歴史は繰り返す?

点火系のアフターマーケットパーツは昔からある。
ボンファイアとかガンスパークはコンデンサだ。
ボンファイアはポイントの消弧用コンデンサを置き換えるもので、ガンスパークはイグニションコイルの二次側に付けるコンデンサだ。 ボンファイアは「特殊半導体を応用した特許の特殊コンデンサ」だそうだ。
他にもカラフルなハイテンションコードとか、色々なものが売られていた。

二次側にコンデンサを付けると何が起こるかなのだが、二次電圧の立ち上がりはある程度の時間がかかる。
そこでそのエネルギをコンデンサに蓄えておいて、放電開始と同時にそれをディスチャージしようというものだ。
これは放電開始電圧と放電終止電圧の差があることを利用したものだが、点火時期は多少遅くなる。

ポイントに付けるコンデンサは、単に純正品と交換するだけかな。
一次側電圧のピークを抑えれば二次電圧は下がるので、C・Rの直列のスナバ回路的なものとか?
ツェナーで電圧を抑えるのが良いが、大容量のツェナーなどあの時代に(安価に)あっただろうか?

こうした点火系チューニング?も、ポイント方式からトランジスタ添加になり、そしてダイレクトイグニション全盛時代になって姿を消した。 しかし今はそのダイレクトイグニションコイル自体が売られている。
能書き的には昔のイグニションコイル同様で、火花が強いとか電圧が高いとかだ。

人気は”HSP強化イグニッションコイル”かな。
ノーマルとの差は歴然、エンジンが静かになるみたいな評価が多かったりするが…
失火が増えるとエンジンは静かになるんだなぁ、これが。

イグニションコイルが壊れた時に純正の代わりに付ける(ただし純正同等以上のものを)のは良いとして、あえてイグニションコイルを変える意味は無い。 ドレスアップパーツとして、赤いイグニションコイルを付けたいというのなら止めはしない。

今の時代の車なので失火があると排ガスレベルが上がってしまう。
排ガスレベルが上がると触媒の負荷が増え、触媒の劣化が進む。
今の車は触媒下流にO2センサがアリ、触媒が劣化するとエラーが出るので放置は出来ない。

なので点火系の設計は重要だし、ダイハツの一部車種は世界初のデュアルスパークを謳う。
マルチスパークや複合点火は以前に実験している。 マルチスパークの場合は放電間隔分だけ点火時期が遅れることになり、あまり効果が無い。
それでも燃え残りを少なくする効果はあるわけだ。

日産だったか、高圧電源を使って放電させる方式を採ったのは。
イグニションコイルは絶縁破壊用の高圧を作り、放電が始まると別の電源から放電用の電力を供給する。
絶縁破壊には高い電圧が必要だが、いったん放電が開始されれば数kVの電圧で放電を維持出来る。

コメント

  1. 早乙女梅子 より:

    ダイレクトイグニッションコイルは、その取り付け位置により、熱負荷がネックで作動回路の放熱性というより耐熱性が問題で寿命が短いです。放熱ペーストを入れてるようですが焼け石に水。ヘッドカバーに囲われて、更に小型化の要求が酷くて壊れないのが不思議です。
    昔のデスビのフルトラも壊れましたけど、それより保たないダイレクトイグニッションコイル。部品が無くなると、クルマアッセンブリーでごみだから、始末悪いですね。こんなアフターパーツなんて信頼性があるのでしょうか?

  2. 読者 より:

    今日たまたまTwitterでプラグの向きを揃える、
    というのが話題で出てました。
    そんなのプラシーボだろ?と思ったのですが、
    某スカイアクティブXでは指定があるとか。
    マーキングして揃えるのでしょうか?

    堀越さん的にはどう思われます?
    あっても杞憂レベルだと自分は思うんですけど。

    • FnF より:

      これも昔あったんですよ。
      吸気バルブの方に接地電極を向けない方が良いと言う話で、銅ワッシャなどを挟んで方向を決めるというチューニング?が。
      あと接地電極に穴を空けるというのもありました。
      接地電極に穴を空けるとエッジが増えることと、電極周りに混合器が入りやすくなるとか何とか。

      接地電極位置論の理屈は分かるのですが、ではシリンダ内のスワールはどうなのか?
      吸入空気量によってスワールは変化しないのかとか、だったらマルチ電極プラグで良いじゃないかとか、そう思います。

      スカイアクティブXはイグニションプラグを指定方向±45度で取り付けろというものですね。
      スカイアクティブX自体かなりクリチカルで、ガソリンのオクタン価によって体感できるくらいパワーが変わるそうです。

      イグニションプラグは接地電極に遮熱層を貼り付けてあったり、突き出し量を厳密に決めていたりと、ギリギリの燃焼制御なんですね。
      プラグ以外でも圧縮比管理の為にピストンの寸法や重量の許容公差を従来より厳しくしたり、組み上がったエンジンをモータで回して全数のデータを取るとか、かなり金のかかったエンジンです。

      マツダ3ではマイルドハイブリッドと組み合わせてスカイアクティブGより1割燃費が良くて、2割弱パワーが大きくて、でもハイオクを要求し、70万円以上価格が上がってしまったという、エンジニア魂を形にしたら悲劇が待っていたというのは、日産の可変圧縮比エンジンと同じですかねぇ。

      普通のエンジンの場合は様々なプラグ、摩耗度合いやカーボンの付着度合いなども含めてテストをすると思うので、特に今の車は神経質になる必要はないと思います。
      勿論極限を求めるのであれば研究は必要でしょうが、満タン法で燃費が~みたいな確認方法では誤差に埋もれてしまいます。

タイトルとURLをコピーしました