オイル売りは余り儲からない?

軽自動車ではせいぜい3リットル、1リットル800円で売るエンジンオイルの仕入れ値は150円位だから、1台の車のオイルを交換したところでたいした儲けにはならないとYoutuber氏は語っている。 ガソリンスタンドの場合は2掛けくらいで買えるのかも知れないが、一般の整備工場だともう少し高いはずだ。
勿論月間購入量にもよるので、エンジンオイルやATFの交換専門の所などだとかなりやすく入るだろう。
エンジンオイルよりもATFの方が仕入れが安いと言われていて、1リットル3千円位のATFを200リットルで買うと5万円位だとか。 勿論ドラム缶1本だけを買ったのでは逆に送料を取られてしまう。
ATF交換屋などは毎月何トンものオイルを買うからこそ安価に仕入れが出来る。
なので各種オイルを取りそろえている整備工場だと、品種あたりのオイル消費量が少ないので、オイルの仕入れ値は余り安くないはずだ。

ミニに使うオイルにしても5リットルのボトルで買うか、ペール缶で買うか迷った。
確かにペール缶で買った方が割安ではあるが、例えば年に1回しか交換しないと使い切るまでに4年かかる。
5,000km前後の走行毎に交換すると1.5年位で使い切るので、だったら20リットル買ってもいいかな、位な感じだ。
ちなみに5リットルボトルは1万円位だが、20リットル缶は約2.5万円で買った。
5リットルボトルを買って年に1回オイル交換するのと余り変わらぬコストで、20リットル缶を買えば半年に1回オイル交換が出来る。

輸入車に乗っている方は使っているかも知れないFUCHS TITAN GT1 PROは、5リットル分を買うと2万円ほどだが20リットル缶は3.8万円位で買える。 まあペットボトル飲料と同じようなもので、重量物は沢山買うほど安くなる。

今もあるかどうかは不明だが、ガソリンスタンドによっては高いオイルを指定しても、安いオイルを指定しても、入れるのはいつも安いオイルという悪質なところがあった。 見て分かるものでもないし、乗って分かるものでもないので、やろうと思えばインチキが出来る。

ATFとかCVTFなどはメーカ指定か、認証が取られているフルードを使った方が良い。
昔の車は(ホンダ以外は)クリチカルではなかったが、規格が同じだから使えるだろうと思うとトラブルが起きる可能性がある。

先日の記事のコメントで中外油化学工業株式会社が日本国内向けのカストロールやMOTUL、ワコーズのオイルを製造していると教えて頂いた。 中外油化学工業は昭和中期の操業で、少量多品種生産を得意とする潤滑油メーカだそうだ。
潤滑油はベースオイルに各種添加剤を混合して製造するので、混合比が明確であればどこででも作れる。
ベースオイルは自社生産しているところもあるが、多くは石油元売り系から買って来る。

例えばF&Fオリジナルオイルを作りたいと思った時に、こんなオイルが欲しいんですと中外油化学工業に連絡する。
すると10kリットルあたり100万円ですよ〜みたいな見積もりが来て、じゃあ作ってくださいと言えば製品が出来上がってくる。 こんな特性、あんな性能でと要求を言えば、添加剤と混合量を設計してくれる。
「数々のレース経験に基づいたデータから、10年の歳月を経て生まれたオイル」なんて宣伝されているものでも、実は電話1本で仕様が決定している、なんてものも少なくはない。

カストロールとかエクソンモービルとか、MOTULもそうだろうしバーダルとかリキモリなどの、いわゆるオイルメーカは守秘義務契約を結んだ上で、オイル屋さんにオイル製造を外注する。 エンジンオイルの比重は0.8494を超えるので、関税は9.6%になる。
しかし潤滑油ではない原油は非課税、自動車用揮発油は1klあたりの税金が995円なので、日本国内生産がお得なのだろう。

守秘義務契約は結んでいると言ってもオイル屋さんはその成分を知っている訳だから、全く同じものは作らないにしてもノウハウを得ることは出来る。 エンジンオイルの1〜2割を占める添加剤は、オイルメーカから供給されてくる場合がある。
その成分分析をすれば(オイル屋なら)おおよそは分かると思うが、同じものを作るのは大変だ。

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