レクサスではなくトヨタブランドを冠したGR GTは、LFA以来のホットなモデルという事になる。
トヨタではGRをスポーツブランドと位置づけているので、今後レクサスやセンチュリーに次ぐ独自ブランドが出来たりして。
なおGRパーツを装着した、GRハイエースもある。
GR GTのエンジンは4リッターのV8で、バンク内に2つのターボチャージャを納めた。
最初にバンク内にターボチャージャを入れたのはBENZではないかと思うのだが、あんな熱いものを良くもこんな場所にと思ったものだ。
バンク角は90度なので隙間が広い訳ではなく、そこに2つのターボチャージャを納める事になる。
BENZは導風板などを工夫し、走行風でターボチャージャを冷やす仕組みを採っている。
GR GTでもボンネット上に空気取り入れ口がある。
あえてバンク内にターボチャージャを入れるのは、排気干渉を避けたいからだ。
ターボチャージャは片バンクの4つの排気口に片側のタービンが接続されているわけではなく、それぞれのターボチャージャは両方のバンクから排気が導かれている。
とは言っても4気筒あたりの排気間隔はクランク角で180度しかないため、ツインスクロールターボでも使わないと排気干渉が大きい。
直接音を聞いたわけではないのだが、このトヨタV8はクロスプレーンみたいな音に聞こえた。
ただトヨタでは官能的な音を求めているという事なので、フラットプレーンの方が音としては良いと思う。
出力は650馬力以上と、意外に控えめである。
AMG GT63 SEは4リッターエンジンにツインターボ、ハイブリッドシステムを備えて816馬力を絞り出している。
ハイブリッドシステムは1モータという事なので、最近トヨタが使い始めているパラレルハイブリッドだろう。
トランスミッションがDCTではなくトルコンレスの8ATがトランスアクスル構造になって搭載される。
パラレルハイブリッドはモータで微速域をアシスト出来るので、トルコンレスATと相性が良い。
車重は1750kg以下とされていて、アルミモノコック構造で軽量化されている。
絶対重量は重いのだが、ハイブリッドシステム搭載車はどうしても重量が嵩む。
確かにモータ搭載による低速トルクに魅力はあるのだが、車重をどう考えるかによって見方が異なってくる。
NSXにしてもハイブリッドシステムがなければ売れたかも知れないと言われたのは、1.8tもの車重にあった。
GR GTをもしも鉄で作ったら(外装パネルはアルミだったとしても)2t前後の車重になっただろう。
カーボン多用のランボルギーニと比べるのは適当ではないが、ガヤルドやアヴェンタドールが1.5t前後の車重だ。
911はボディサイズが小さいので1.5t以下なのだが、マイルドハイブリッドが付くと80kg以上重くなる。
AMG GT並みのロングノーズは、エンジンをフロントアクスルより後方に搭載するためだ。
トヨタの乗用車的デザイン手法から行けば、フロントウインドゥの先端を前方に出して、フロントウインドゥの傾斜角を強める感じになる。
しかしGR GTではオーソドックスなスタイルになっている。
個人的には悪くないデザインだと思うのは、ちょっと古風な感じのいかにもGTみたいなスタイルが、個人的に好きだからかも。
ただフロントオーバハングがちょっと長くないかな?
衝突安全性確保のために仕方がないのかも知れないけど。

FRのスポーティカーとしてはスープラがあったわけだが、あれはデザインの無駄というのかな、それっぽく見せるための小僧好みの?造形になっている。
一方でGR GTは質実剛健、余計なものは付けない、必要なものを付ける的な本物らしさがある。


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