おかしな記事

記事には「大雪のなかにEVで立ち往生したらガソリン車よりも危ないのか?」とサブタイトルが付けられている。
記事によれば日産リーフ(仕様などの詳細は不明)だと、電池残量70%の時からエアコン使用で9時間バッテリーが保ったという。
一方ガソリン車では3時間で一酸化炭素濃度が上昇して人が死ぬとなっている。

EVは連続暖房時間で、ICEは一酸化炭素の問題なのか?
そもそも車全体が雪に覆われるような状況で無い限り、排ガスによる酸欠の心配は余りない。
渋滞時の話で強いて言うとすれば、前車の排気ガスが入ってくる可能性はある。
短時間に大量の雪が積もるような天候の場合は、ドアが開かなくなってしまうのでたまに雪かきをする必要があるだろう。
その時は排気管周辺の雪も崩しておこう。

では1.5リッタークラスでどの程度暖房をつけていられるだろうか。
ガソリンタンク容量40リットルで燃料消費量が15ml/分とすると、毎時900mlを消費していく。
低燃費車であればもっと少ないと思うし、昔の車なら多い。
ディーゼル車はアイドリング時の燃料消費量が少ないのでガソリン車の2倍くらいは燃料が保つのだが、アイドリング時の発熱量も少ないので暖房が効きにくい(水温が上がりにくい)かも知れない。
毎時1リットルの燃料を消費するとしても、40リットルタンクの残量が70%なら28時間耐えることが出来る。
排気量の大きな車は燃料消費量が多いが、その分燃料タンク容量も大きい。
なので平均的にリーフの3倍以上は暖房を使っていられる事になる。

ハイブリッド車の場合はヒートポンプ暖房を使う車もあるので、この場合はガソリン消費量が多くなってしまう。
ICEの場合は暖房に必要な熱量以上のエンジン発熱があるので、ガソリン節約のためにはエンジンの始動と停止を繰り返した方が良いかもしれない。
ただし水温が下がりすぎると、暖房に必要な水温に上げるためのエネルギが要るのとファストアイドルが上がって燃費が悪くなるので、水温50℃~80℃あたりでコントロールするのが良いだろう。

エンジンをかけたら車内が少し暑いくらいになるまでフルパワーで暖房し、エンジンを止める。
車室内が冷えてきたら又エンジンをかけるの繰り返しだが、これでどの程度ガソリンが節約できるのか?実験してみたいところだ。
外気温の状態も変化するので、同じ車が2台ないと比較できないだろうけど。

いずれにしてもリーフの場合は電力残量が70%あったとしても、9時間くらいしか耐えられないことになる。
テスラは満充電で12時間程度らしいので、残量7割だと8時間くらいしか保たないかな。

2020年の関越道では40時間以上にわたって車が動けない状態が続いた。
これは特殊な例と言えばそうで、その後は概ね24時間前後で渋滞が解消している。
ICEで雪国に出かける時にはこまめに満タンにする事、EVにしても充電率を上げておくことがせめてもの防御だろうか。

ボルボだったか、EVに燃焼式のヒータを付けるという、何が何だか分からないようなシステムを付けたのは。
外部排気型の燃焼器で水を温め、それで暖房する仕組みだそうだ。
現状では外気温の低下と共にバッテリーの実容量が減少し、車両によってはバッテリー保温用の電力が使われる。

コメント

  1. kaz3 より:

    燃焼式ヒーターといえば、空冷ビートルで使われるヤツを思い出しました

    • tnk より:

      空冷エンジンの本田1300クーペ9を思い出しました。
      エンジン前置きなのでヒーターはそこそこ効きましたが、
      なんせあの二重空冷の冷却空気そのものですから、時には油臭さも感じました。

  2. レオナルドクマー より:

    911でもエキマニをマジなヤツに替えると、燃焼式のヒーターに交換です。

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