UPSには自動車用のバッテリーを使っているのだが、これが駄目になった。
UPSでバッテリーのアラートが出たのだが、本当にバッテリーエラーなのかな?と、その時実は信じていなかった。
このUPSはフロート充電電圧が13.5V位と低めなので、昔のAPCのUPSのようにバッテリーが熱くて触れなくなるなんて事はない。

UPSは定期的にバッテリー稼働に切り替わってテストされるので、その時にはバッテリーの電力を使う。
停電時にも勿論バッテリーは使うのだが、ここの所停電回数はめっきり減っている。
ブレーカが落ちる事もあるのだが、いずれにしても数分程度の使用なのでバッテリーに対する負荷は軽い。
鉛バッテリーなので深放電には弱いのだが、そこまで電圧が下がったことはない。
そう考えるとバッテリーにとっては良い環境であり、室内に置いているので車のエンジンルームのような温度変化もなければ振動もない。
このバッテリーは購入が2018年なので7年半くらいは経っている。
そうは言っても無負荷で保管してあるようなものだから、劣化(容量減少)はあったとしても突然使えなくなるなんて事になるのかな?と思ったのだ。
で、インジケータを覗いてみると充電不足のサインに見えるが、中央部分が白いので充電不足+電解液不足だろうか?
いや、電解液が減ると比重は上がるのだから、電解液不足と充電不足表示は同時に起きない気がする。

UPSをバッテリー駆動に切り替えてみると、UPSが動作しない程度まで電圧が落ちた。
これは本当にバッテリーがダメなんだ…
UPSは14日ごと(たぶん)にセルフテストが行われるだが、前回のセルフテストは正常終了している。
寿命ギリギリまでは10A前後の負荷に耐える容量があり、その後急速に内部抵抗が上がったのか。
いわゆる突然死の類いになる。
バッテリーに付いているインジケータの仕掛けは外すことが出来るので、コインで回して外してみた。

何か汚い…
電極が剥がれ落ちて電解液が濁っているのだろうか。
電解液不足なら補充も出来そうなのだが、電解液が濁ってしまったバッテリーはまず生き返らない。
バッテリーは2並列で使っているのだが、どちらも大同小異と言った感じ。
まあ品質の一定性という面では評価出来るのだが…
もう一方は電解液不足のサインになっている。
LEDライトで照らしながら写したのだが、赤色が分かるだろうか?

CCAを測ってみたら8A、電解液不足サインの出ている方は38Aだった。


内部抵抗は286mΩと67mΩなのだが、コンダクタンス方式では上手く測れないくらいバッテリーが劣化している。


交流抵抗計で測ると、約1Ωとなった。

仕方がないのでバッテリーを買うのだが、LFP(LiFePO4)が安くなっているので使ってみたい。
使ってみたいのだが、仕様がよく分からない。
4セルだと12.8V~14.4Vなのでこれは良いとして、ピーク放電電流が0.5Cと書かれているものもある。
バッテリーの容量も20Ahとか30Ahとか大きいのだが、中華ものはセルの容量の合計を表示する。
2AhのLFPが4直列で使われている場合は8Ahと表示されるわけだ。
12Vの鉛バッテリーだと2Vのセルが6個直列になっている。
2V/10Ahのセルが6個使われていると、普通は12V/10Ahと表記される。
しかし中華スタンダードでは、これを60Ahと表記する。
AhではなくWhなら話は分かるのだが、中華スタンダードは厄介だ。
これ↓などバッテリーには120Ahと書かれているが、端子の大きさからしてどうなっているの?という感じ。
商品説明の所には12Ahとあるので、故意に1桁間違えているとか?
18650サイズのLFPが2並列の4直列だとすると、1本あたり1.5Ah(12Ahを信じるなら)で、まあそんなものかな(12V/3Ah)とも思える。
150Ahと書かれているものもやたら安いんだけれど、これって何Ahなのだろうか?
しかもこれ、仕様を見ると不審である。
LiFePO4という名称のLi-ionバッテリー?
まず最大電圧が12.6Vとあるのだが、これはLiFePO4ではなくLi-ionの3直列という事になる。
これはたぶん、本物のLFPだと思う。
200Ah品の重さが16kgなので、これも妥当だ。
最大充電電流はパルスで200A、連続で40Aとある。
最大放電電流は不明だ。
EVが売れなくなり、Li-ionバッテリーの価格が暴落している。
一方で発火時の暴走が少ないという点でLFPの人気が高まったことから、Li-ionバッテリーをLiFePO4(LFP)として中華は売り始めている。
40B19Lだと28Ahだが、20AhらしきのLFPが7千円程度なので、価格を見れば鉛バッテリーと大きくは変わらない。
Amazonだと7AhのLFPが4千円弱、12Ahで7千円程度だ。
鉛問題もあるのでUPS用などはLFPに変わっていくのかも知れないが、有害と言われる鉛バッテリーのリサイクル率は高い一方で、リチウム系バッテリーのリサイクル率は非常に低い。
Li-ionは満充電状態で放置すると寿命が短くなるが、LFPはその傾向が小さいのでUPSでも使用出来る。
ただし13.5Vを満充電電圧とすると、SOCは80%~90%なので実容量は減る。
100%充電にするには14V以上が必要だ。
UPS用として使う場合は最大放電電流が重要になる。
500VAのUPSではフル負荷時のバッテリーからの電流が50A程になるからだ。
18650サイズのLFPのデータシートを見ると、最大放電電流は1C~3Cでメーカや品番によって異なっている。
LPFは良いのだが、中華LFPに関してはセル構成がよく分からないし、本当にLFPかどうかも怪しいし、ちゃんとBMSが入っているかどうかもよく分からないし、最大放電電流もよく分からないし、LFPは燃えにくいとは言っても燃えない訳ではないし…
と言うことで、無難に鉛バッテリーを買うことにした。

PanasonicのCAOSを買ったのは寿命に期待したからなのだが、軽負荷での使用なら何でも同じかな?と言うことでオートバックスのPBバッテリーにした。
ソーラーシステムでも鉛バッテリーを使っていたが、乗用車用の高密度バッテリーより、補水の出来るトラック用のバッテリーの方が長持ちだった。
このオートバックスのバッテリーも密閉型ではなく、古風な補水口が付いていて、一応?充電制御車対応と書かれている。
密閉型でもAGMでも電解液の蒸発はあるので、補水可能なバッテリーの方が結果として長持ちするかも。
40B19のCCA値は旧JISで270かな?今は300なのかな?
オートバックスのバッテリーは配達された時点(補充電していない)でCCA313、内部抵抗は8.28mΩだった。
ミニのバッテリーの内部抵抗が5mΩ程度なので(容量が異なるとは言え)少し高い。


次に買うときにはLFPになるかな。
それともLi-ion系は全て固体電池になっているのか?或いはNa-ion電池か?
EV用の中古バッテリーがやたら安くなっているので、それの流用もありかな、セル構成は考えなければいけないけれど。
現時点ではエネルギ密度(Li-ionバッテリーの1/2~2/3程度)と価格の問題はあるが、Na-ionバッテリーの開発も進んでいる。
価格に関しては量産効果が出ればLi-ionバッテリー以下の価格になると思われるが、この辺りは中華メーカ次第だろう。
白熱電球や蛍光灯がなくなっていくように、鉛バッテリーも過去の遺物になる日がそう遠くはなさそうだ。
UPSはAPCのRS-550やRS-400を全部で3台使っている。
2台はAmazonで買った記録があるのだが、1台はヤフオクか?ハードオフかで購入した。
これは一度バッテリーを交換しているというか、別のUPSのバッテリーを移植した。
今回又々ジャンクのUPSに手を出したのだが、使えれば負荷を分散したい。
以前は1400VAのものを使っていたのだがバッテリーが寿命となってRS550に変え、1400VAのものは廃棄したのだった。
当初は550VAで容量は足りていたのだが、モニタが増え、HDDを増設し、PCのパワーが上がると容量不足になってきた。
PCにGPUボードを入れたら、負荷が上がる度にピーピーと警報音が鳴るようになってしまったのだった。
購入したジャンク品は単に1円だったから入札、そうしたら落札出来てしまったという話である。
送料は880円だった。
電源が入らなくなったと書かれていたのだが、APCのUPSはバッテリーがなくても電源は入るはずだ。
だとすると、本当に壊れているのか?
送られてきたらいじってみる。
OMRONのUPSはバッテリーがないと電源の入らないものもある。
APCのものは基本的にホットスワップ対応なので、バッテリーがなくても動作はするはずなのだ。
1円のUPSが珍しいわけではなく、いくつも出品されている。
ヤフオクのシステムでは送料込みの価格でしかソート出来ないので、UPSなど重いものは探しにくい。
ヤフオクとしてはヤフオク管理の発送方法を使わせたいのだと思うのだが、これは集荷対象外なので郵便局まで運ばなければいけない。
なので重いものや大きなものはお手軽配送に設定しにくく、ソートが出来ない。

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