さび止め塗料を比較する

自動車&バイク

不要となったジムニー用のディスクローターを放置していたのでかなり錆びた。
そこで、このサビを落とさない状態でいくつかの塗料を塗ってみた。
サビ転換剤はサビの上から塗れるのだが、さび止め塗料系のものはサビを落としてから塗る事が推奨されている。
果たしてどの位の差が出るのだろうか。
試験開始は2021年12月19日、試験終了は2022年12月18日である。

写真は上が試験開始時、下が試験終了時のもので試験終了時にはドライバーで傷を付けて塗料の剥がれ具合を見てみた。

2022年12月の様子

2023年10月の様子

ディスクロータにテープを貼って分離したが、スプレー式のものは浸透してテープの下にも入り込んだ。
塗布後ディスクロータは水平な状態で雨ざらしにする。
日陰ではないが積極的に光を当てるわけではなく、屋根のない場所に放置するだけだ。

サンハヤトのハヤコートは錆止め剤ではなく、プリント基板などに塗布するコート剤だ。
防水効果は高く、これでコーティングした基板は水中に入れても十分な絶縁抵抗を維持する。
浸透性が高いので部品の隙間やスルーホールの中にも入り込む。
したがって半固定抵抗などにスプレーする事は出来ない。

コートされた部分は多少の色の違いとして残っている。
ドライバーで傷は付くが、コート剤は意外に固い感じがする。

三彩化工のレノバスプレーは、スプレー式のサビ転換剤で粘度は低く透明である。
刷毛が届かないような狭い場所などに塗布するのにスプレー式は便利だ。
これも粘度が低く、テープの下に浸透した。

スプレーした部分はうっすらとしか分からない。
ドライバーの傷跡から多少(スプレーしていない部分と)違いはあるが、大きな違いではない。

ニッペのさびチェンジは古くからある元祖錆転換剤だ。
乳白色で、乾燥すると透明に近くなる。
赤さび部分は黒く変色し、いわゆる黒さびに転換されるというもの。

黒さびに転換された部分は残っている。
ドライバーで削ると黒さび部分が剥がれる。

NAB-ZIのサビキラーは錆転換剤だが銀色のものだ。
メッキ部分などに塗ると目立たないので使いやすい。
さびチェンジと異なり、塗面にも塗る事が出来る。
また浸透が足りない(塗りが足りない)場合は、塗布面が茶色や黒に変色して(塗りが足りない事が)分かるようになっている。
さびチェンジ同様に水性である。

錆が浮いてきてしまっている。
その割に、ドライバーで擦ってもペリペリと剥がれるようなことはない。

2023年10月の様子

アサヒペンの油性サビ鉄用は赤さび色(銀色のものもある)の、鉄剤用さび止め塗料だ。
これもごく一般的なものだが、錆転換剤とは異なりサビを落としてから塗る事が推奨されるが、能書きとしてはサビを落とさなくても良いよと書かれている。
油性で粘度が高い。

さすがさび止め塗料と言って良い。
ドライバーで擦っても金属部分にまで傷が到達しなかった。

2023年10月の様子

アサヒペンの油性速乾サビドメは、さび止め塗料の銀色(赤さび色のものもある)のものだ。
これは錆の上から塗れるとは書かれていない。
無鉛で合成樹脂系と書かれている。
赤さび色の塗料に比較すると多少粘度が低い、油性のものである。

赤さび色の錆止め剤同様、錆が浮いてくることもない。
皮膜の強度も弱くはない。

2023年10月の様子

ここからは塗料ではなくグリスだ。
グリスはさび止めとは異なるが、置換作用があれば水分を金属面に寄せ付けない。
水分とグリス分が置換される事により、金属表面に水分が付かないようになる。
品名は正確に覚えていないが、たぶんワコーズのHMG-Uハイマルチ 高荷重用多目的グリスだと思う。

2023年10月の様子

ドライバーで擦れば金属面が見えるが、グリスに砂埃が付着して厚みが増したようになっていて錆を防いでいる。

2023年10月の様子

グリスの2つめは、これもごく一般的なウレアグリスだ。
共同油脂のエクセライトだったと思う。
ウレアグリスの中では最も安定していて、防水性に優れると書かれている。

ボソボソした感じで油分が減少しているように思える。
ただし金属面から剥がれたりはしていない。

2023年10月の様子

最後はモリブデングリスだ。
リチウム系モリブデングリスで、高荷重で安定した性能を示す。
MonotaROのPB商品だ。

モリブデングリスは水に弱いと言われるが、他のグリスよりも落ちやすいようだ。
金属面に残ってはいるが、錆が浮き出てきている。

2023年10月の様子

もう一つオマケに、空いた場所にスプレーグリスも吹きかけてみた。

殆ど存在がなくなってしまっている。
錆の状態も、何も塗らない部分とあまり違わない。

スカイウエイブのフレームに塗ったPORなども試してみたかったが、手持ちがなかった。
PORは錆の上に直接塗ることが出来て、強固な皮膜を形成する。
一方で錆のないところに塗ると、下地の状態によってはペリペリ剥がれてしまう。

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