このオイルはどこから来たのか?

前回オイル交換をしたときにはオイルは付いていなかった。
少量しかにじみ出していないようなので、単に気づかなかっただけかな。
オイル交換の時は一応はチェックするようにしているし、オイルのしずくが付いていたら気がつきそうなものだけど。

なので、その後オイルがにじみ出したと考えた方が自然だ。
あるいはにじみ出した量が増えたのかも知れない。
ここの所いじる場所もなくなっていたので、修理するかな。

リークはオイルパンとエンジンブロック接合部かなと思ったのだが、フロントギアケースカバーの辺りが怪しい。
とりあえず様子を見て、オイルパンを剥がすか、ギアケースカバーを取り替えるか考える。
オイルパンも付け直してフロントギアケースカバーも換えれば良いのだが、液状ガスケットを買わなくては。
液状ガスケットはロックタイトの5970が指定されている。

液状ガスケットと一口に言っても、とにかく沢山の種類がある。
硬化時間だとか強度、薬剤耐性などが微妙に異なっている。
例えば薬剤耐性で、エンジンオイルに対する耐性のあるものでもATFは駄目とか、グリスは良いけれどエンジンオイルは駄目とか、使用用途によって色々なのだ。

自動車でよく使われるものでも硬化時間や硬化後の強度、未硬化時の強度、未硬化時の薬品耐性が異なる。
ロックタイトの5970は表面硬化までが26分なので、塗布後26分以上経ってからエンジンオイルを入れろと規定されている。
オイルパンの取り付け、取り外した部品の取り付けで26分以上はかかると思うので、この程度の時間であれば余り気にはならない。
表面硬化前に油脂に触れると、はみ出た液状ガスケットが剥がれてストレーナを詰まらせたりする。
また硬化前に油脂に触れる事で、硬化後の特性が変化してしまう場合もある。

ロックタイトの5970は脱アルコール型で、金属や樹脂への攻撃性が少ない。
また変位に対する追従性が良いので、振動などに強い。
輸入車は樹脂パーツが多いので、脱アルコール型が指定されているのだと思う。
脱アルコール型は保存性が良くないので、早めに使い切らないと変質する。

スズキで指定されているスリーボンドの1215は脱オキシム型で接着性が良好だが、腐食性があるので銅含有金属や樹脂部品に使う事が出来ない。
ジムニーのK6Aエンジンは鋳鉄ブロックと鉄製オイルパンなので、1215が指定されているわけだ。
1215はエンジンオイルに耐性があるが、冷却水やATFに耐性はない。
耐性を余り気にしないで使っている記事もあるが、2~3年するとオイルや冷却水にじみが出てきたりする。

ATのオイルパンには1217Bが、冷却系には脱アセトン型の1207が指定されている。
脱アセトン型は深部硬化性が良くないので、厚塗りすると漏れの原因になる。
1207はサフィックスで特性が異なり、1207Bは取り外し性が悪いが、1207Cは取り外し性が良好だ。
では引っ張りに対する強度は1207Bの方が高いかというと逆で、1207Bは1.9Mpaで1207Cは4.2MPaである。
引っ張り強度と接着強度の違いなのかな。
なお脱アセトン型は保存性が良い。

トヨタ(ダイハツ)は冷却系パーツには1282Bが、ATFに触れるところでは1281が指定だったかな。
他にも耐熱性の違いがあったり、弾性や接着強度が異なる。
何にでも使えると謳われるものにワコーズのガスケットメイクがある。
脱オキシム型だがエンジンオイルにもATFにもギアオイルにも冷却水にも耐性がある(ガソリンには使えない)そうだ。
スリーボンドでもマルチパーパス的な液状ガスケットがいくつかは存在する(1216シリーズなど)のだが、特性的には中途半端になってしまう。
全てに良好な耐性のある製品は存在しない。
ワコーズのガスケットメイクは、(能書きが本当ならば)世界で唯一の万能液状シール材かも知れない。

ではガスケットメイクを使うかというと、詳細なデータが公開されていない時点で使えない。
塗布から3時間は乾燥時間をおくようにと書かれているものがあったのだが、ワコーズのデータなのか?経験からの時間なのか不明だった。

R型ミニは年数が経っている事もあってカムカバーからのオイル漏れが起きる場合がある。
ここはゴム製のパッキンが付いているのだが、角の部分には液状ガスケットを塗る。
この液状ガスケットの種類によってはカムカバーの樹脂がわずかに変形し、そこから再びオイルが漏れる例がある。
社外品のカムカバーはダメだみたいな記事もあったが、脱オキシム型の液状ガスケットが原因だという海外の記事があった。
脱オキシム型液状ガスケットは硬化時にケトオキシムガスを発生する。
これが樹脂の内部にまで浸透して、内側から脆くなってくるのだそうだ。
劣化が進めばひび割れなどになり、それ以前には変形などが起きる。

ポリカーボネイトも脱オキシム型液状ガスケットでひび割れるんじゃないかな。
あとは銅系の金属、一部アルミ合金もダメなので注意を要する。

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