分離されずに排気されるからかも。
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Oリングなどが付いているのだが、機能部品なのか飾りなのか…
この内部は特段渦が出来るような構成にはなっていない。
ダイソンの場合はここに二次渦発生機構が鎮座するが、この掃除機には何もない。
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構造は単純で簡単、これでサイクロンを謳えるのだから勇気がある。
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三角のものの中央から吸引される。
ブルーのフィルタにひっかかなかったゴミが三角のフィルタに…
いや、三角のフィルタの方が目が粗いから意味がないか。
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分解されたときに、何かやっているよ的な雰囲気を醸し出すためかも知れない。
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