CDIとイグニションコイルの関係

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電気柵用電源はCDI

鹿除け電気柵用の電源として、以前に制作したCDIユニットを使っている。
CDI方式であれば連続的に高電圧が加わらないので、危険性が少ない。
市販の電気柵用電源の多くもキャパシタディスチャージ方式である。

CDIはコンデンサに蓄えられた電荷を、イグニションコイルをパルストランスとして使用し、高電圧を発生させる。
一般的な逆起電力方式と比較すると、ドエル時間概念がないので(エンジンが)高速回転時にも高い電圧を発生させることが出来る。
一方でコイルのインダクタンスが小さいと、放電時間が短くなってしまう。
その為スカイウエイブ用としては、従来型の放電回路とCDIの出力を合成した複合放電にしている。

電気柵用として、このCDIユニットとシグナスX用のイグニションコイルを使用していた。
シグナス用を使用したのは手持ちがあったからで、スカイウエイブ用の方がインダクタンスが大きくて良かったのだが手持ちがなかった。

トランジスタ点火が一般的になった今、ほぼ全てのイグニションコイルは閉磁路型だ。
ドエルアングルを適切にコントロール出来るので、磁気飽和の恐れはない。
従って開磁路コイルにする必要もない。
閉磁路コイルは小型軽量に作ることが出来る。
ダイレクトイグニション全盛の今では、イグニションコイルの通電時間も長く取れるので特性的には楽になっている。

イグニションコイルによる高圧波形の違い

シグナス用のコイルを使い、CDIの出力電圧を約430Vにした時の二次波形だ。
電圧は1/1000の分圧器を使って測定している。
測定は柵線を接続した状態、定常負荷で行っている。

シグナスX用のコイルは一次抵抗が約2.6Ω、二次抵抗が約11kΩ、一次側インダクタンスが約6.6mH、二次側が約14.7Hだった。
閉磁路コイルにしては一次インダクタンスが大きく、測定時は磁路を閉じずに開磁路として測っているためだろうか。
車両搭載状態では閉磁路になるが、電気柵用電源として使用する場合は金属板等は付けていないので、開磁路である。

トランスのインダクタンスは計測が難しい。
今回はLCRメータの1kHzで、オープン状態で行っている。
実際の動作時、例えば二次側に柵線を接続すると一次側のインダクタンスは約1mHと小さく計測される。

ピーク電圧は約17kVで半サイクル時間は約360μsである。
CDIユニットのコンデンサ容量は、電気柵用電源用として6.68μFとしている。

同じ設定のままBOSCHの開磁路コイルに取り替えてみた。
ピーク電圧は20kV近くになり、放電時間は約650μsまで伸びた。
ボッシュのコイルは一次抵抗が約1.6Ωで二次抵抗が約9.5kΩ、一次側のインダクタンスが約6.4mH、二次側が約70Hだった。
ピーク電圧が上がったのはコイルの巻き線比が大きいからだ。

コンデンサ容量を、例えば0.22μFから0.68μFにすれば放電時間は長くなるが、0.68μFを2.2μFにしてもさほど波形に違いはない。
ただしコンデンサ容量を大きくした方が実質的な出力インピーダンスが下がる(電流が増える)ので、電気柵用としては6.68μFにしている。

下は(初期のものなので極性は逆だが)放電用コンデンサ容量が2.68μF時のものである。
コイルはシグナスX用、半サイクル時間は約310μsであり、6.68μF時の360μsと余り変わっていない。

CDI用のコイルとしてはインダクタンスが大きいこと(放電時間が長くなる)、二次抵抗が低いこと(放電電流が大きくなる)が必要だ。
強力な火花が必要とされるロータリーエンジン用のコイルも実験してみたいところだが、中古価格が高いので躊躇う。

20kVはさすがに電圧が高いので、CDIの出力電圧を350Vまで下げた。
この状態でも2次電圧は約15kVと高い。
もう少し下げても良いのだが、雨天時などリークが増えた時の事もあるのでこれで様子を見る事にする。

CDIの出力電圧を下げても、思ったより二次電圧が電圧が下がらないのは、電圧を上げると碍子などからのリーク(放電)が増えるので負荷が重くなるためだ。
18kVを超えると碍子付近でパチッパチッと音がする。
放電対策はしているのだが、ノップ碍子の限界である。

柵線電圧一定制御もさほど難しいものではないが、まあ現状で動作しているのでこれで良いだろう。

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ボッシュのコイルはいにしえのスタイルなので、高圧コードを付けにくい。
イグニションケーブルなど手持ちはないし、さてどうしようか。
そこで薄い金属板を丸めて二次端子にはめ込むことにした。
しかしその金属がステンレスだったようで、半田付けが出来ない。

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仕方がないので、金属板にケーブルを通すようにしてイグニションコイルの端子と接触させた。
その上からゴムブーツをかぶせて押さえた。

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一次側端子もインチねじなのでナットがない。
ここはギボシ端子を突っ込むことにした。

後日このコイルを入れる箱を用意する予定だ。
現時点ではバラックというか、並べただけである。

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木を切り倒した時の丸太を輪切りにして台にしている。
電気柵用電源はソーラーパネルに接続されたバッテリーで動作している。
しかし曇天が数日続くと放電終止電圧となって電圧がカットされてしまうため、サブバッテリーを接続している。
その上に見えるものが柵電圧用計、右の白い箱の中にCDIユニットが入れてある。

閉磁路コイルは小さいので、この白い箱の中に入れられたのだが開磁路コイルは入らない。
試しにというか興味本位でCDIの出力電圧を500Vまで上げると、二次電圧は25kVを超え、あちこちで放電が始まってしまった。
ボッシュの説明書によれば、イグニションコイルの出力電圧は始動時(電流制限用抵抗をバイパスした状態で)25kVとなっている。
従ってコイル自体が絶縁破壊する訳ではないが、いたずらに電圧を上げると放電対策が大変である。

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電圧計は高耐電圧ケーブルを使っているが、それ以外はHID用の電線とコネクタを流用した。
HIDのイグナイタは20kV程度の電圧を出力する、HIDが点灯している時の定常電圧は数十V程度だ。

イグニションコイルではなく、電源トランスを使用する例も見かける。
電源トランスの一次側と二次側を反対に使う、二次側の端子にコンデンサの数百ボルトを加えることによって、100V側から数kVを得ようとするものだ。
これでも高圧は出るのだが、そもそも100V用のトランスの耐圧は高くはなく、絶縁破壊の危険性がある。

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コメント

  1. […] 現在使っている電気柵用電源は、シグナスX用のCDIとして作ったものの流用である。中華HIDのトランスを使って作ったもので、今のところ問題なく動作している。しかしこれが壊れると鹿の侵入を許すことになってしまうので、予備を作っておく事にした。 […]

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