BENZの一部のモデルは2000年頃からオイルレベルゲージが付いていなかった。
オイル量はセンシングされ、メータパネル内で見る方式だったし、オイル交換時期はオイルクオリティセンサでのセンシングだった。
当時は未だ多かった有人ガソリンスタンドで「オイルを見ておきましょう」と言われ、ボンネットを開けるレバーを引く。
ボンネットが一段階目で少し浮くのだが、ボンネットを開けることの出来るスタンドの店員率は半分くらいだったかな。
グリルのスリーポインテッドスターの奥に、ボンネットの開閉レバーがある。
まあボンネットを開けたところでレベルゲージがないわけだから、オイルレベル量を見ることは出来ない。
ここでそっとボンネットを閉める店員もいれば、ディップスティックはどこですかと聞いてくる店員もいた。
聞かれても「整備士ではないので分かりません」くらいに答えておいたけど。

ミニもエンジンルームにディップスティックはない。
あるXのアカウントは、オイルレベルのチェックに30分以上かかると怒っている。

画面を見て分かるように、オイルレベルのチェックは1分程度で完了する。
何に時間がかかるかというと、油温を適正値にするまでの待ち時間なのだ。
ちなみにATFも適温になるのを待ってから、レベル調整をする必要がある。
SLはエンジンオイル量が多かったので常温でチェックできたが、ミニは油量が少ないので適温でチェックしなさいとなっているのかも。
エンジンオイルなのでそこまで厳密でなくても良いとは思うのだが、オイルの熱膨張係数は意外に大きいので、本来は適温でチェックすべきではある。
膨張係数は油質によって異なるので一概には言えないが、50℃油温が上がると1リットルあたり50ccくらい増えるのではないだろうか。
レベルセンサでのオイル量測定で、Min~Maxで0.5リットル~0.8リットルくらいではないかと思う。
意外と測定範囲が狭いというか、油量規定が厳しいのかな。
ポルシェ911(992)は油量が8リットルくらいあるのだが、レベルインジケータのmin~maxで0.5リットルだったかな。
バイクでレースをする人だと、油量だとか油温、オイルの粘度にはウルサイかも知れない。
小排気量高回転型エンジンでは、わずかな抵抗でも駆動力が落ちてしまう。
ただ普通に普通の車を乗っている人は、エンジンオイルレベルを見るのに油温は気にしないだろう。
走行してきた車のエンジンオイルを交換する場合は、エンジン自体が温まっているので交換後のオイルが温まるのも早い。
しかしエンジンが冷えている状態でオイル交換をすると、エンジンオイルが温まるには結構時間がかかる。
エンジンオイルが適温でない場合は、レベルチェックが出来ない。
私は規定量を入れてオイル交換は終了とし、走行後にレベルチェックをする。
規定量を入れれば適量の範囲に入る。
規定量が分からない場合は抜く前にオイル量をチェックし、適量入っているのであれば抜いたオイルの量だけ入れておけば著しく不足はしない。
(オイルフィルタの分だけ不足する)
アイドリングでは中々油温は上がらないが、普通に走れば10分かからず適温になる。
こうした事も経験があれば分かるが、輸入車をはじめて触った人だと混乱するだろう。
ポルシェやフェラーリ、マクラーレンなど、車種によってはオイルドレンプラグが複数箇所にあるが、なんで一箇所にまとめないんだ!と怒るかも。
ドライサンプのエンジンを知っている人なら分かるだろうが、ドライサンプの車は少ないから。
ドライサンプの車はオイルを循環させた状態でレベルを測る必要があるので、油温が規定温度になった状態で、規定の回転数を規定時間維持してオイル量のチェックをする。
ポルシェ911の一部モデルはオイルフィルタ交換に、リアバンパーを外す整備工場もある。
991/992はクーリングファンを外さないとオイルフィルタにアクセス出来ない。
991は大丈夫だと思うが、992はクーリングファンを外すためには冷却水のキャップを開けなければいけないが、エンジン(冷却液)が温まっているとキャップが開けられない。
従ってオイルフィルタを交換するには冷却水が冷えるのを待つ必要があり、オイル交換に何時間も要するのはこのためだ。
オイル交換自体は簡単だが、オイルが抜けにくいのでオイルを抜くのに数分かかる。
ちなみにオイルパンは樹脂製である。
991でもGT3はドライサンプなので、ドレンプラグは3箇所にある。
オイルフィルタは下からアクセスできるので、フィルタ交換はベースモデルより簡単に出来る。
ハイパフォーマンスカーとファミリーカーを一緒にするなと言われそうではあるが、ネジ締めトルクの規定なども欧州車は結構厳密だ。
それに比較すると日本車は整備性が良いと言うか、許容度が広いというか、様々なヒューマンエラーを想定した上での設計や基準が出来ている訳で、それが壊れにくいし壊されにくい信頼性につながっていると思う。
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