超音波スケーラーをバラす

家電製品

水の出なくなった超音波スケーラーを入手したので、バラしてみる事にした。
超音波振動はするので、超音波カッターにでも改造できないかと思ったのだが、パワーが15Wしかないのでカッター用としては弱い。
プラスチック板などを切るには50W程度の出力は欲しいし、工業用だと500W程度の出力がある。

スケーラーの刃をプラスチックに当てても削ることは出来なかった。
塗装された金属にくっつけると、塗装を剥がすことは出来た。
まあ歯石が取れるのだから、この程度のことは出来ても不思議ではない。
歯石を取るためには切れる刃が必要で、既にこのスケーラーの刃は寿命を迎えている。

昭和の機械なので、昔懐かしいトランジスタが実装されている。

15W出力なので電源トランスも大きくはない。
電磁バルブは歯に水をかけるための、水路のバルブである。
水なしで歯石を削るのはやめた方が良いと、歯科医が言っていた。

回路としては超音波発信部とドライバ回路と言った感じ。
ディスクリートで組まれていて部品数は多めだ。

ドライバー部分には大きめのパーツが見られる。

振動子部分は、中々分解できなかった。
そもそもどこから開けるんだ?みたいな感じだったが、小さなイモネジを見つた。
これを外せば刃を付ける部分(刃は”?”型しているもの)を引っ張れそうだ。

刃を付ける部分を引っ張り出すと言うことは、振動子?に接続された電線も引っ張られると言うことになる。
そこで電線側も外す。

電線が2パラになっているのは、単に線抵抗を下げるという話ではなく、リモートセンスか断線検出(コネクタ外れ検出)しているのかも知れない。

線を外して、刃の付く部分を引っ張ると中身が抜けてきた。
抜く時に、力を加えると前に移動してくるのだが、力を抜くとスリーブの中に戻っていく挙動があった。
これは磁力によるものだったのだ。

フェライトコアに線がまいてあるのだが、これはフェライト磁石だ。
フェライト磁石に線がまいてある物体の下にあるのが、刃を付ける金属部分である。
左側に出ているのは、フェライト磁石の中に入っている構造の棒状金属の磁石だ。

線が出ている側には円筒形で、真ん中に四角い穴の開いた磁石が付いていた。
穴は電線を通すためのものだ。
この円筒形の磁石はスリーブに固定されていたようなのだが、スリーブを振ったらポロッと出て来た。

これでどこを支点にしてどこが振動するのかがよく分からない。
刃の付く部分を見ると、フェライト磁石に線をまいたものも、中心の金属磁石も、接着されていたような跡がある。

名前を忘れてしまったが、溶かして接着する松ヤニ的な、アレである。
ホットボンドではない。
昭和の頃に使われていたアレだ。

線をまいたフェライト磁石と、その中心に入れられている金属の棒状磁石、これらが前後に振動するとすると、線が出ている側に付けられている円筒状の磁石(中央に角穴)との間に力が加わるのだろうか。

なんかバラバラにしてしまったし、元に戻してもまともに振動はしないだろう。
とは思ったが、一応組み立ててみた。
線を通すのに、線に細い先に通してからコイルの線をそれに半田付けし、細い線を引っ張ってスリーブに通した。

電源を入れると振動はするのだが、振動強度が今ひとつだった。
円筒形磁石はスリーブに接着されていたような痕跡もあるので、接着すれば振動強度が上がるのかも知れない。
と言っても何も使い道がないので、このまま廃棄することにした。

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