プライバーが一般的呼び名のようで、英語表記はPrybar、あるいはCrowbarと呼ばれる。
先の曲がった(曲がっていないものもある)マイナスドライバーみたいなものだ。
ならばマイナスドライバーで代用が出来るかというと、うーん、まあ出来るかな。
実際私もマイナスドライバーをコジり棒として使ったりする。

そう、プライバーとはコジり棒なのだ。
隙間に先端を突っ込んでぐいっと押してその隙間を広げる時などに使う。
マイナスドライバーは先端が焼き入れされていて、それはネジに接触する部分の硬度を上げて変形しないようにしているからだとか。
対してプライバーは固すぎると折れてしまうので、適度な粘性を持った材料が使われるとある。
ウチにある一番長いマイナスドライバーは30cm位で、プライバーは45cmのものを持っている。
なので力が必要なときにはプライバーで、それ以外はマイナスドライバーでコジる事もある。
マイナスドライバーの一番短いものは(Stubbyを除くと)10cm位のものなので、10cm~30cmまではマイナスドライバーを使い、それ以上のものや力の必要な部分はプライバーを使う。
どんな風にコジるかイラストはないかなと検索したら、Googleはプライバーとプライバシーを区別しなくて笑えた。
プライバーの派生モデル?として先端の角度が可変出来るものがある。

形状的にマイナスドライバーとは呼べないほど変化してしまっているのだが、プライバーの仲間だそうだ。
これはアジャスタブルプライバーとか、フレックスプライバーと呼ばれる。
先端の角度が可変出来て、更に全長が可変出来る。
狭いところでもこれを突っ込み、作業しやすい角度に先端を固定してコジる事が出来る。
ドライブシャフトをミッション側から抜く時に下からプライバーを入れにくい車種では、タイヤ側からこの棒を突っ込んでコジれるとの事だ。
私はこのタイプは持ち合わせていないし、ハードな作業?をしないアマチュアには不要だという整備士の方も居る。
私など技術がない分を道具に頼るみたいな感じではあるが、その道具も中々揃えられていない。
シノとかシノーと呼ばれる工具がある。
先端が曲がっていて少し尖った丸棒で、鉄筋を組むときに番線をよじったりするものだそうだ。
車の整備で使うときはプライバーの丸形、みたいな感じでコジったりする。
ネジ位置が合わない時にこれを突っ込んで合わせるとか、平たいプライバーでは都合の悪いときに使う。

ドジなアマチュアの整備で役に立つのが落としたビスやナットを拾うヤツである。
マグネットの付いた棒とか、ネジを掴む事の出来るアレだ。
ウチにはビスキャッチと呼ばれる8cmのものと、72cmのフレキシブルタイプがある。
8cmタイプは車の整備ではほぼ使わず、72cmのものはちょっと先端がデカいんだなぁ。
M10のボルトを掴むとかなら良いのだが、もっとスリムなタイプが欲しくなる。

マグネット付きの棒は、ロッドアンテナ風になっているものが多い。
これはこれで使えるのだが、ロッドアンテナ風のものはくるくる回ってしまうのでネジ締めやゆるめには使えない。
回らないものだと、手の入らないところにネジを付けるときなどにも使えるし、オイルパンのドレンボルトを外す(手をオイルで汚したくない)時にも使える。

意外に使えるのが鉗子である。

ロックの付いた大型ピンセットみたいなもの。
剛性の低いピンセットは力を加えると先が開いてしまうが、鉗子は丈夫である。
電気工作にも使えるのだが、車両整備においては小さなバイスプライヤ(ロックプライヤ)的に使う。
電線を抑えておくとか、私などはプラスチックのクリップ(内装を止めているようなヤツ)を狭い隙間に
落としてしまったときに、コイツで挟んで拾い出す。

磁石にくっつくものは拾い出しやすいが、プラスチックものが狭いところに落ちてしまうと厄介だ。



ピンセットにも様々な種類・形状のものがあるが、鉗子も色々なものがある。
上に左の写真は腹腔鏡手術の時の練習用だそうで、レバーを握ると先が閉じるのは鉗子と同じだが、高枝切りハサミみたいな構造になっている。
バイスプライヤも活躍の場が多い。
折れたネジを抜き取るとか、ナメたネジを外すとか、ガッチリ挟んでくれる。
普通のものとロングノーズのもの各1本あれば、何かと役に立ってくれるはずだ。

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