テスラが自動運転で走行中、車道でよろけた老人がいた。
これを避けるためにテスラは左にハンドルを切り、対向車と正面衝突した。
正面衝突した弾みで若干後退し、老人にぶつかった。
これを以てテスラは凄い、老人の命を救ったとPostしたのはエキセントリックなテスラ派である。
しかしこれ、自動運転でも何でもなく、ドライバが運転していた映像らしい。
単に車種がテスラ製だったと言う事で、テスラは自動運転と決めつけたようだ。
過剰にハンドルを切らなければ対向車にぶつからずに済んだと思うし、自動運転なら正面衝突はしなかったかも。
それは良いとして、こうした事故は起こりうる。
対向車も自動運転だったとしたら、どう避けるのだろう。
将来的には車車間通信による協調制御が行われるのだろうが、それまでには時間がかかる。
そもそも人間との衝突を避けるために正面衝突をするというアルゴリズムは許されるのだろうか?
それでもテスラは自動運転は人間の判断に勝るという。
トヨタは自動運転の時代が来たとしても、コパイロットとして人間が必要だと言っている。
エアバスA300-600Rの事故は、操縦士と自動飛行装置の判断が食い違った事により引き起こされた。
自動操縦装置がゴー・アラウンド・モード(着陸やり直しモード)になり、パイロットによる操縦桿の操作と自動飛行システム(AFS)の作動が相反した。
なぜゴーアラウンドモードになったかだが、副操縦士の操作ミス(意図せぬスイッチオン)が指摘された。
自動飛行システムは、トリマブル・ホリゾンタル・スタビライザー(THS)をアウト・オブ・トリム状況、つまり水平尾翼によって機体を上昇させる方向に制御を行った。
ゴーアラウンドモードなので機体を上昇させる必要があったからだ。
一方でパイロットは着陸を行うつもりでいた。
パイロットは副操縦士にゴーアラウンドモードの解除を指示するも、副操縦士は解除が出来ず操縦桿によって機体を降下させる。
操縦を代わったパイロットもゴーアラウンドモードの解除が出来ないまま、エンジン出力を下げて機首を下に向けようとする。
しかし自動飛行システムは速度の低下を失速の可能性と判断し、エンジン出力を上昇させた。
この時点でパイロットは着陸を諦め、ゴーアラウンドの操作を開始する。
それまではAFSと人間が相反する操縦を行っていたのだが、人間がゴーアラウンド操作を行い始めたことで、通常より急激な姿勢変化が起きる。
THSの状態とエンジン出力の急激な上昇で、急速に機首が上がり、53度以上の角度にもなった。
急激な機首上げによって失速し、エンジン出力は急速に低下し、機体はそのまま墜落した。
自動運転車が危機的状況に遭遇したとき、制御を人間に渡した方が安全なのか?自動運転システムが制御した方が安全なのか?
危機的状況に人間が気づかず、寝ていたらどうなのか?
テスラはステアリング操作すら人間にはさせない方向で、自動運転車を作ろうとしている。

(画像はITmediaより)
トロッコ問題の、ひろゆき氏の回答。
ひろゆき氏は自身の回答にご満悦?のようだが、問題のすり替えどころか回答になっていない。
Q.ポイントをどちらに切り替えますか?
A.触ると責任が及ぶからポイント切り替えレバーには触らない。
Yahoo知恵袋と殆ど変わらない。
Q.50cc原付の最高速度はどのくらいまで出ますか?
A.原付は30km/h以上出してはいけません。
みたいなもので、回答出来ない問題から逃げるスタイルだ。
しかし現実的に、自動運転車が事故を起こしそうな場面では何らかの制御が必要になる。
対人衝突と対物衝突の場合は、より弱い側への衝撃が少なくなるような制御になるのだろう。
ではトロッコ問題だとどうなるのか?
現実的には犠牲者が少なくなる方向の制御しか出来ない。
しかし制御技術が進化すれば車の衝突角度やその時の衝撃度合い、負傷の可能性や生存の可能性までもが判断されるかも知れない。
これは一人を死傷させるか5人を死傷させるかではなく、6人が負傷するが死傷者は居ない、みたいな回避行動だ。
以下はACCによる運転車(クラウン)が加害車両となった死亡事故だ。
記事には以下のように書かれている。
自動車運転過失傷害の容疑で逮捕された加害者は「事故原因は覚えていない」と話をしているそうですが、警察から聞いた話によると、自動運転(レーダークルーズコントロールのことか?)で車を走行させている途中、靴を履き替えていたか、服を着替えていた可能性が高いとのこと。つまり、前を見ずに運転していたらしいのです。
ACCによる事故は工事用の車両や工事区間に突っ込むとか、車線から逸脱して中央分離帯に乗り上げるなどが起きている。
中国では高速道路走行中に寝る人が多いそうで、日本同様に車線逸脱などでの事故が起きている。
一部の車両はステアリングから手を離すとACCが解除される仕組みになっているが、そのセンサを誤魔化すためのグッズが売られている。
また車室内をカメラで監視したり、ドップラレーダを使って人間の動きを検出をするものもあるのだが、センサや制御にコストがかかるなどで、安価なモデルには搭載されていない。
スマートフォンを見ながらの運転で事故を起こすと1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられるわけだが、ACCに運転を任せての事故は安全運転義務違反程度の処罰ではないのかな。
コメント
信号無視の歩行者2人が飛び出してきた。タイミング的に止まれないし道幅がないので路肩避けるしかない。しかし路肩に避けると何の落ち度もない歩行者1人を撥ねるのは確実。みたいなとき、自動運転はどう判断するんでしょうね。
自動運転のアルゴリズム以前に、例えば被害者の頭数より過失の有無を重視する、みたいな前提となる法整備が必要かもしれませんね。