安い米は売られるのか?

備蓄米の安価な放出でJAと農水省は困っている。
空気を読まない実行力の小泉氏は親譲り?

農水省は備蓄米の放出に反対していた。
理由は価格が下がってしまうからだ。
しかしJAが全て買い付けるという話になると、価格統制が出来て値が崩れにくいという事になる。
じゃあ仕方がないから放出しましょうかというのがこれまでの流れだった。

農水省の思惑通りに事は進行し、JAも備蓄米を市場に中々出さない事で米の価格を上げていく。
最初は輸送手段がないと言い、次には精米は間に合わないと言ったかな。
これに対して精米業者が、ウチは手が空いているよ、ウチのせいにしないでよとコメントした。

ここで小泉氏が登場する。
○○とハサミは使いようではないが、総理の表向きの言葉に従って行動開始。
結果として農水省とJAは渋い顔、JAは自民党にクレームを入れまくる。

一部農家も米の価格が下がったら食っていけないと訴えるのだが、米の値段が上がる前でも食べていけていたのでは?と言われる。

今回の放出は小売業者までを対象とした。
より消費者に近い企業に売却すれば、中間コストがかからないので早く安く米が市場に出せる。
ただしいわゆる大手の小売業者だけで、小規模な所はダメだ。
街の米屋は、これではウチが潰れてしまうと不満を漏らす。
しかし何らかの制限は必要で、小規模店にも払い下げますよとすると、じゃあ個人で買ってもいいじゃないかなんて理屈を言い出す人もいるだろう。

街の米屋さんは美味しい普通の米を売り、ディスカウント系スーパーは備蓄米を売ると言う事で、棲み分けは出来ると思う。
ただこれまでの米の価格が余りにも高値で推移していたので、一時的には皆安価な米に飛びつくはずだ。
それが落ち着いた後で、安い米は味が悪いみたいな話になれば高い米が売れるかも知れない。

農水省は減反政策をやっている。
何故減反を推進すするのかと言えば、米が余ってしまうからだ。
何故米が余るのかと言えば、生産量より消費量が少ないから。
消費量が少ないのに何故米を作る農家が多いのか?それは収益になるからである。

勿論米から他の作物への転換が容易ではない事は想像が付くが、そもそも米を作っても儲からないのであれば誰も作らない。
これが市場原理そのものであり、だから食管法が廃止されたのではないのか。

農家は美味しい米を作る努力をして、ブランド米・プレミアム米はそれなりの価格で売れる。
ただ景気低迷と物価上昇で、それらの美味しい米よりも安価な米の方に人気が出ているのも事実だ。
これは米だけの問題ではなく、家電製品でも、耐久消費財でも同じ傾向がある。

今年は味より収穫量の増やしやすい苗を植えた農家が多かったとか。
このあたりにも水田はあり、今年は春先から暑いよと言われて高温に強い苗を植えたとか。
所が天気予報が外れまくりで寒い5月となり、生育に影響が出ているらしい。
昨年は台風被害が余り無かったが、今年はどうだろうか。

物価高対策でカネを配っても一時的なもの。
根本的な対策が必要なのは誰もが分かっている事である。
農業政策にしても補助金や助成金でお茶を濁していても何も変わらない。
農業そのものの効率化だとか自動化を推進する事が必要だ。
このあたりの水田は面積が小さく、農業機械を搬入するのに手間がかかる。
植え付けも収穫もわずかな時間で出来るのに、重機搬入や移動が大変だ。

大規模某業に対しては、若い人は賛成意見が多いそうだ。

日本の農業就業人口は減少しています。2000年には389万1000人いた農業就業人口は、2018年には175万3000人になりました。米、野菜、果物の産出額や農作物の作付面積、生産量も減少し続けています。

なお、2012年1〜2月に農林水産省が行った「今後の農業経営についての意向」に関するアンケート調査によると、20〜39歳の年齢層からの回答に

  • 農業経営面積(頭数等)を拡大したい 43%
  • 新たな部門に取り組む等、経営の複合化を進めたい 42%

とあります。40歳以上の人に比べ、若年層に経営拡大や経営の複合の意向をもつ人が多いということが分かっています。

コメント

  1. nas より:

    >安い米は味が悪いみたいな話になれば高い米が売れるかも知れない。
    その方向に持っていきたいのか既にテレビではその手のコメントが多いですね
    すごいのはミヤネ屋で「古古古米はえげつないぐらい味が違う」が
    放送されたそうでネットでちょっとニュースになってましたし
    玉木氏の「1年たったら動物の餌」発言も物議を醸してなかなかです
    自分はお試しに1kgや2kgの小量販売を期待していたのですが
    ファミマやセブンは随意契約から外されたそうで残念です

    • システムエンジニア より:

      >ファミマやセブンは随意契約から外されたそうで残念です

      ファミマは、随意契約(1,000トン分)の事業者認定を受け、6月5日 販売スタートです。

      価格は1kg 388円。令和3年産の国産米 一人1点。

      日経の話では。
      ローソンは早ければ週内に、1キロ税込み389円と2キロ税込み756円。

      セブン-イレブンは入荷が決まり次第、2キロ税込み800円余りで販売です。

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