タカギの散水タイマが壊れた(3)

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電池ボックスの接触不良を直し、結露防止のためにコーティングを行い、しばらくは普通に使えていた。
しかし先日又動作しなくなっていた。
結露防止のコーティングを基板の片面にしか行わなかったからなのか、それとも根本的に不安定な部分があるのか。

原因を考えればキリがない。
CPUの内部不良、内蔵RAM不良なども考えられなくはない。
水晶振動子の発振不安定も考えられる。

簡単に故障が再現できるのなら見てみるのだが、どのタイミングで不動になるのかさえも分からない。
どうにも信頼性が低いので、新たに散水タイマを買おうかと思った。

タカギの現行品は実売価格が9千円前後だ。
これでもいいのだが、任意のタイミングでの水やりだとか設定の変更はタイマの設置してあるところに行く必要があって面倒だ。
散水栓は外にあるわけで、特に今使っている水栓は元々は水抜きバルブ(凍結防止用)であり、階段の下の低い場所にある。
夏場と冬では散水時間を変えたい事もあり、一々散水栓の所に行かずにリモート制御できるものの方が良い。
散水栓からホースを引きホースの途中に散水タイマを付ける手もあるのだが、凍結その他でホースに穴が開くと水が出っぱなしになって悲惨な目に遭う。

やはり蛇口のバルブ近くに散水タイマは付けるべきで、その部分は凍結防止策をしておく。
ホームオートメーションと言えば中華もので、こんな製品がある。

いや、だったら電磁弁とスマートプラグで良いじゃないか。
タカギの(不安定な)散水タイマの電磁弁を外部から制御できないか。
まずはタカギの散水タイマの電磁弁と、その制御を見てみる。

端子の電圧を見てみると、この電磁弁はラッチ型だと分かった。
ソレノイドの鉄心部分に永久磁石が付けられていて、開/閉時に短時間だけ電圧を加える。
開か閉かは極性で切り替える。
乾電池動作品なので、電力消費を最小にするための部品選択だ。
この電磁弁を使うためには多少のロジックを組む必要があり、常時電源も必要になる事から使用を諦めた。

確か以前に買った電磁バルブがあったはず。
ジャンク箱をひっくり返して、見つけ出した。

これがそのまま使えるのだが、制御電圧に24Vが必要だ。
電流は100mA程度流れた。

24V出力のACアダプタなんかあったかな。
再びジャンク箱をひっくり返し、ACアダプタを探す。

こんなにあるのに、24V出力のものがない…
12V用を2個直列に使うかなぁ。
いや、12V用のACアダプタの電圧を上げれば良いか。
生け贄になるのは東芝製の12V出力のACアダプタだ。

非分解構造のケースを無理矢理開け、内部を見る。
出力側の電解コンデンサの耐圧が25Vなので、24Vはさすがに厳しい。
25V/330μFの電解コンデンサが2個並列で実装されている。

コンデンサを変えてしまう手もあるが、大きさ的に入るかな。
とりあえずは電圧アップの改造を行う。

適切な抵抗値を得るために2本直列にして…
しかし20Vを超えると過電圧保護が働くのか、出力電圧が不安定になる。
電磁バルブ自体は20Vでも動作するので、20V弱にしておこうか。

この辺りが上品だろう。
20Vの電圧に対して24Vのコンデンサでは不安はあるのだが、動作時間が1日あたり1分と短い事もあるので、とりあえずはこのまま使う。
電解コンデンサの印加電圧が定格電圧を超えてはいけないわけだが、スイッチング電源の場合はリップル電圧のピークもコンデンサの最大定格を超えてはいけない。
また電解コンデンサの寿命は定格電圧に対する使用電圧で決まる(余裕があるほど寿命が長い)など、通常は使用電圧の1.5倍程度の余裕を見る。

電磁バルブは12Vでは動作しないが、16V位を印可すると動作する。
24Vに対して19.6Vに電圧を下げても、動作電流はさほど減らないのでバルブの動作は大丈夫かな。
実際に水圧を加えて試したが、19.6Vで問題はなかった。
ただし経年劣化や温度変化など、19.6Vで絶対大丈夫かと言われると何とも言えない。

動作確認後はバルブとACアダプタを接続して完了だ。
スマートコンセントはいつも使っているものを使用する。

アレクサ連動も出来るし、アプリ側でタイマ設定が出来る。
タカギのタイマは1分が最小分解能、アプリ(TAPO)も同様なので1分以下の散水時間には出来ない。
TAPOアプリだと日の出や日の入り時間などの設定(地域の日の出や日の入り時間をアプリが計算してくれる)も出来る。
水やり時間や手動での起動など、スマートフォンから出来るので、季節ごとの設定変更は大幅に楽になった。

自立タイマは当然時計が徐々に狂う。
散水タイマなので10分くらい時刻が狂っても影響はないが、時計が狂っているのは気分的には良くない。
時計である以上正確に時を刻んで欲しいわけで、その点アプリの時計は狂わない。

タカギの散水タイマを使っていたときも、散水タイマ周りは発泡スチロールの箱で覆っていた。
直射日光の防止と冬場の凍結防止の意味からだ。
今回のバルブや電源、スマートコンセントもその発泡スチロールの箱で覆われている部分に入れた。
これで雨なども入ってこない。

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コメント

  1. オビ より:

    散水するのにこのような機会があると初めて知りました。
    有意義な情報ありがとうございます。

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