インテークポートとインテークバルブ清掃の話はBlog_Nをご覧頂きたい。 2世代目のミニはカーボン堆積でバルブが溶ける事がある。
インテークポートのカーボンによってスワールが乱され、異常燃焼が起きたりPMが増える。
PMが増えるとそれがバルブの密着を悪くし、放熱を妨げる。
最近のエンジンはフリクションロス低減の為に、バルブスプリングのバネ常数がかなり低められている。
弱いバネでバルブサージを防ぐ為に、バルブも軽く作られている。
バルブスプリングが弱いのでカーボンの噛み込みを排除出来ず、これによってバルブがシートに密着しなくなる。
するとバルブの熱を逃がす事が出来なくなり、バルブが溶ける。
ホンダのS2000のエンジンは高回転まで回す仕様で、バルブスプリングはダブルだ。
1本のスプリングでバネ常数を上げる事は出来るが、固有振動数の問題が出てくる。
そこで固有振動数の異なる2本のスプリングを使うという設計で、近年(S2000自体古いけれど)のエンジンとしては珍しいかな。
バルブスプリングのバネレート低減は、結局の所低燃費化の弊害みたいな話になる。
スズキのK6Aエンジンも、スバルのEN07エンジンもバルブが溶ける。
大量EGRによるスラッジで、インテークバルブも密着性が悪化する。
これによってアイドリング不安定や燃費の悪化を招く。
マツダはこの対策の為にバルブスプリング交換のリコールを行っている。
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エンジンの吸気側バルブスプリングにおいて、スプリング荷重の設定が不適切なため、吸気バルブの閉じ力が弱く、吸気バルブとバルブシート間に挟まる煤を押し潰すことができず、圧縮不良となることがあります。そのため、エンジン回転が不安定になり、最悪の場合、エンジンが停止するおそれがあります。 --
スバル(トヨタ)はバネ常数の問題ではなく、材質不良か。
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原動機の動弁機構部において、設計が不適切なため、バルブスプリングの設計条件よりも過大な荷重及び一般的な製造ばらつきによる当該スプリング材料中の微小異物によって、当該スプリングが折損することがある。そのため、エンジンから異音が発生し、また、エンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。 --
一部の整備工場ではカーボンの噛み込みをクリーニングした方が良いと言っている。
車検ごとにでもチェックするだけで、バルブ関係のトラブルは回避出来ると。
バルブの当たり面をみた写真や動画はいくつもあるが、インテークバルブのカーボン噛み込みは結構多い。
バルブが開いた状態でシリンダ内にキャブクリーナを噴射すれば、泡状にシリンダ内に広がり、バルブやポートにも洗浄剤が達するだろうから綺麗になる。 ポート噴射のエンジンだとインジェクタを外して、そこからキャブクリーナを入れる。
ついでにインジェクタの清掃もすれば良い。
エキゾーストマニホールドを外して、みたいな記事もあったが、エキゾースト側は固着の問題があるので外すのは大変だ。
ポート噴射のエンジンであればPEA添加剤である程度のクリーニングは出来る。
燃料添加剤は即効性がないのと、継続して入れなければいけないのでコストはかかるのだが、ガソリンタンクに入れておけば良いので気軽ではある。
吸入型洗浄剤として、マツダのロータリエンジン用のクリーナ(カーボンブラスター)が強力だそうなのだが、今も売られているのかな?
今の車は燃費の為に様々な工夫がされている。
それで燃費が改善されたのだから良い事ではあるが、メンテナンスコストは上がっている。
低粘度エンジンオイルと各部の摩耗問題、充電制御車とバッテリーの関係、アイドリングストップとバッテリーやセルモータ、ATFも低粘度化が進んでいるし、大量EGRによるスラッジ問題などなど。 適切にメンテをすればトラブルは回避出来るし、乗りっぱなしでも数万kmでトラブルになる事はないだろう。
しかし長く乗ろうとか、性能を維持しようとすると、メンテナンスや交換部品が増えてお金がかかる。
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