除草剤の比較・効果と草刈り

住宅・土地・エリア

ここは山の中なので草が凄い。
横浜にいた時は、そもそも庭自体が狭かったので草刈りの手間などたいしたことはなかった。
だがここでは手で草を取る作業は現実的ではなく、草刈り機(刈払機)を使い、更には除草剤にも頼る事になる。

草刈り機

草刈り機はボッシュの電動式を使っている。
チェーンソーもそうなのだが、モーター式はメンテナンスが楽なので年に数回しか使わない用途には向いている。
最近ではバッテリータイプのものも増えてきているので、それであれば電線を引っ張り回す必要はない。

草刈り機には金属製の回転刃を使ったチップソー式と、ナイロンワイヤー式がある。
ボッシュの草刈り機はナイロンワイヤー(ナイロンコード)式なので、建物や石にワイヤーが当たってもなんと言う事はない。

斜面の草刈りも気にせずに出来て便利なのだが、切断可能な草の茎の太さに限りがある。
純正のナイロンワイヤーは丸断面で空気抵抗も少なく回転数も上がるが、ナイロンワイヤー自体が弱いので太い草を刈るとナイロンワイヤーが切れてしまう。

現在使っているのは角断面のもので切断力は強いのだが、空気抵抗が幾分大きいのでモーターの回転数が少し下がる。
ただナイロンワイヤー消費量はかなり低下するのと、根元からワイヤーが切れてしまう事がないので作業性は良い。

こまめにメンテをすれば良いのだが、草刈り機自体が草だらけになって汚れる。

問題は茎の太い草である。
ナイロンワイヤー式では切る事が出来ず、植木用のハサミなどを持ち出す必要がある。
チップソー式を新たに購入しようか迷っているところなのだが、植木を植えている周辺はナイロンワイヤー式草刈り機で用が足りているのと、それ以外の部分は足を踏み入れたくないほどの草の量なので、そもそも草を刈る必要があるか?とも思うのだ。

ガーデンバリカン・ヘッジトリマー

レシプロタイプのカッター、ハサミのような構造である。
芝を刈るとか、主に剪定用に使う。
剪定ハサミよりも楽というか、植木の形を整える時などは便利に使える。

除草剤

草刈りもするが、除草剤も使う。
横浜時代も、インターロッキングの間に生える雑草対策として除草剤を使っていた。
現在は主に電気柵の下や電気柵の外側など、また笹系の雑草対策に除草剤を使っている。

粒状ネコソギ

粒状ネコソギの主成分はヘキサジノン・DBN・DCMUで、根まで枯らす事が出来る。
粒状ネコソギにはいくつか種類があり、それぞれで成分が異なっている。
ネコソギは根から吸収されるタイプなので、土に直接撒く事が出来る粒状が理にかなっている。
使った感じだが、規定量の散布では余り効かない。
能書きとしては3kgで75m2~600m2に散布出来るとあるが、精々50m2くらいかなと思う。
雑草の種類や雑草の量によっても異なると思うが、少なくともここの山に生えた雑草の処理には多めに散布しないと効かなかった。
効果は長続きし、秋口に散布すると翌年の春も明確に雑草が少なかった。

1m2あたりのコストは80円~90円になる。

液体ネコソギ

ネコソギの液体タイプのネコソギガーデンシャワーは、粒状ネコソギとは成分が異なる。
液体タイプの主成分はグリホサートイソプロピルアミン塩(ラウンドアップ系)で、除草王なども同一の成分となっている。
根から吸収されるタイプなので、草の根元に噴霧した方が良いとは思うのだが、実際に草が生い茂っている現状では中々難しい。
噴霧器などを使って草にかけていく感じで、5リットル入りのネコソギガーデンシャワーは125m2~250m2に対応と書かれているが、80m2以下に使う感じになる。

より効果の長いネコソギロングシャワーは5リットルで42m2~250m2であり、こちらは30m2目安と言ったところだ。
散布数日後から1週間程度で効果が出る。

1m2あたりのコストは、ネコソギガーデンシャワーで17円前後、ネコソギロングシャワーで80円前後になる。

ラウンドアップ

余りに有名な除草剤である。
この除草剤はネコソギと異なり根からは吸収されず、葉や茎からのみ吸収される。
土中に染み込んだ除草成分のグリホサートは、2週間程度で自然分解される。

ラウンドアップにもいくつか種類があり、グリホサート以外の添加成分によって効能が変わってくる。
標準的なものだと4.5リットルで150m2~300m2となっている。

非選択制の除草剤なので、ラウンドアップが付着した植物は枯れる。
ただしスギナや笹系の雑草は枯れにくく、多めに散布する必要がある。
シダ系の植物には良く効き、少量でも枯らすことが出来る。
雑草の種類によって効果が異なるので、同一散布量とした場合はグリホサートの効きにくい雑草だけが残ったようになる。

ツル系の雑草が絡まり合って巨大化した草に散布してみた。
大きくなった雑草類なので、かなり多めに散布した。

1週間後には効果が見られたが、全てが枯れることはなかった。

笹系の草が密生した場所にも散布してみた。
これも規定よりかなり多め、葉から薬剤がしたたるほど散布した。
理由は笹系には効きにくいと言われているからだ。

1週間後にはかなり枯れたが、完全ではない。

触れたものだけが枯れるので使い勝手が良い。
根から吸収されるタイプだと、根の深い雑草には効きにくくなるし雑草の周囲に有用な植物がある場合は除草剤が使えない。
しかし葉や茎から吸収されるタイプであれば、枯らしたい雑草にだけ散布することが出来る。
ただし笹系には効きにくいので、1~2週間ごとに複数回の散布が必要だ。

1m2あたりのコストは25円~30円くらいになる。

プリグロックス

プリグロックスは一般的除草剤ではなく農薬に分類される。

その為入手性が少し悪いのだが、このあたりでは(田舎で需要があるので)ホームセンターで買うことが出来る。
これはラウンドアップ同様に、プリグロックスが触れた葉や茎の植物を枯らす。
ただしラウンドアップとは異なり、根は枯らさない。
こうした特徴から水田や畑などに広く使われている。

散布量は100m2あたり100mlと少ない。
一般的には50倍から100倍に希釈したプリグロックスを散布する。
50倍の希釈液(プリグロックス100mlを水で5リットルに薄める)で50m2への散布が出来るとなっている。
プリグロックスは効果が早く出るのが特徴であり、散布翌日には変化が見られる。

ラウンドアップを撒いてから12日が経過し、これ以上は枯れないと判断しプリグロックスを撒いてみる。

プリグロックス散布3日目にはかなり枯れた。

根は枯れていないので再び葉が出てくるかも知れない。
葉が枯れて茎が見えるようになったので、その茎を切った。
太いものだと直径3cm位まで太くなっていたし、そこにツル状の草が絡まって茎を切っても草が倒れないような状態だった。

手の届く範囲は切ったのだが、ここは急斜面なのでこれ以上は先に進めない。
奥の方は草が枯れていないが、それはプリグロックスが届かなかった部分だ。

笹的雑草が生い茂った場所もラウンドアップではこれが限界だった。
笹には効きにくいと言う事なので、かなり多めには散布したが全てを枯らすことは出来なかった。

その笹系雑草も、プリグロックス散布3日目にはすっかり枯れた。

ススキのような背の高い草の生えた場所にも散布してみる。
手前にあるのはイチジクの木とレモンの木で、奥の草が生い茂った部分に散布する。
奥の方は草だらけで、もはや人間が立ち入ることも拒むかのような状態である。

散布3日目にはかなり枯れてきた。

散布して2週間くらいすると、新たな草が生えてくる。
根を枯らさないので持続性はない。

1m2あたりのコストは2円~4円くらいになる。

シバゲン

シバゲンは選択性除草剤で、芝は枯らさずに雑草を枯らすことが出来る。
芝生のエリアには毎年春先と秋口に散布しているが、散布開始2年目くらいには夏に生える雑草の量自体が減少した。

芝用としてMCPPもあるが、対応雑草の多さという点でシバゲンの方が使いやすい。

春先に草が出てきた(あまり生長していない)時に散布するのが効果的で、数時間で植物に浸透するそうだ。
秋口に撒くと土壌に浸透して雑草の生育を阻害し、翌春の雑草を抑制出来る。

芝生エリア以外でも勿論効果はあるが、ウチでは芝生エリア用として使っている。
非常に少量で良いのでコストパフォーマンスは悪くない。
効果が出るのは比較的遅く、散布後2週間程度で草が枯れ始める。

1m2あたりのコストは3円前後になる。

塩化カルシウム

塩化カルシウムを撒くと永久に植物が生えなくなるとか、家が壊れるなどと書かれているページがある。
それらのページはオリジナル除草剤メーカだったり、草刈り業者だったりする。
この手のページは多々存在していて、数十年植物が生えないとか、半永久的に植物が生えないとか、法に抵触するとか、下のページでは川に流れて塩分濃度が高くなるかも知れないと書かれている。

小さな河川でも毎分数トンの水が流れているわけで、そこに20kg入りの塩化カルシウム一袋を流してしまったとしても、多少アルカリ度が上がる程度でしかない。
もしもこれが問題だとしたら、融雪剤として何トンもの塩化カルシウムが撒かれている地域の河川など、どうしようもない状況に陥るはずだ。

またそうした降雪地域において、道路脇の植物の育成に影響が出るという話はある。
毎年冬になると塩化カルシウムが撒かれるので、多少の影響は出る。

結局の所除草屋は安価に除草されては困るわけで、不安を煽る記事を掲載するわけだ。
このページにも書かれているが、家の基礎が破壊されるとか、土地の評価額が下がるなど、およそ現実的ではないことまで書いている。

では実際除草剤としての効果はどうなのか?

この場所には1m2あたり200gほどの塩化カルシウムを撒いたのだが、普段と変わらぬ草の生え具合である。

2ヶ所に塩化カルシウムを散布して様子を見たのだが、塩化カルシウムを撒いた場所の方が草が生えやすい所もあった。
酸性度が下がるなど土壌改良剤として作用したと思うのだが、いずれにしても除草効果は殆どなかった。

農林水産省においても土壌改良用として塩化カルシウムや硫酸カルシウムを使用するとなっているし、1%程度の濃度の塩化カルシウムの葉面散布に関するレポートもあった。

写真の手前側、ピンクの線で囲った部分は塩化カルシウムを撒いたエリア、それ以外は撒いていない。

大量に(1m2あたり数kg)撒けば除草効果が出るかも知れないが、それ以外では目立った効果は感じられない。
なおテニスコートやグランドなどの土を固める目的で使う程度の分量(1m2あたり1kg前後)を撒けば、土を固める効果と共に雑草の生育が3ヶ月前後は阻害されるそうだ。

1m2あたりのコストは100円前後になる。

根は枯らすべきなのか

ネコソギなど、根まで枯らす除草剤は効果が高いイメージがある。
根が枯れないと、すぐに新芽が出て草だらけになるイメージだ。
ただ、少なくとも山の中においては根が枯れるかどうかは余り関係ないかなと思っている。
根が枯れたところで新たな雑草の種子は飛んでくる訳だし、地下茎は伸びてくる。
ただネコソギのような除草剤層が形成されるものに関しては、その部分が長期にわたって雑草の生長を阻害する。

写真は除草剤を使わず、草刈りをした部分だ。
草を刈った直後は当然全ての草は無くなっているわけだが、3週間ほどすると新たな草が生えてくる。
根まで枯らす除草剤を使えば草は生えにくいのだが、他の(枯らしたくない)植物などがある場合は除草剤の使用がためらわれる。
プリグロックスならば根への影響が無いので、草刈りをしたとき同様の感じになる。

草刈りによる除草の場合は、春先と夏の少なくとも2回は行う必要がある。
ネコソギなど持続性の除草剤を春先に撒けば、秋口までは雑草が生えない。

コストと効果の比較

ネコソギや除草王は標準使用量よりかなり多めに使う必要があるが、シバゲンは(芝生に使う場合は)標準使用量を守る必要がある。
また除草したい植物によって、あるいは土壌によっても散布量が異なる。
こうした実使用における使用量を考えた場合の、おおよそのコスト一覧である。

除草剤名1m2あたりのコスト主要有効成分・特徴
粒状ネコソギ80円~90円ヘキサジノン系・4~6ヶ月効果持続
粒状除草王20円~30円カルブチレート系・3~5ヶ月効果持続
ネコソギガーデンシャワー15円~20円グリホサート系・1~2ヶ月効果持続
ネコソギロングシャワー75円~90円グリホサート系・3~6ヶ月効果持続
液体除草王10円~15円グリホサート系・1~2ヶ月効果持続
ラウンドアップ25円~30円グリホサート系・1~2ヶ月効果持続
サンフーロン4円~5円ラウンドアップの2nd品
プリグロックス2円~4円パラコート系・農薬分類・効果持続性無
シバゲン2円~4円フラザスルフロン系・選択性除草剤・1~3ヶ月効果持続
MCPP2円~3円MCPP系・選択性除草剤・1~3ヶ月効果持続

すぐに雑草を処理したい場合はプリグロックスが良い。
散布した翌日か翌々日には草が枯れ始める。
なおプリグロックスと根まで枯らす除草剤を混合して使った場合、根まで枯らす除草剤が根に浸透する前に、プリグロックスによって茎や葉が枯れてしまい、根まで枯らす除草剤の効果が発揮出来なくなる。

ラウンドアップは特許が切れた関係で、グリホサート系除草剤が色々発売されている。
価格の差も大きいのだが、グリホサートの含有率の違いもあるので購入時には注意したい。

粒状ネコソギを標準使用料の数倍量で使用した時の効果持続性はなかなかのものだ。
ただ斜面で使用した場合は、薬剤成分が下方に流れるので影響範囲が広がる。
これにより高さ数メートルの杉の木の葉が黄色くなったが、翌年には元に戻った。

効果持続性という点で粒状ネコソギや粒状除草王は有効なのだが、枯らしたくない植物が近くにある場合は使えない。
なお粒状ネコソギと粒状除草王の効果持続期間の違いだが、粒状ネコソギを多く撒いたから効果が長かったとも言える。
同一の雑草に対して同一の条件で使用したわけではないので、厳密な比較とは言えない。
ラウンドアップやプリグロックスは薬剤が触れた草しか枯れないので、噴霧器で枯らす/枯らさない植物を容易に選択出来る。

根を枯らさないプリグロックスは、雑草と植木が密集しているような場所でも使いやすい。
植木にかからないようにしながら、雑草にスプレーすれば翌日には効果が見え始める。
斜面などの草の根を枯らしてしまうと、保水力の低下や土留め効果の減少につながるが、根を枯らさない除草剤であればその心配は少なくなる。
ただし根を枯らさないので、やがて又草が生えてくる。

液体除草剤の噴霧には蓄圧式のものを使用した。
ラウンドアップやプリグロックスは同じ根から生えている草でも、薬剤のかかった葉は枯れてそうでない葉は枯れにくい。

ラウンドアップやプリグロックスは、春先・夏場・秋口に散布する必要があるかも知れない。
どの程度の雑草を許すかにもよるのだが、少しの草も許さない(あるいは許せない)場所の場合は、持続性のある除草剤の方が手間がない。
ただし単価が高いので、手間を許すのであれば即効性のあるプリグロックスが使いやすい。
すぐに効果が出るので、雑草が残っていたらその部分だけ再度散布すれば良い。

除虫も行うのであれば、液体除草剤にマラソン乳剤などを混合して散布する。
また除草剤によって枯れた草の腐葉土かを早める、早めたい場合は、えひめAI土壌バクテリアを混合散布すると、枯れ草の堆肥化が早まる。
牛糞などでも同様なのだが、枯れ草などを肥料とする場合には発酵工程が必要になり、バクテリアの素はそれらを促進する。
なお除虫剤とバクテリアの素を混合すると、バクテリアが死んでしまうと思う。

土中には土壌バクテリアが存在しているが、バクテリアの素を使用することで発酵がより活発になる。
ウチは山の中なので動物臭などの防止もあり、えひめAIサムライEXを使っている。

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