オイルの銘柄選びは人それぞれなので、自分の好きなものを入れれば良い。
どの銘柄のオイルが良いのかなど同一条件でテストを行うのが難しく、自分が良いと思うオイルを使うのが一番だ。
ただし最近のエンジンは色々と指定があるので、昔の車ほどおおらかではない。
自動車メーカの純正オイルが高いから、メーカ認定のカストロールにしたという記事があった。
オイル代が安くなったので交換サイクルを短くしたと書かれていたが、それで良いと思う。
個人でワコーズを選ぶ人は少ないが、ショップはワコーズを勧めるところが多い。
価格統制がしっかりしているので値崩れが少なく、結果としてショップの利益が確保される構造か。
あとは添加剤や消臭剤など色々なものを販売しているので、仕入れが一カ所にまとめられる。
また特定のメーカのみではなく、ワコーズのオイルは多くのメーカに適合すると(ワコーズは)言っているので、在庫が楽になる。
和光ケミカルの従業員数は560名で、2018年当時から10名の増員だ。
全従業員の8割以上が営業職と言う事だが、一応開発部門も持っている。
ベースオイルや添加剤を元売り系などから購入し、独自のブレンド比率を確立し、製造メーカに発注する。
一部の添加剤は完全なOEM(他社製品と内容物は全く同じ)らしいが、営業力で売っていく。
ワコーズのエンジンオイルはいくつか種類があり、例えばPRO STAGE Sだと一般小売価格は20リットルで4万円位になる。 しかしショップでこのオイルに交換して貰うと、安いところでは1,280円/リットル位の価格が付く。
卸価格が小売価格の8割位だとすると赤字なので、それなりの仕入れ価格なのだ。
昔から油脂類は卸値が安いと言われていて、ショップの儲け口でもあった。
ワコーズのPRO STAGE Sは剪断安定性が4%で動粘度指数が156となっている。
カストロールEDGEは同1.7%/178、MOTUL8100は1.3%/173、Mobile Rally Formulaは1%/156である。 剪断安定性は数値が低いほど経時変化が少なく、動粘度指数は高いほど粘度変化が少ない。
PRO STAGE Sが3.7万円/20リットルだが、剪断安定性や動粘度係数に優れるEDGEが2万円/20リットルだ。
オイルが安売りされたりすると、某ショップのオヤジは「仕入れルートの分からないオイルは偽物だ、そんなものは怖くて使えない、ウチのオイルは本物だ」と言っていたっけ。
輸入車を扱うところだと、数種類の銘柄のオイルを揃えている所もある。
自動車メーカによって指定のオイルが違うなどが理由で、共通のオイルで代用出来ない場合があるからだ。
特にクリンディーゼルはスス問題やDPF問題があり、指定のオイルかそれ以上の品質のものが求められる。
日産純正オイルは部分合成で20リットル/1万円くらい、全合成だと20リットルで1.1万円位である。
トヨタキャッスルオイルは鉱物油が20リットル/1万円くらい、全合成油は20リットルで1.3万円位だ。
全合成油と鉱物油の価格差が少なくなったのは、全合成油を指定する車が増えたので製造量が増えたからか。
各メーカ共に純正オイルを販売していて、価格も似たようなものだ。
ジムニーにはトヨタキャッスルオイルを使っていて、その前はMonotaROのPBだったかな。
メーカ純正オイルよりMonotaROのPBが良いみたいな話もあったが、その後値上げされて人気も下火に。
トヨタGRオイル(ENEOS製?)は特定の性能を上げたもので、用途がマッチすれば高性能なオイルとなる。
価格はさほど高いものではなく、使っている人もいるのではないだろうか。
GRが流行れば何にでもGRを付けるというのは、一時期日産がワンボックスカーにまでGTエンブレムを貼り付けたのと同様だ。
GR Touringは一般車用で、評判は悪くない。
同じ速度で走るのにエンジン回転数が低くなり燃費が良くなった、アクセルを踏まなくても速度が出るようになったみたいなレビューが氾濫しているところに、一般ウケを見ることが出来る。
1万円のオイルを1万km使うなら、5千円のオイルを5千kmで交換した方が良いと個人的には思っている。
ただ最近の低粘度オイル仕様車やクリンディーゼルなど、銘柄が指定されている場合があるので、その場合は安い(規格に合致しない)オイルを入れるのは避けた方が良い。
ジムニーには鉱物油という人もいて、鉱物油の方が比熱が大きいからだそうだ。
(実際にどうなのか、私は知らない)
他にもCastrolやMOTULの合成油ではエンジンが吹けていかない、ジムニーは鉱物油用に作られたエンジンだからだ、的な事が書かれていると、記事全体を信用したくなくなるんだなぁ。
どこかのオイル交換屋の言うように、オイルが黒くなったら交換時期ですとか、理由もなく3ヶ月/3,000kmごとのオイル交換を勧められても納得は出来ないが、ジムニーの場合シビアコンディションでは2,500km毎の交換が指定されているので、これが根拠であれば2,500kmでも3,000kmでも交換する。 ジムニーは油温が上がりやすいので、距離ではなく期間(5ヶ月毎とか半年ごととか)が重要だと言っている人もいる。
油温が上がるので添加剤成分の分解が進み、それは走行距離ではなく時間で劣化するからだというのが理由だ。
Xを見てもっとも頻繁にオイル交換をしている人は700km毎(軽自動車)だった。
1,000km〜2,000km毎に交換している人の多くが軽自動車に乗っている。
油量も少なく高回転高負荷運転するから、と言うことだろう。
軽自動車以外だと5,000km〜7,500km毎という人が多い。
走行距離での管理は面倒なので、3ヶ月に1回替えるという期間管理の人もそれなりにいた。
ジムニーはトヨタキャッスルオイルを使っていて、1回のオイル交換に要するオイル代は1,500円もかからない。
オイルフィルタも毎回交換していたが、それだってたいした価格ではない。
一方でターボチャージャの軸受けが焼き付くなどすれば、お金もかかるし修理が面倒だ。
ターボチャージャの故障原因の多くが潤滑不良によるシャフトの回転不良、スラスト方向へのガタである。
スラッジが詰まるほどのオイルの状態ではトラブルが起きて当然だが、オイルの焦げ付き性低下によるシャフトのトラブルはゆっくり進行し、やがて軸受け不良となる。
昔ターボタイマーなるものが流行った時期があった。
ATFは赤色に着色されているものが多いが、その大元はGM(General Motors)のDEXRON規格から始まる。
DEXRON規格はオイルの性質や品質から色まで規定していたのだ。
現在主流の高効率ATだとDEXRON6相当のATFを使うものが多い。
ジムニーではDEXRON3が指定ATFとなっているので様々な銘柄のものが使用出来る。
ミニはDEXRON6相当以上が指定なので、いくつかの認証オイルが選べる程度だ。
ワコーズのATFは全てに使えるとされているので、下位互換のDEXRON6相当以上なのかな。
(ワコーズでは特にDEXRON云々は謳っていない)
最近の多段ATは低粘度オイルを使う訳で、更にFF車となるとハイトルクを伝達するギアも潤滑しなければいけない。
AT以外でもCVTやDCTなど、オイルの特性を指定したトランスミッションもある。
DEXRON3は次のように進化している。
DEXRON III-F→DEXRON III-G→DEXRON III-H→DEXRON VI
DEXRONIIはDEXRONIIIで代用可能な場合が多いが、粘度か異なっている。
ATのクラッチやブレーキはATFの剪断抵抗で動作しているので、粘度は重要になる。
DEXRON3よりDEXRON6は低粘度なので、例えばジムニーにDEXRON6のATFを入れるのは躊躇う。
トヨタは専用ATFを指定していて、DEXRON3は使うなと言っている。
ではDEXRON6相当なのかというと、そこは不明なのだ。
でもトヨタのATFは「T-III」,「T-IV」の呼び名なのでDEXRON3と6なんじゃないの?と思うけど。
オイルに関しては人それぞれ、一家言の集大成みたいな所である。
コメント
オイルはマニアな人だと単車乗りの人が多いですね。
そうでないと微妙な差がわからないと思う。
マニアはやっぱりモチュールが良いと言う。
自分が知ってるというか思うのはホームセンターでカストロールが
よく安売りしていてあれは怪しいというか成分が安物ぽい。
トヨタのキャッスルも粗悪でレクサスはモービル1使ってるんじゃなかったかな。
モービル1も最近のは昔ほどよくないとか。
でも大抵の場合石油会社のオイルは良いとか言われていて、
自分はシェル使ってますな。5w40にしてます。
0w20はダメだとマニアの人は言いますねえ。
欧州車はリサイクルプラの使用義務があるので近年のは樹脂の劣化が早いと
言われてますが、サラサラオイルも燃費規制のせいで耐久性を犠牲に
してる。わずかな燃費改善のためにエンジンの寿命が縮む。
それは買い替え促進になるのでメーカーとしても都合良いのでしょう。
カストロールは中外油化学工業株式会社の佐野工場で製造しているそうです。
この工場にはモチュールの缶も積んでありますね。
なるほど、中外油化学工業株式会社の佐野工場にはカストロールもモチュールもワコーズも積んでありますね。
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オイルはレシピに基づいて合成(混合)するだけなので、半導体で言うところのファブレスみたいなメーカが沢山ありますよね。
独自の技術で開発したみたいな謳い文句でも、添加剤の混合比を替えただけみたいな、勿論その混合比が大切なのでしょうけれど、なんか「自作PC」みたいな感じです。
MOTULは日本で売られているものは、本国仕様と名称は同じでも中身は違うそうですし、カストロールも一般販売用とディーラ向けは違います。
全合成油になって、製造外注はしやすくなったのかも知れないですね。
オイルの評価にかかわったことがあるんですが、ディスクが滑るようになったりゴムが攻撃されたりいろいろあって、純正オイル以外は信じられなくなりました。同じ銘柄でも内容が変わったりするらしいのでトランスミッションメーカーも試験したオイル以外は正式には保証できないんじゃないかと思います。
オイルの添加剤メーカーは限られると聞いたこともあるので、オイルに関するノウハウって、そういったメーカーの何を選ぶか程度かもしれないですね。